対スネーク戦
「とは言ったものの、どうしましょうか?」
スネークは、あたり一面を焼け野原にしたあとに再び上空に行く。
「そうだな、俺の三の力でアイツの背中に行ってみる。そして、体勢が崩れたらミツレが追い討ちをかけてくれ。」
俺は、三の力を起動して右手にナイフを握る。まだそんなには遠くに行ってないから命中できるはずだ。
「その前に、ここら辺を掃除しないといけませんね。今の熱線でリザード達もあらかた少なくなったようですが、まだ十体ほど残っています。」
そう言われて、俺は辺りを見回す。ミツレの言った通り、リザードの数は減ってはいるが、まばらに残っている。
「それに、どうやらこの辺りで生き残ったのは俺たちだけのようだな。」
スネークの熱線攻撃の前には10人ほど受験生がいたのだが、今は誰もいない。逃げたのか熱線の余波を喰らって脱落してしまったかの二択だろう。
「そのようです。スネークが移動しないうちに辺りを掃除しますよ!」
「あぁ、分かった! ミツレはあっちの方のリザードを頼む!」
「はい、分かりました!」
ミツレに後方に群れているリザードを任せて、俺は前方に群がっているリザードの群れに直進する。
「ざっと見た感じ、四体ほどか。時間はかけられないな!」
リザードは直進してくる俺に気づき、戦闘態勢に入る。
「モクヒョウホソク。コレヨリ、センメツスル。」
四体のリザードは、横一列で俺に走ってくる。そして、そのうちの一体が少し走る速度を上げて俺に近づいてくる。
「二の力起動! ハアアアアアアア!!」
俺は、二の力を起動する。右手に大振りな大剣が握られ、俺はそれを両手で持って構える。
「コウゲキヲカイシスル。」
大きく振り上げたリザードの右手と、俺の大剣が激しくぶつかる。
「グッ……………! 中々の力だが、この大剣で初めて戦ったアイツらほどではないな!」
リザードの右手を押しのけて、大剣の持ち手に力を込める。
そして、左足を前にして踏ん張り、大剣を大きく振るってリザードの横っ腹を真っ二つに断ち切る。
「ガ、ガガガガガガ………………」
リザードは黄色い光に包まれて消える。だが、残りの3体のリザード達が俺を取り囲む。
「やるじゃないか。だが、エネルギーは少しだが溜まったようだ!」
俺は、トリガーを思いっきり押し、剣先の銃口からエネルギーの波動を出して、宙に舞い上がる。
「やっぱり、まだ慣れないな。勢いが強すぎる!」
リザードの中心にいた俺は空中から脱出して、リザード達の背後に回る。
リザード達は、気づいて後ろに振り返るがもう遅い。
「猪突猛進!!」
再びトリガーを引いて、エネルギーの波動を出す。そして、その勢いを利用してリザードとの距離を一気に詰める。
「三匹まとめて、ぶった斬るっ!!」
二の力が生み出した、凄まじいエネルギーを利用をして、三体のリザードの胴体を同時に断ち切る。
「ハァハァ、大剣にはまだ慣れないな……………」
いつも使っている日本刀は、剣道での技術が多少は生きるが、大剣は未知数の世界だ。体力の配分などが分からないので、すぐに息切れしてしまう。
「だが、リザードは全て倒したな。よし、ミツレの方に行ってみよう。」
少し先にいるミツレの方に行くことにする。俺よりも強いミツレだから大丈夫だとは思うが、心配なのには変わりはない。
「あ! 神崎さん! そちらも終わりましたか。」
俺がミツレがいる方に向かっていると、ミツレとばったり会う。どうやら、ミツレもこちらに向かってきていたようだ。
「あぁ、なんとかな。そっちは大丈夫だったか?」
パッと見た感じ、砂埃一つ付いていないミツレだが、コイツはすぐに隠すからな。
「もちろん、私は無傷です。神崎さんは?」
「うん、俺も大丈夫。よし、次はあのデカブツを地に堕とそう。」
「そうですね、逃げられないうちに早くしましょう。」
スネークは先程から、ここら辺一帯の上空をグルグルと回っている。まるで偵察しているかのようで不気味だ。
「とは言ったものの、どうしましょうか。私の攻撃ではスネークに達するまでに威力が弱まってしまいます。」
