悠真vs.エキドナ
「ぬあああ!! くっ! 凄い力だっ…………………!」
刀の大きさでもエキドナに負けているが、それよりも力で押し負けそうだ。
「その程度の力だったら、もってあと30秒ね! このまま殺してやる!」
エキドナの刀に加える力が強くなる。ドンドン押されて俺の体制は後ろにそれるような体制になる。
「何がキュウビを守るだ! 口だけのやつは私は一番嫌いなんだよ。」
更にエキドナの力が強くなる。このままだったら殺される……………!
「三の力起動っ! 」
俺は一の力の霊炎を解除して、左手に三の力のナイフを召喚する。さっきまで刀に纏わっていた霊炎はパッと消える。
俺は二の力で出したナイフを左手で空にぶん投げる。
「遠隔起動!」
「消えた!? あのクソガキはどこに?」
ある程度、ナイフが上空に行ったところで俺は遠隔起動する。地面から5メートルほどの高さのとこで遠隔起動した俺は、地上にいるエキドナ目掛けて急降下する。
「そこだああ!!」
「上だと!? グッ…………!」
下に落下する力を加えた俺の攻撃は、あと少しのところでエキドナは避けた。
しかし、左頬が少し斬れて鮮血がドロリと頰をつたる。
俺は地面に着地してエキドナから距離を取るためにバックステップで下がる。
エキドナも警戒したのか頰を抑えて少し下がる。
「やってくれたわね。」
左頬を右手で抑えてたエキドナは、ゆっくりとその手を外す。するともう回復していた。
「やっぱり凄い回復力だな。体を半分にされても再生したカグツチほどではないにしても、神っていうのはチートだな。」
今思い返してもカグツチの回復力は異常だった。あいつ、プラナリアかなんかじゃないのか?
「カグツチ……………? まさか例の計画がもう完成していたとでも言うの? いや、流石に早すぎる。そんなに早く適合するはずがない。」
カグツチと言う言葉を聞いたエキドナは一人でブツブツと何かを言っている。
まるでカグツチを知っているかのようだ。
「お前、カグツチの事を知っているのか? なんかツクヨミが日本神王国の連中以外は知らないとか言ってたぞ。」
確かにあの時、ツクヨミは他の神王国や人間界の奴らはカグツチの事は知らないと言っていたし、カグツチのデビュー戦があの戦いなのだから、カグツチを知っているのは日本神王国の奴らとし亡くなってしまった神高の先輩たちと坂田さん、それにドクさんと俺とミツレだけのはずだ。
でも、アイツは知ってるような口ぶりだったぞ?
「詳しくは知らないわ。風の噂よ。まぁ、最近の神界では変な噂を聞くわね。てか、アンタには関係ないでしょ? 死ぬんだから。」
エキドナはそう言うと右手を空に掲げる。すると、エキドナの頭上に紫色の炎の玉が多数出てきた。
「呪炎 陽炎! さぁ、全てを呪い焼きなさいっ!」
多数の紫色の炎の玉は短剣の形に変わる。そして、エキドナは空に掲げてた右手を俺の方に向ける。
エキドナが右手を俺の方に向けると、短剣の刃も俺の方に向き凄い勢いで発射される。
「クッ! うおおおおおお!!!」
俺は刀で陽炎を真っ二つにして消したり、三の力で避けつつ陽炎を処理する。
エキドナの攻撃の勢いは止む事なく、それどころか陽炎の数は増え、速さも増した。
「さぁ! キュウビは結構耐えてたけど、お前はどこまで耐えれるかな? 見た感じ、あと1分持ったら良いほうね。」
悔しいがエキドナの言う通りだ。この攻撃網を俺が巨人を相手してる何十分の間、ミツレはこれを耐えつつ反撃していたのか!
今の俺だと反撃なんて絶対にできない。耐久するので精一杯だ!
