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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第4章 国立神対策高等学校
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激戦から1週間

――――――――エキドナとの戦いから1週間が経った。

生き残った先輩達は、亡くなってしまった俊介達の悲しみを乗り越えて、今では普通に笑って毎日を過ごしている。

新しく千葉神対策局で暮らす事になった流風と氷華も先輩達と打ち解けている。


「神崎さん! 何をボーッとしてるんですか。単語のスペル間違ってますよ!」


「ん? あ、あぁ、ごめん。」


「まぁまぁ、ミツレちゃん、悠真くんだってそう言う年頃なんだから。」


厳しく言うミツレを氷華がなだめる。ミツレは少し不服そうだ。

てか、そう言う年頃ってちゃっかりバカにしれたよね!? 俺、もう厨二の時期は多分過ぎたよ!?


「おい、神崎悠真。ここの本能寺の変の年代は1564年じゃなくて1582年だ。」


流風が俺のノートの間違いをトントンと叩き、俺の間違いを上からバツで書き換える。


「あ、本当だ。ありがとう流風。」


そう、俺らは今受験勉強なるものをしているのだ。3日ほど前に流風と氷華も神対策国立高等学校こと神高の入試を受ける事を決めたのだ。その受験対策として、ここ最近は俺の部屋で四人で朝から晩まで勉強をしている。


