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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第2章 新たな日常!
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バーベキュー!

「もう、バーベキューの道具は庭にセットしておいた。まぁ、本局の人たちに手伝ってもらったんだがな。」


春馬はそう言うと部屋を後にする。瑠紫も春馬を追うように部屋を出ていった。


「じゃ、私たちも行こっか。」


「そうだね〜! お肉早く食べたいよ〜! 」


銀崎と安室も部屋を出た。


「じゃ、私たちも行きましょう。」


「ああ、そうだな。バーベキューなんて久しぶりで楽しみだ!」


「お肉喉に詰まらす未来が見えます。」


ミツレが心配そうに俺の顔を見る。コイツは俺の事を小学生かなんかと思ってんのか?


「誰が詰まらすか! ったく、早く行くぞ!」


「フフフフ、分かりましたよ。」


ミツレから、からかい混じりで笑われて少し悔しいが銀崎達と一緒のエレベーターに乗る。

少しして地上階に着いて俺らはエレベーターを降りる。


「よーし、たくさん食べるぞ〜!!」


安室が店の出口目掛けて走り出し、庭に出て行った。

その様子を見てた銀崎は呆れ顔で、


「はぁ……… やっぱり、あの娘にはダイエットっていうものは厳しかったみたいね。」


「安室さん、ダイエットしてたんすか? それにしてはバーベキュー楽しみにしてましたね。」


「あの娘は目先の美味しい物には弱いからね。きっと、食べ終わって後悔してるから。」


「安室さんの後悔してる顔、なんとなく想像できますね。」


俺の左隣には銀崎が、右隣にはミツレがいて店の出口へと足を進める。


「じゃ、君たちも後悔しないぐらいに食べなさいよ。」


銀崎はそう言うと木製の赤いドアを開ける。すると、俺の目の前に広がったのは本格的なバーベキューセットだった。

ぶっとい炭火が入っている大きなグリルが二つにクーラーボックスで冷やしているメロンと高そうなワインとブドウジュース、そしてなんと言っても見るからに高そうな脂乗りまくりの肉達!

俺とミツレが見とれていると、黒いエプロン姿でタオルを頭に巻いた春馬が近づいてきた。


「やっと来たか。ほら、お前達は今日は歓迎される身なんだからそこの椅子に座ってろ」


春馬が指差した先に青いプラスチックの椅子が二つあった。


「本当にいいんですか? 私たち、まだ何もお手伝いしてませんよ? せめて、何かしないと……」


ミツレが申し訳なさそうに春馬を見る。それもそうだ、俺たちはまだ何もしていない。このままだとタダ飯食いになってしまう。

すると、春馬の隣に紫のエプロンを付けた瑠紫が来た。俺とミツレをチラリと見ると、


「気にしなくていいのよ。これは昨日の私がしてしまった事の償いでもあるし、修のお願いでもあるんだから。」


ん? 修のお願い? 坂田さんが俺とミツレにか……?


「ああ、瑠紫の言う通りだ。坂田さんからも二人は悲しい思いでいっぱいだから楽しい思いで埋めてやれって頼まれてるしな。」


春馬の言った事で納得した。坂田さんは修行先でも俺とミツレの事を考えてくれてたのか。やれやれ、恩を作り過ぎてしまったぜ。


「そうそう! それに大人数でワイワイ食べた方が楽しいしね!」


「アナタはいつも楽しそうに食べてるでしょ。まぁ、今回はルイが言ってる事に賛同してあげる。」


俺らが立ち話をしてたせいか安室と銀崎が俺とミツレの隣に来た。


「ま、そう言う事だ。」


春馬は俺とミツレを軽く押し、椅子に強制的に座らせた。


「はい、悠真はブドウジュース、ミツレにはオレンジジュースを注いできたわ。」


ワイングラスに注がれた二つの液体が俺とミツレの前に瑠紫が持ってきた。

俺はブドウジュースを受け取り、喉が渇いていたのでグイッと一気に飲み干す。


「ウィ〜 ヒック! ミツレ〜 肉楽しみだな!」


「あ!私が飲むようのワインと悠馬に渡す予定だったブドウジュース間違えた!」


「なに!? おい、悠真! 飲むんじゃないぞ…… 手遅れか。」


あれ? 視界がボヤけている。それに頭がグワングワンするぞ。

この声は春馬と瑠紫か………? うん? ミツレの声もするな………


「え? 神崎さん!? って、どこ触ってるんですか!!」


何か一瞬だけ小さくて柔らかい物が俺の右手に触れた気がしたが一瞬にして俺の視界が真っ暗になった。
























目が醒めると俺はベッドの上にいた。天井を見上げるような感じで寝てたらしい。

ゆっくりと体を起こす。うっ! 頭がズキズキするな。


「あ! 神崎さん! 起きましたか! 大丈夫ですか? どこか具合が悪いとこはありませんか?」


「俺は少し頭が痛いくらいだから大丈夫なんだけど、何があったんだ? 何も覚えてないんだ。」


ベッドの隣のクッションに座っていたミツレに聞いてみた。ミツレは少し伏し目がちに、


「実は神崎さんが飲んだブドウジュースが実は瑠紫さんが飲む予定だったワインだったんです。それを一気に飲んでしまった神崎さんは気絶してしまったんです。そして、この今日、神崎さんが泊まる部屋に運び込まれたというわけです。」


「なるほどな。ワインを飲んでしまった俺は倒れてしまって、ここに運び込まれたと。そして、ここが今日から一週間、俺が泊まる部屋か〜 綺麗な作りだな!」


全体的にシンプルな作りで部屋にはベッドとサイドテーブルしかないが清潔感があって、俺はこういう部屋が大好きだ。部屋を眺めているとミツレが何か言い出しそうにマジマジと俺を見つめる。


「どうしたんだ? あ! 急いでバーベキューの続きをしないとな! 安室さんに食べられてしまう!」


急いで立ち上がろうとするとミツレから手を引っ張られ、ベッドにボスンと押し戻される。


「おいおい、早く行かないとマジで食べられてしまうぞ?」


俺を押し戻したミツレは手を離すと深呼吸して、


「その、言いにくいんですけど実は、もうバーベキュー終わっちゃったんです!!」


ミツレはそう言うとベッドの隣にあった目覚まし時計を俺に見せつける。

目覚まし時計が示した時間は夜の10時。ん?待てよ、確かバーベキューを始めたのが夕方の6時ぐらいだったよな? こんな真冬に何時間もバーベキューするとは思えないし……… って、おいおい!!


「ええ!? 終わっちゃったってマジ?」


「マジです。」


肉一切れも食ってないんだけど!?

下手くそです! アドバイスを待ってます!

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