「まだまだぁ! 一の力 起動!」
さっきまで陽炎を避けるために二の力を使っていたが、一の力に切り替えて刀に霊炎を纏わせる。
霊炎を纏った刀でエキドナが繰り出す陽炎を何本かまとめて斬り消す。
「うおおおおおお!! まだ………! いけるっ!」
陽炎が俺の左肩を掠める。左肩から血が吹き出す。だが、ここで攻撃の手を止めたらエキドナの陽炎で串刺しにされる。
「グッ! クソったれがあああ!!うおおおお!!!」
また一本、二本と陽炎が全身を切り裂く。斬れ味が鋭い陽炎は俺の身体中をスパスパと切り裂き、血が吹き出す。
「あはははは! やっぱり口だけね! 」
エキドナは笑いながら俺に更に攻撃の手を増やす。陽炎の数がまた増えた。
こいつの魔力量は異常だ! いや、こいつが異常なんじゃない。神という生物が異常なんだ………………!
「グアアアアアア!! クソっ…………!」
さっきまでは切り傷ばかりだったが、ついに左足に陽炎がズブリと突き刺さる。
「神崎さん! もうやめてください! 神崎さんだけでも逃げてください! マザーの目的は私です!」
後ろからミツレの涙ぐんだ声が聞こえる。陽炎を処理するために後ろは見れない。
「ミツレ……………! 今度は俺が時間稼ぎをする番だ。今のうちにミツレは魔力を回復しろ!」
俺は左足の太ももから突き刺さった陽炎を引き抜く。一瞬、鈍い痛みが左足を襲う。
このままだったら持久戦で俺が100パーセント負けてしまう。あれを使ってミツレにバトンタッチするか………
「ミツレ! 俺はアレをする! この一撃でエキドナを殺す事は出来ないかもしれない。でも! お前にバトンタッチした時にはエキドナは瀕死のはずだ! 頼むぞ……………!」
これをやったら俺はエキドナを倒す事も、もし逃げれる隙がエキドナにできたとしても逃げる事は絶対にできなくなってしまう。
でも、これしかもうないんだ!
「神崎さん、まさかアレを…………? ダメです! アレをしたら神崎さんは」
ミツレの心配する声が背後から聞こえる。だが、俺はそれを途中で遮り、
「悪いなミツレ。男がこんな事言うのもカッコ悪いけど、あとは頼むぞ!」
俺は最後の力を振り絞り、霊炎を纏った刀で陽炎を十数本まとめて吹き飛ばす。
すると、ほんの一瞬だがエキドナと俺との間に一本の道ができる。俺はその道を走る。
「何してるの? ついに頭がおかしくなったか!」
エキドナはその隙で生まれた道を消すように、陽炎で俺を攻撃する。身体中を陽炎が引き裂いたり、突き刺さったりする。
だが、俺は突き刺さった陽炎を引き抜いたりせず、エキドナに向かって突っ走る。
「クッ! 止まりなさいよ! クソガキイイイイ!!」
エキドナは攻撃の手数を増やす。これを受けたら流石に死んじまう。だが、今がチャンスだ! 奴は俺が遠隔起動しないで走って来ると思っている!
「三の力 起動っ! うおおおりゃあああ!!」
俺はエキドナの顔めがけてナイフを投げる。
「しまった! コイツ!」
「遠隔起動。」
エキドナがナイフに気づき、ナイフから離れる前に俺は遠隔起動してエキドナの間合いに入る。
「いくぜっ! 一の力 起動っ!」
俺は一の力を起動して刀に霊炎を纏わす。だが、いつもみたいに刀に薄く纏わせるのではなく、俺の全魔力を右手に送り込む。
全ての魔力を霊炎に変える。
「まさか、このガキ…………!」
体制を崩したエキドナは俺から離れようとするが俺の攻撃の方が速い。
「これが俺の全力だ!一の力! 牛刀荼毘! うおおお!!」
全魔力を霊炎に変えて刀に纏わせる。すると、刀の刃全体が霊炎に纏わされ、横幅を1メートル、長さは4メートルほどの青き炎の大剣と化す。
そして、そのままエキドナの首に牛刀荼毘が近づく。
「いっけえええええ!!!」
このままエキドナの首を断ち切るっ!!
指定校推薦で大学が決まったので、これからビシバシ投稿していきます!
辛口アドバイス待ってます!
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