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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第2章 新たな日常!
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ミツレとのデート(仮)1

「神崎さん、どうしたんですかそんなに赤くなって。熱でもありますか?」


そういうとミツレは右手を俺のデコに当てようとする。俺はそれをヒョイと避け、


「なんでもねーよ。お! ここなんてどうだ?」


これ以上テレてたらミツレにペースを持ってかれてしまう。それを避けるためにもスマホで調べたハンバーグ屋のホームページをミツレに見せる。


「ハンバーグですか。いいですね! 神崎さんはハンバーグで良いですか?」


「もちろんだ。ちょっとガッツリした物が食べたくてな。三万円も貰ったんだから、その後買い物でもしようぜ。」


シャイボーイな俺にとっては()()()()()()()という言葉を女子に言うのは心底恥ずかしいが流れに乗って言ってみた。流石にキモがられたか………?

チラリと視線をスマホの画面からミツレに向けると、ミツレは笑顔で


「本当ですか!? 私も人間界に来たら買い物したいとずっと思ってたんですよ! さ、早く行きましょ!」


ミツレは一気に上機嫌になると俺の手を掴み早歩きで歩きだす。


「おっと!? 危ねぇよ!? そんなに急がなくてもハンバーグは逃げねえぞ!」


「神崎さんも早く行きたいでしょ? 善は急げってやつですよ!」


少し意味が違う気がするが俺とミツレはエレベーターに乗り、地上階一階のカフェのフロアに着いた。

店を出るとすぐ傍にカラフルな自転車が6台あった。春馬が言ってたのはこの黒い自転車だろう。ロック部分に鍵を差し込みロックを解除する。隣のミツレの自転車もロック解除出来たようだ。


「ロック解除出来ました。では、行きましょうか」


ミツレは自転車に乗り俺の隣に並ぶ。


「そうだな。えーっと、さっき調べたハンバーグ屋(牛の極み)の行き方はっと……」


スマホを起動しさっき調べたサイトを見てみる。この距離なら自転車で30分ぐらいで着けるだろう。


「ここから自転車で30分ぐらいだ。クークルマップを使って行こう。」


「そうですね! では出発!」


スマホを自転車に付いていたスマホホルダーに固定しクークルマップを起動する。画面には目的地への行きかたが簡単かつ分かりやすく表示されており地図が苦手な俺でも分かりやすい。