たしかに、ミツレの攻撃手段はどちらかというと中距離タイプだ。あそこまで上空にいる敵に対してだと、近距離タイプの流風ほどではないにしろ、相性は悪そうだ。
「やっぱり、最初に言った通り俺が背中に行ってみる。それで、体勢が崩れたらヤツを狙ってくれ。」
「分かりました。気をつけてくださいね。」
俺は無言で頷いて、二の力を起動する。そして、スネークの背中目指して思いっきり投げる。
ズブリと背中にナイフが刺さっても、50メートルはある巨体の持ち主には痛くも痒くも無いのか、反応はない。
「まぁ、逃げられるよりかはマシか。遠隔起動っ!」
そして、俺はスネークの背中にたどり着いた。かなり上空にいるため、風が強く吹き飛ばされそうだ。
「くっ………………! 思ったよりも風が強いな。」
コイツがいつまでも上空をグルグル回っているとは限らない。早く、体勢を崩して少しでも下に落とさないとミツレの攻撃が届かないぞ。
「どうしたものか……………… まぁ、やれる事は何でもやってみるか!」
俺は、少しずつスネークの頭上に近く。風が強いので、進むスピードがかなり遅い。
「クソっ! 風が強いうえに、コイツ自体が動いているから今にも落ちそうだ!」
そして、風と振動に何とか耐えて、遂にスネークの頭上に俺の足は到達する。
「とりあえず、頭の上を思いっきり刺してみるか!」
頭を斬りたかったが、スネークの頭の横幅は5メートル以上はあるので、断ち切るのは不可能と判断したので、とりあえず刺してみることにする。
鞘から刀を抜き、スネークの脳天を思いっきり突き刺す。
「フンッ! どうだ!? う、うわああああ!?」
刺した瞬間、スネークは体を大きく捻らせて、刀を引き抜こうとする。
「グ、オオオオオオ!? す、凄い力だっ!!」
空中で暴れるスネークに、俺は突き刺した日本刀を握りしめて耐える。
「ズジョウソンショウ。ショウガイヲジョキョシマス。」
スネークの機械音声が響いたかと思うと、スネークは自らの体を急降下させて、ビルに突進しようとする。
「ヤバイ! このままだと脱落してしまう!」
必死に突き刺さった日本刀を抜こうとするが、中々抜けない。
「クソがっ! あ、ヤバ…………………」
ミツレが下で叫んでいるが、なんて言っているかは聞こえない。
そして、スネークは自らの体ごとビルに突っ込もうとする。
その時だった。スネークの体は勢いよく止まり、上半身が下を向いている状態になる。
「一体何が起きたんだ!? 急に止まったぞ!」
俺は、何故か止まったスネークの下半身の方を見てみる。
そこには、スネークの特攻を止めた理由が嫌でも分かる光景が広がっていた。
「こ、これは………………!」
スネークの下半身は凍っていたのだ。正確に言ったら、地上から出てきた氷柱のようなものに巻き込まれている。
「神崎悠真、無事か? 今、手伝う。」
自らの体に風を纏わせて少女が俺の隣にやってきた。ツンとした冷たい声音、それに伴ってなのか濃い青色の髪をした少女がそこにはいた。
「流風! どうしてここに!?」
俺の言葉は無視して、流風は突き刺さった俺の日本刀に手を伸ばす。
「話は後にして。今は、早くここから抜け出す。」
「あ、あぁ! すまねぇ。助かるよ。」
俺は流風と一緒に、日本刀を握りしめる。一人ではびくともしなかったが、二人だと意外に簡単に抜けた。
「おお! 抜けた! ありがとう流風!」
「別に……………それよりも、早く行くぞ。」
流風は手で口元を隠したが、咳払いをすると、俺の襟を掴んでスネークのいる上空から飛び込む。
「お、おわあああ!? 何してんだぁ!?」
俺は、バタバタ暴れているが何もできない。
「うっさい! 舌噛むぞ! それに周りをよく見てみろ!」
「え…………………あれ?」
俺は、閉じた目をゆっくりと開く。どうやら、俺と流風の周りには白い風が纏わっており、そのおかげかゆっくりと降りている。
「よし、そろそろか。」
「ん? そろそろって……………お!? おわあああ!?」
流風は、何を思ったのか掴んでいた俺の襟を手放す。高さは5メートルほどだが、頭から墜落する。
「うう……………イッテェなぁ! 流風ぁ!!」
契約起動してなかったら即死な高さだったぞ!?