「本当に神崎さんは覚えがわるいですね……………」


「悪かったな。」


ミツレがジトーっとした目でため息をつきながら見る。

ミツレ達妖獣も、妖獣界では俺たちと同じところを勉強してたらしい。なんか、神界と妖獣界の条約で同じところを勉強しなければならないとか言ってた。


「悠真〜! そろそろ行くぞ。」


下の階から坂田の声が聞こえた。そう、実は今日東京に行かねばならないのだ。なんか、七聖剣がどうとか言ってた。


「分かりました! 今から行きます!」


俺は、シャーペンと消しゴムを筆箱に入れる。


「この中で一番遅れてるのに………………… 早く戻ってきてくださいよ? あとでキッチリ勉強しますからね。」


立ち上がろうとした瞬間に、ミツレが笑みを浮かべながら俺の手を掴む。しかし、その目は笑ってはいない。


「へいへい、分かってるよ。じゃ、行ってきまーす!」


「心なしか嬉しそうだな、神崎悠真。」


流風と目があったが苦笑いをして部屋を出る。まぁ、ぶっちゃけ勉強よりは嬉しい。

階段を駆け下り、リビングに出る。平日なので先輩達は学校に行っているので誰もいない。

靴に履き替え、外に出る。坂田は車の運転席に座っており、タバコを蒸している。


「来たか、悠真。行くぞ。」


「はい!」


助手席に乗り、シートベルトを付ける。安全第一だからな。


「悠真、今回はお前一人だ。七聖剣の持ち主は癖の強い連中が多いから気を強く持てよ。」


坂田はタバコの火をもみ消し、俺の方を見る。そういえば、七聖剣の持ち主は春馬さんしか会ったことないな…………………


「大丈夫ですよ、春馬さんが付いていますし。」


「だと良いんだがなぁ……………」


坂田はやはりどこか不安そうだ。


「よし、悠真着いたぞ。俺はお前が出席する七聖剣の会議には参加できない。だが、それが終わった後に行きたい場所があるから俺も東京には行くからな。」


「分かりました。」


港に着いたので俺は車から降りる。それにしても、この港に来るのも何回めだろうか。


「よし、じゃいつも通り頼んだぞ。」


坂田はそう言うと俺の右肩に左手をのせる。


「分かりました! 契約起動っ!!」


そう唱えると、俺の体は眩く光り輝く。そして、契約起動した姿に変化する。


「五の力! 起動!」


そして、いつものように目的地を頭の中で念ずる。すると、東京の緯度や経度が頭の中に流れ込んでくる。


「よし! 三の力起動!」


五の力の次は三の力を起動する。五の力で東京までの距離や方角が分かったので、後は三の力である遠くまで瞬間的に移動できるナイフを投げるだけだ。


「うおおおおおりゃあああああ!! 」


全ての力を出し思いっきりナイフをぶん投げる。水平線の彼方に消えたのを確認して、俺はいつものように唱える。


「遠隔起動。」


すると、俺と俺の肩に触れていた坂田さんは千葉から消えて、東京神対策局に限界する。


「契約解除。」


着いた瞬間に契約解除する。いくら、神対策局が公になったとはいえ、契約起動した時の姿は目立ちすぎるからな。


「よし、俺は対策局前の公園で待っておく。入ったところに春馬がいるはずだ。七聖剣を忘れずにな。」


坂田は、対策局の向かい側にある公園を指差す。対策局と公園の間には大きな道路があり、通行人で溢れかえっている。


「分かりました!」


「おう、頑張れよ〜」


坂田はそう言うと、タバコにもう一度火をつけ公園のほうに歩く。


「よし、じゃ俺も行こうかな。」


片手に七聖剣こと例の煤けた真っ黒な日本刀を持ち、俺は東京神対策局に入る。


「悠真、来たか。他の奴らはもう上にいるはずだ。」


入った途端に、冷徹な声で話しかけてきた男がいた。春馬だ。

春馬はスーツを身につけており俺と同じように片手に七聖剣を握っている。春馬の七聖剣は白く輝いており俺のとは正反対だ。


「春馬さん! すいません、遅れました。」


「いや、問題ない、大丈夫だ。では、行くぞ。」


「はい!」


俺は先を歩く春馬の後を追う。そして、エレベーターに乗り込み、春馬は地下一階と二階を交互に高速で押す。


「ん? 何してるんですか?」


俺は、春馬が何故このような珍妙な事をしてるのか聞いてみた。すると、春馬は


「そうか、悠真は知らないんだったな。東京神対策局の第一エレベーターの地下一階と二階を交互に押すと表記されていない地下十一階に行けるんだ。」 


何故、そんな回りくどい事をするのだろうか。地下十一階がバレてはまずいのか?


「そうなんですか。でも、なんでわざわざ?」


俺の問いに対して、春馬は眉間をポリポリとかく。


「この地下十一階の事は大将の階級を持つものと元帥、そして七聖剣の保持者しか知ってはならないんだ。まぁ、簡単に言ったら極秘会議をするために使うんだ。」


なるほど、確かにこのような方法を用いれば外部にバレることもない。しかし、七聖剣の持ち主というのはやはり特別なのだろうか?


「よし、着いた。ついてこい。」


エレベーターの扉が開き、俺は春馬の後ろを歩く。一本道の脇には等間隔に赤色の蝋燭が光っており大変不気味だ。しかも、空間全体が黒い壁と黒いカーペットなため、余計に赤い蝋燭が目立つ。


「ここだ、さぁ入るぞ。」


一本道を真っ直ぐ歩くと、木製の大きな観音開きの扉が現れた。春馬が両手で開き、俺もその後に続く。

部屋の中は薄暗く、椅子が等間隔に置かれている。机は大きなものが一つだけで、蹄のような形をしており、蹄の外側に椅子が7つある。外側の七つの席にはすでに4人座っている。それと、蹄の内側の部分にも椅子があるのだが、そこには誰も座っていない。

なので、正確に言ったらこの部屋には椅子が八つある。


「おいおい! おっせぇなぁ! 春馬ァ!! 一番強えからってそれはないだろう!?」


入った途端に、バカでかい声が響く。その声の主は2メートルはある体躯を持ち、赤褐色の逆立った髪をしている。


「すまない、大神。七聖剣が遂に全員揃ったんだ今回は勘弁してくれ。」


大神と言われた男は、春馬の後ろにいる俺をじーっと見る。


「はぁ、こいつが最後の七聖剣か………………」


呆れたような腑抜けたような顔で大神は俺を見る。

ええ!? そんな顔しなくてもいいじゃん!!

番外編に時間をかけ過ぎて本編を全然かけていなくて本当に申し訳ありません!

これから、コツコツと進めていくのでよろしくお願いします!!

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