平日なのか道行く人はかなり少ない。地図を見た感じではずっと直線に進むなので車道の端を一列になって走行する。

ずっと一列で走行しているのでミツレと話す事は危なくて出来ないので暇だ。

特に話す事もなくクークルマップの到着時間通りの30分についた。


「どうやら、ここみたいだな。店の端に自転車を停めれるとこがあるから停めよう。」


店の外見は二階建ての木造建築だ。赤い屋根が特徴的で店の入り口には達筆で(牛の極み)と大きく書かれている。


「そうですね。停めましょうか。」


店の端に自転車を停めれるスペースを見つけたのでそこに停める。車の駐車場を見た感じでは昼時だと言うのに2、3台しか停まっていない。平日だからかな。

自転車を停め、大きな緑色の両開きのドアを開ける。店内からは肉の焼ける音と香ばしい匂いが広がる。


「店に入っただけで分かるぞ! 絶対に美味いヤツですやん。」


「そうですね! これはかなり期待できますね!」


俺とミツレが店内の匂いに感動しているとウェイトレスの茶髪の若い男が近寄って来た。


「お客様、何名様のお連れですか?」


「あ、2人です。」


「かしこまりました。では、こちらへ」


俺は2人ということを男に伝える。すると、男は店の奥の座席へと案内する。掘りごたつがある部屋で完全個室なので安心する。

とりあえず、俺とミツレは席に座る。ミツレが先に右側に座って隣に座ろうと思ったが、さすがにキモいと言われそうなので左側に座る。


「神崎さん! メニューとても美味しそうなものばかりですよ! 悩みますね〜!」


ミツレは目を輝かせながらメニュー表を眺める。メニュー表は1つしかないので机に広げ、2人で見る。


「うーん、そうだな、俺はこの(これぞ肉の極み! 牛100パーセントハンバーグAセット)にしようかな。」


俺が選んだのはハンバーグとライスがセットのシンプルなメニューだが見た感じではコレが1番美味そうだ。


「それも美味しそうですね。では、私は(優しさの極み!野菜たっぷりハンバーグBセット)にします。」


ミツレが選んだのは野菜が多めに入ったハンバーグとロールパンのメニューだ。女子受けしそうなヘルシーメニューだな。

2人とも決まったのでレストランとかにあるピンポーンってなるアレを押す。押すとすぐにさっきの若い男の店員が来た。


「ご注文はお決まりでしょうか?」


「この、(これぞ牛の極み! 牛100パーセントハンバーグAセット)と(優しさの極み!野菜たっぷりハンバーグBセット)をお願いします。」


「かしこまりました。」


店員は一礼して座敷の引き戸を閉める。


「実は私、外食初めてなんですよね。初めての外食にワクワクしてます!」


ミツレの以外は一言に驚いた。俺と同じ歳なのに外食に一度も行ったことないのか……


「初めての外食なのか! ミツレの口に合うといいな。」


「こんだけ良い匂いなんですから合わないわけがないですよ!」


「それもそうだな。」


「はい!」


10分ほど雑談しているとハンバーグが運ばれてきた。


「お待たせしました。ハンバーグセット2つでございます。鉄板が熱いので気をつけて召し上がり下さい。では、失礼します。」


俺とミツレの目の前に熱気が立ち込めるハンバーグが置かれる。

ジュウジュウという肉が焼ける音が食欲をそそる。


「さ、神崎さん食べましょう! いただきます!」


「そうだな! いただきますっ!」


ナイフでハンバーグを一口大に切り、口に入れる。溢れる肉汁が口いっぱい肉汁広がる。ハンバーグが口に残っている状態で付け合わせのライスを掻き込む。あんまり行儀の良い食べ方ではないが、この食べ方をしない人は損だと思う。口の中のご馳走を全て飲み込み、ミツレの方を見る。どうやらミツレもちょうど口の中の物を飲み込んだようだ。


「神崎さん、外食って素晴らしいですね! こんなに美味しい料理を提供してくれるなんて最高ですよ! 熱いうちに食べないと損です! 今から少し黙りますが集中して食べます!」


ミツレはそう言うと黙々とハンバーグを食べる。確かにここのハンバーグは喋りながら食べるなんて勿体ない。ありがたく感謝を込めて頂くためにも俺も黙って食べよう。

付け合せのライスも含めて10分ほどで俺とミツレは完食した。


「あっという間に食べたな…… 少し胃が苦しいぜ。」


ハンバーグが結構ボリュームがあったので胃が苦しい。しかし、幸せな苦しさだ。


「そうですね。夢中で食べてしまい食べ終わってからお腹にズシッてきました。」


「よし、食べた事だしお会計するか。ミツレの初めての外食だ。ここは俺が奢るよ。奢るって言っても坂田さんとドクさんからのお金だけどな。」


このセリフ言ってみたかったんだよな! 女の子に対して()()()()()()()()! まぁ、俺のお金ではないから少しカッコつかないけど……


「いえいえ! 私も自分の分は払いますよ!」


「いいや、ここは俺に奢らせてくれ。ミツレの初めての外食を祝ってあげたいんだ。」


()()()()()()まで言っちゃったよ! 今日の俺カッコよくね?


「そうですか。では、お言葉に甘えてご馳走さまでした!」


お会計を済ませて店を後にする。2人で合計で二千五百円だった。あのクオリティとボリュームでこの値段は破格の安さだ。


「ミツレ、次はどこか行きたいとことか買いたい物とかあるか? まだ自由時間はたっぷりあるしな」


まだ、このデート(仮)を続きそうだ。くぅ〜! 大人の階段を登ってる感じがするぜ。

下手くそです! アドバイスどんどんお願いします!


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