「あははは! すまんすまん!」
流風は笑いながら、優雅に着地した。
「ったく! 何考えてんだか………………イテテ………………」
頭をさすりながら、立ち上がろうとすると目の前に誰かの手が差し伸べられる。
「悠真くん、大丈夫? 流風! やりすぎだよ〜!」
手を差し出した人の顔を、俺は見上げる。そこにいたのは、まるで魔女のようで、黒色の膝下のワンピースととんがり帽子、そして硬そうな茶色のブーツを履いる栗色の髪の毛の少女がいた。
「氷華! お前も来てたのか。いや、流風がいるからそりゃそうか。」
氷華の手を借りて、俺は立ち上がる。
「私たちのところには、あまり敵がいなかったんだよ。二人で十体ぐらい倒していたら、スネークが攻撃してるのを見たから、ここに来たってわけ。」
「そうだったのか、とりあえず礼を言うよ二人とも。ありがとな。」
土埃を払いながら、二人にお礼を言う。全身が砂まみれだ。
「いやいや、良いよ〜。それはそうと、本当に大丈夫だった?」
氷華が心配そうに俺を見る。谷間が見えたので、俺は目を逸らす。
「だ、大丈夫だ! 俺が長男じゃなかったら危なかったな。」
「神崎さん、どこぞの鬼狩りみたいな事言ってるんですか………… 訴えられますよ。」
ミツレが呆れ顔をしながら、近づいてきた。鬼狩り? コイツは何言ってるんだ? いや、これ以上はよしておこう。嫌な予感がするからな!
「それはそうと、二人とも無事だったのですね。良かったです。」
「ミツレちゃんも無事で良かったよ。」
「アンタに心配されるなんて恥だ。」
ニコニコしている氷華に引き換えて、やはり流風はミツレに対してはツンとしている。犬猿の仲なのは変わりがないようだ。
「ゴホン! それはそうと、何故ここに?」
「あぁ、それはだな……………」
俺は、ミツレに氷華と流風に出会った経緯を教える。それと、助けられたこともちゃんと教える。
「なるほど、そんな事があったのですか。あの凄まじい魔力はやはり氷華でしたか。」
「そういえばコントロールできるようになったんだな。」
氷華と言えば、坂田さんのお墨付きで神に匹敵する魔力の持ち主だ。
だが、その魔力はまだコントロールする事が出来なくて、特訓の時もよく暴発させていたのだ。
「んー、まだコントロールは出来ないよ。私が今できることは、真っ直ぐに氷の柱を出したりする事ぐらいだよ。」
氷華は苦笑いで答える。氷華はマイナスに言っているが、真っ直ぐに飛ばせるようになっただけ凄いと思うけどな。
「いや、実際俺は助けられたんだ。凄いぜ、お前は。」
「そうですよ! 氷華は凄い才能の持ち主です!」
「うん、氷華は可能性の塊。」
3人に褒められて、照れたのか氷華は顔を赤く染め上げる。
「えへへへ、そうかなぁ? ありがとう皆んな!」
氷華の笑顔により、場はほんわかした雰囲気に包まれる。
「ガ、ガガガガガガガ!! モクヒョウホソク、セントウタイセイニウツル。」
思わず耳を塞ぎたくなるような大きな機械音声が辺りに響く。
「どうやら、お怒りのようだな。」
機械音声の声の主は、もちろんスネークだ。奴は、下半身の周りに付いている氷を強引に破壊し、こちらに悠然と向かってきている。
「ですね、二人ではきつかったですが、四人だとスネークを地に落とせそうです。」
「あぁ、流風と氷華が来たんだから当たり前。」
「怖いけど、私も頑張るよ!」
ミツレは陽炎を辺りに漂わせ、流風は自らの体に白い風を纏っている。
「あぁ、四人で行けばアイツを地に落とせる。さぁ、やってやろうぜ!」
初めての四人での共闘だが、不安な感情なんて一切無い。だって、こんなに頼りになる奴らはいないからだ。
コロナが終息?しつつあり、僕の大学でもちょちょこ対面授業が始まってきました。
僕個人としては遠隔が良いんですけどね〜笑
下手くそです! アドバイスお願いします!!




