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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第2章 新たな日常!
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オシリスの忘れ物

「ハアハア・・・・ ここは、何処だ!?」


俺は、目がさめると真っ黒で何も無い世界にいた。


「なんなんだ!? ここは!? 俺は坂田さんのとこでお世話になっていたんじゃないのか・・・・?」


俺は、走った。暗闇の誰もいない静寂の空間を。

その時だった。


「おい、我の持ち主となったのを貴様か? やれやれ、やっと出れたと思ったら、こんな小僧の持ち物となってしまうとはな・・・・ 我も、ついてないもんよ。」


低く、しわがれた声の男の声が聞こえた。しかし、男の姿は見えない。

俺は怖くなり、


「誰だ!? 俺をこんなとこにやったのは、お前か!? 出てこい! クッソ!! 何も見えねぇ!!」


俺が怒鳴り散らし、あたりをキョロキョロしていると、また男の声が聞こえた。


「何も見えないか・・・・ それもそうだな。どれ、明かりをつけてやろう」


男はそう言うと指パッチンのような音を鳴らした。

辺りが急に明るくなる。まるで、何かが爆発した時の光みたいだ。

俺は反射的に目を瞑る。


「クッ! ま、眩しい・・・・ ん? ここは・・・・?」


さっきまでの真っ暗な世界とは違い、床は大理石のような光沢を放っており所々、松明のような灯りで灯されている。

しかし、何も無いのは変わらない。ただ、床が何で出来ているかが分かったくらいだ。


「いつまで、ポカンとしておる? 我はここだ・・・・」


男の声が後ろから聞こえた。俺は、恐る恐る振り返ろうとした。

その時、男では無い声が聞こえた。その、声のせいで俺の視点が急に変わる。


「神崎さん! 神崎さん! いつまで寝てるんですか! 俊介さん達は、もう学校に行きましたよ! 朝ごはんを食べていないのは私達だけです! さぁ、早く布団から起きてください!」


カーテンの隙間から差し込む朝日で照らしだされた少女は目の前にいた。朝日が目に入り眩しい。


「ん・・・・ ああ、九尾おはよう・・・・ もう少しだけ寝かせてくれぇ。」


俺は、九尾から逃げるように布団をかぶる。朝日がシャットアウトされて暗闇の世界に戻る。


「ああ!! 神崎さん! お・き・て・くださあい!!」


九尾の鼓膜を突き破るような甲高い声で俺は完全に夢の世界から脱出した。


「うわ!? びっくりしたぁ! わーったよ! 起きるよ」


俺は、布団から飛び起き洗面台に向かう。冷たい水が手に絡みつきこの季節では気持ちいとは言えない。


「それにしても神崎さん、また怖い夢を見たんですか? 神崎さんがあまりにも起きるのが遅くて神崎さんの部屋に行ったら扉が開いていたので入って見たら、とてもうなされていましたよ。どんな、夢を見たんですか?」


俺が顔を拭いていると九尾が言ってきた。俺の脳裏にあの光景が映しだされる。あの、しわがれた声は何者なんだ?


