表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第2章 新たな日常!
28/167

新たな議題

「失礼します。坂田です。元帥からのお呼び出しで参りました」


坂田は扉をノックすると、少し震えた声で言った。先ほどの事がよっぽどショックだったのだろうか・・・・


「坂田か。入れ」


奥から元帥の声が聞こえた。威圧感のある太い声だ。ギィーという扉の開く音とともに俺らは元帥室に入る。

元帥室のには先ほどと同じように柳葉とぬらりひょんがいた。柳葉は椅子に座っており、その隣にぬらりひょんが立っている。


「元帥、何か分かりましたか?」


坂田は元帥室に入ると真っ先に聞いた。柳葉は白髪をポリポリと痒くと、


「分かった事は一つある。本当は大将会議で話したいのだが2人には世話になったからな。ここで聞いてもらおうと思ってだな。」


柳葉は俺と九尾の方をチラッと見ると笑顔を見せた。堅物そうな顔からは想像できないような笑顔で少し照れくさい。


「では、本題に戻ろう。今回の神からの襲撃と50年前の襲撃ではどちらも九州地方に神が降り立ったんだ。しかし、これは日本だけの話でな。他は、オーストラリアや南アフリカ、ブラジルだ。では、坂田この四つの国にはある共通点がある。それはなんだと思う?」


柳葉は葉巻にジッポライターで火を付けると坂田の方を見

る。坂田は手を顎に当てしばらくの沈黙の後に


「この四つは九州地方よりも南・・・・という事ですか?」


柳葉はフッと笑うと、


「さすがは坂田だな。その通りだ、この四つは九州地方以南なんだよ。さらに、50年前と現在までのちょっとした神の襲撃でもやはり発源地は九州地方より南だ。そこからリザードなどが降り立ち、上に上へと向かって進行しているんだ。つまり、九州地方より以南を抑えれば神の襲撃の被害を最小限に収めれるというわけだ。」


柳葉は葉巻を灰皿に置くとコーヒーを口に流し込む。

しかし、最小限とはいっても九州地方より南に住んでいる人は神の襲撃からビクビクしながら生きてかないといけないのか・・・・ それだとあんまりだ・・・・!


「しかし、元帥。それでは南に住んでいる人が被害にあってしまうのでは?我らとしてはそれは防がなければいけないですよね?」


坂田は俺が内心思っている事を言ってくれた。


「だろうな。しかし、オシリスの杖から収穫があってな。それは、バリアの貼り方だ。人間側には神ほどの魔力は無いが30キロおきにマーカーを置いとけば魔力をさほど消費せずに貼れるだろう。」


俺はその言葉を聞いて驚いた。これで、神から人を守れる!心の奥底から何かが湧き上がってきた。


「本当ですか!?それなら!今すぐにでも貼りましょう!」


九尾が興奮気味に言った。そりゃそうだ、神から人を守れるんだから!


「しかし、元帥。一つ問題がありますよね?いくら魔力を抑えめにしても人間の魔力だといずれ途切れてしまう。人間よりも少し高い魔力を持つ幼獣界の人達でも1週間が限界ですよね?つまり、破壊されるまでほぼ永続に貼れるのは・・・・」


坂田は俺のほうをチラリと申し訳なさそうに見り、俺と視線な合うと柳葉の方に視線を変えた。


「ああ、神だけだ。」


柳葉は溜息をつくと葉巻を灰皿に置いた。


「神だけ・・・・つまり、四六時中に神から守る事は出来ないんですか!?」


俺は居ても立っても居られずに柳葉に向かって言った。

しかし、場はシラけてしまいヤバイと思ったので


「あ、すいません・・・・つい、感情的になってしまいました」


「神崎さん・・・・」


九尾が悲しそうな目で見てきた。こんな九尾はあまり見たくはない。


「まぁ、悠真が言うのも無理はない。お前は先日に神を見たんだ。仕方ない事だ」


坂田が俺の肩をポンと叩く。何故か安心して心臓の鼓動が治まってきた。


「しかしな、神崎君。我々には一つだけ壊されるまでバリアを貼れる方法があるのだよ」


それを聞いた坂田の表情が一瞬変わった。なんか、苦虫を噛み潰したみたいな顔だ。俺は、柳葉の言葉に反射的に反応し、


「ホントですか!?俺に出来る事ならなんでもします!教えてください!」


俺は気づいたら柳葉の机に手をバンと置いていた。ヤバッと思い手を離す。


「どうやら、この子はアレの心を動かす気らしいな。なぁ、坂田?」


柳葉はニヤニヤしながら坂田のほうをチラリと見る。坂田は苦笑いをしている。


「しかし、アイツは契約者である春馬の言う事も聞きませんし・・・・厳しいのでは?」


春馬?どっかで聞いたような・・・・俺の脳裏に本局に入る前に出会った男の顔が思いだされる。確か、春馬とか言ってたような気がするな。


「春馬?神谷 春馬さんですか?」


九尾が柳葉のほうを見て言った。柳葉は頷くと


「おお、会った事があるのか。そうだ、その男だ」


「はい、本局に入る前にたまたま」


すると、柳葉はコーヒーをグイッと飲み干すと机の中から何かの用紙と万年筆を出した。サラサラと慣れた手つきで何かを書き、


「坂田 修大将!お前達、千葉神対策局に任務を授ける!」


坂田はゲッという顔になり俺と九尾の服の裾を引っ張ると柳葉の前に立つ。


「これが、任務内容だ。」


柳葉は坂田に先ほど書いた紙を渡した。それを見た坂田の顔はめんどくさそうな顔になっている。


「では、坂田大将に任務内容を読んでもらう。坂田大将、頼む」


坂田は深い溜息をつくと、


「千葉神対策局に任務を与える。これは、非常に特殊で高度な任務だが君たちならやれるはずだ。任務内容は、現在山口神対策局に勤務している神谷 春馬の契約者であるルシファーを説得しバリアを張ってもらう事だ。武運をいのる。」


坂田は丁寧に紙を折りたたむとポッケに入れた。坂田の目は虚だ。


「ルシファー?その人を説得すればいいだけなんすか?なんすか坂田さん、そんな死んだ魚見たいな目をしていて。どうしたんすか?」


俺の応答に答えない。よっぽど難しい任務なのか?説得するだけなんじゃ・・・・


「そ、そんな・・・・ま、まさか・・・・」


九尾が震えている。俺の服の裾を掴んで離さない。


「どうしたんだ?九尾?」


「神崎さん・・・・ルシファーって神です。」


俺はこの一言を聞いて頭が真っ白になった。神?どういう事だ?つまり、神谷は神と契約を?どういう事なんだ!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