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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第4章 国立神対策高等学校
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神々廻 光理との再会?

「俺だよ! 東京で会った神崎悠真! 」


 神々廻は首を傾げながら、俺の体を舐め回すように見る。


「あぁ、あの時の…………… 」


 本当にコイツが思い出したのか、それとも適当に合わせてるのかは分からないが、ここは思い出してくれたと信じたいとこである。


「神崎さん? お知り合いですか?」


 ミツレが不思議そうに俺を見つめる。だが、神々廻とどのように出会ったかは何て言えばいいのだ? あの下聖剣の会議は、秘密って言われてたしな………………………


「あ、あぁ! ほら、さっき言ってただろ? コイツが神々廻 光理。この下聖剣のケースをプレゼントしてくれた人だ。」


「そういえばそんな事言ってましたね。それはそうと、何か隠してませんか?」


 やはり、ミツレの前では何もかもがお見通しのようだ。ジトーってした目で俺を見る。


「へぇ、その子がキミの契約者なんだ。そういえば良いの? 早くポイント稼がなくて。」


 神々廻は、ミツレの方をチラッと一瞬だけ見て、俺の方に視線を移す。


「そうだ! 早く行こう! ミツレ!」


 俺はミツレの手を引いて、少し先に見える砂埃が舞っている戦場らしきとこを目指そうとする。


「ちょっ!? 引っ張らないでください!」


「そうだ! 神々廻! ケースありがとな!」


 一旦、足を止めて後ろにいる神々廻にお礼を言う。しかし、神々廻はクルリと俺に背中を向けて歩き出す。


「別に、キミのためにしたわけじゃないよ。ミコたち七聖剣持ちは目立つから。裸で持ち歩いてたキミを見てイラッとしただけだから。」


 そう言い残し、神々廻は跳躍した。そして、ビルの上を次から次へと渡っていき、姿が見えなくなった。


「行っちゃいましたね………………」


「だな……………」


 一瞬にして姿が消えた神々廻に、俺とミツレはポカンとする。


「はっ! またボーッとしてました! 行きましょう!」


「そ、そうだな! 行こう!」


 ミツレの声で、ボケッとしていた脳に喝が入る。

 そして、俺とミツレは少し先に見える煙が上がっている場所を目指す。















「ハァハァ……………結構離れていたな。」


「ですね、それにここは酷い有様ですね。」


 俺たちは、十分ほど全力疾走して煙が上がっている場所までやってきた。

 しかし、その場所は既に大量のリザードに支配されていた。受験生らしき人は少しいるが、ここにいる人たちは戦場経験が無さそうだ。隅の方に追いやられて、脱落している人も見える。


「数えれるだけで三十体以上はいますね。どうしますか? 別の場所に行きますか?」


 たしかに、これだけの数のリザードは中々手強い。四方八方を敵に囲まれでもしたら、即脱落だ。脱落したら青い光に包まれて消えるのを見ると、東京でやった仮想空間と一緒の仕組みのようだ。


「あぁ、ここは危険かも」


「ヒ、ヒイイイイイ!? 助けて!」


 誰かの悲鳴で俺の言葉は遮られる。声の先を見ると、一人の男が端に追いやれており、三体のリザードに囲まれている。男は完全に戦意喪失しており、尻餅を付いている。


「くそっ! 三の力 起動!!」


「神崎さん!?」


 悲鳴を聞き、その姿を見た瞬間に俺はリザードに向かって、三の力である瞬間移動ナイフを投げつけていた。


「遠隔起動っ! ハアアアアアア!!」


 分からない、何で俺がわざわざ危険を冒してまで人を助けようとしたのか。

 だが、仁が言ってたように人を助けるのに理由なんて要らないはずだ。


「一の力! くそトカゲ共が!!」


 遠隔起動で、三体のうちの一体に不意打ちをかまして首を断つ。

 そして、すぐさま一の力を起動して、刀身に青い炎を纏わせて二体同時に胴体を真っ二つに断ち切る。


「あ、ありがとう! 君は命の恩人だ!」


 少し小太り気味の男は、俺にお辞儀をして握手を求める。


「良かった無事で。」


 俺が、握手に応えようと手を差し伸べた瞬間、


「神崎さん! 上です! 避けてください!!」


 ミツレの悲鳴が響く。ミツレに言われたように、上を見るとそこにはスネークがいた。スネークは、リザードなどのソウルハンターや神や神民などを運ぶ母艦だ。

 だが、本来運ぶだけの母艦なはずなのに、こちらに向かって大口を開ける。そして、そこから凄まじい威力の熱線を放出する。


「うわああああ!?」


 辺り一面が吹き飛び、爆風に包み込まれる。幸い、俺には狙っていなかったのか、直撃は免れた。

 ん? ならば、誰を狙っていたのだ? まさか…………………!


「おい! 無事か!? 返事してくれ!」


 砂埃を掻き分けて、俺は先程男がいた場所を探る。砂埃が少しずつ止み、ボンヤリと人影のシルエットが見える。


「良かった! 無事だった……………え?」


 そこに確かに男はいた。いや、先程までと言った方が正しいだろうか。

 男は、胸のあたりから上の部分が無くなっていたのだ。そして、ゆっくりと光に包み込まれて消える。


「くそっ! あと少しで助けられたのに!」


「神崎さん! 無事でしたか?」


 砂浜が完全に止んで、ミツレが駆けつける。俺が無事で安堵したミツレだったが、男の無残な姿を見て目線を晒す。


「やはり仮想の世界と分かっていて、本当に命が無くなるわけではないといえど、落ち込みますね………………」


「あぁ、そうだな。もう少し早ければ……………………!」


 いや、何を落ち込んでるんだ俺は! あの男は死んではいない、無事なんだ。 

 なのに、何故俺は落ち込んでいるのだ?


「………………ミツレ、確か倒すのが難しいやつほどポイント高いんだっけ?」


「え、ええ。そうですけども…………… どうしてですか?」


 そうか、分かった。何で俺が落ち込んでいるのかを。

 いくら仮想の世界で、仮想の命だったとはいえど神に命を奪われて守れなかった人がいたから、俺は苦しかったんだ!


「よし、あの男の無念を晴らすっていう理由が一つ増えたな。あのデッカい奴を堕とそうぜ。ポイントもたくさん貰えて一石二鳥だ。」


 ミツレは、フッと笑うと自らの周りに陽炎を浮遊させる。


「それでこそ神崎さんです。さぁ、あの上から見下ろしている蛇を地に叩き落としましょう!」


「あぁ! 行くぞ!!」


 俺は、神に対しての憎しみが原動力となっている。さぁ、上から見下ろしているアイツを地に落としてやろうぜ。

 最近、暇なので更新スピードが上がったかな? 

 この神高受験編は、個人的に後半が凄く熱いと思うので応援よろしくお願いします!

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