「ただの怖い夢だよ。たいした事はないさ」


九尾には、申し訳ないけど嘘をついておこう。変な心配させてもかわいそうだしな。


「そうですか・・・・ それなら心配はありませんね。朝ごはんを食べに行きましょう!」


「それもそうだな。もう、お腹ぺこぺこだ。」


俺と九尾は階段を降りる。古い家ならではのギシギシっていう床の音が鳴り響く。

一階に着くと、そこには坂田とドクさんがいた。

俺と九尾が降りて来た事に気がつくと、


「お、やっと来たか。さぁ、早く朝飯を食ってくれ。2人にら付き合ってほしい場所があるからな」


俺と九尾が机に着くと坂田が言った。


「付き合ってほしい場所? それって何処ですか?」


坂田は新聞を読む手を止めると、


「それよりも、早く朝飯を食え。女将さん、お願いします。」


奥の扉から紅葉が出て来た。昨日と同じで着物の上からエプロンを着ている。


「どうぞ、食べてください」


それだけ言うと紅葉は扉の奥に消えた。


紅葉が、持ってきてくれた朝ごはんはご飯と味噌汁、それと目玉焼きだった。


「うわぁ! 美味しそうですね! 見てください! 神崎さん! この目玉焼きの色、とっても綺麗ですよ! あれ? 神崎さん? 神崎さん?」


俺は、気づいたら目から涙が出ていた。何故、出たかは分からない。ただ、この朝ごはんを見ると涙が出てきた。


「ん? ああ、朝だからボーッとしてたよ。ゴメン、じゃ、いただきます!」


「はい! いただきます!」


俺は、無我夢中に朝飯を貪り食う。美味しい、美味しい!!


あっという間に俺と九尾は完食した。


「ふぅ、食った食った・・・・ ごちそうさまでしたっと」


「ごちそうさまでした。」


俺と九尾が朝飯を食べ終わると坂田は新聞を閉じた。


「よし、2人とも食い終わったな。じゃ、俺の話を聞いてくれ。」


坂田は真剣な眼差しで俺と九尾を見る。


「昨日、神の大規模的な襲撃があっただろ?」


坂田は煙草に火をつけると話しだした。


「はい、ありました。でも、それがどうしたんですか?」


俺は喉に水を行き渡す。あの時の、悪夢が思いだされる。


「あの時、オシリスと闘ったのはお前達だけなんだ。あの時に何が起きたか詳しく話してくれないか?」


俺と九尾は話した。俺の親友が神に攫われた事も。九尾が俺を助けてオシリスを撃退した事を。

その中で坂田が1番興味を持ったのは仁が攫われた時の事だ。


「ん? おかしいな普通、神は人を攫う時はソウルにしてから回収するはずなのに、悠真の親友はそのまま攫われたのか?」


坂田は吸っていたタバコを灰皿に置くと俺の方を見てきた。


「はい。なんか、仁の事をオレンジ君とか言っていて特別だとかそんな事を言ってたっす。」


坂田は腕組みをし、ウーンと唸る。

しばらくの間沈黙が続く。


「それはそうと九尾、オシリスと闘った時どうだった? 何か分かった事はないか?」


九尾が水を飲もうとした手紙止まった。


「そうですね・・・・ 分かったことはオシリスは高いプライドの持ち主で杖がないと攻撃することは出来ないって事ですね。私が杖を奪ったら何も出来ずに命を1回だけ奪う事が出来ましたしね」


それを、聞いた坂田は椅子から立ち上がった。

急に立ち上がったので俺と九尾は驚く。


「うわ!? ビックリした! 坂田さんどうかしたんすか?」


「九尾、もしかしてオシリスの杖を持っているのか!?」


坂田は我に返ったのか落ち着けと自分に言い聞かせ椅子に座る。

坂田が落ち着いたとこで九尾がポッケの中をガサゴソ探る。


「たしか、この辺にっと・・・・ あ、ありました! これです」


九尾はポッケから取り出した30センチぐらいの棒を坂田に渡す。

坂田は杖を受け取ると、


「こ、これは・・・・! 凄い発見だ! 神が使っていた武器を回収する事が出来たなんて! よし! 2人とも本局に行くぞ! コレを解析したら人類の希望になるかもしれん!」


坂田は興奮している。俺と九尾がポカーンっとしてるとドクさんがやってきて俺に洗濯してくれた中学校の制服を、九尾には契約起動して巫女の姿になるように体で表すと、ドクさんはコートを着た。


「ありがとうございます! ってか、本局!?」


「さ、坂田さんもしかして本局って・・・・」


坂田はコートを羽織り靴を履くと、


「決まってるだろ。東京だ!」


それだけ言うと車のエンジンをかけた。

下手クソです!

アドバイスお願いいたします!!

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