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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第1章 悲劇の始まりと終わり
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鍋パーティー始まる

俺たちはロビーに来ると歓迎された。

こんなにも暖かい人達がいるのだろうか。

俺はとても嬉しい気持ちになった。


「みなさん! ありがとうございます!! 俺! 神高を受験します!」


俺の一言で一気に場が盛り上がった。


「じゃ! 新しい仲間が増えたところで鍋パーティーを開始する・・・・! 最初は結城ペアからだ! では! 結城ペア前へ!」


坂田の大声で結城と凛は立ち上がり厨房の方からカセットコンロと鍋を一つ持ってきた。

鍋をカセットコンロの上に置き、火を付けた。

鍋が俺と九尾の座っている真ん前に置いている状態だ。


「これが私達の鍋、テッチリですわ。下関産のトラフグを使っていますわ。さあ、神崎さんと九尾さん召し上がれ」


そう言うと、結城は鍋の蓋を開けた。

湯気がムワッと出てきた。そして、辺り一面に良い香りが行き渡る。

俺と九尾が鍋を感激していると、


「じゃ、熱いうちに召し上がれ!」


凛がおわんによそってくれた。

俺と九尾はお礼を言い、まず最初にフグを口の中に入れる。

なんだこれは・・・・!? もの凄い弾力だ!俺は初めてトラフグを食べたがこんなにも凄い弾力なのか!? う、うまい! 噛めば噛むほど口の中にトラフグの旨味が口の中に広がる!


「か、神崎さん! 美味しいです! 初めてフグを食べましたがこんなにも美味しいとは思いませんでした!」


九尾も感激している。九尾のおわんを見るともう無い。よっぽど、美味しかったようだ。


「いやぁ、美味いなぁ。でも、この出汁がさらに旨味を上げている。これは何の出汁だ・・・」


俺はもう一度スープを飲んでみる。やはり、とても優しい味だが旨味も強い。何なんだこれは。


「気になってるようですわね。これは、トラフグのアラから出汁をとっているのですわ!フグの毒以外の部分を全て閉じ込めた鍋! 名付けて、フグの全て!」


フグの全て・・・・! 確かに名前通りだ。この鍋は最高に美味い! 最初からこのレベルってヤバいな。

俺は気づいたらおわんの中が空になっている事に気付いた。ヤ、ヤバい! いつの間に!?無意識に食っていただと!?


「じゃ、そろそろ次の鍋に行くぞ。次は愛染ペアだ! 」


坂田がそう言うと結城と凛は鍋を一旦、別の机に置く。

そして、愛染と黒上が鍋を抱えて持ってきた。それをカセットコンロの上に置き火を付けた。

この人は血鍋とか言ってたから心配だ・・・・


「さぁ・・・・ 我が力! 全てを閉じ込めたこの鍋っ! 貴様らネズミに地獄を見せてやろう! さぁ、召し上がれ!!」


鍋を開ける直前に、


「あ、心配するな。変な鍋ではないからな」


黒上の一言で愛染の鍋を開ける手が止まる。


「ちょっとおお!! 今、良いとこだったのに! じゃ、もう一度・・・・ さぁ」


「よし、開けるぞ。ほら、召し上がれ」


黒上から言葉を遮られてしまい、さらには鍋も開けられて愛染は顔が死んでいる。


「こ、これは・・・・・」


鍋の中は地獄だった。真っ赤な出汁! そして、何かの骨が見える。黒上がそれを俺たちのおわんに入れてくれた。一応、お礼は言ったけど、これはマジで血なのか!?


「さあ、召し上がれ」


黒上の目は優しいが愛染の目が怖いので俺はスープを一口飲む。

すると、俺の口の中に電流が走った。

なんだ、これは!? 口の中が熱い! しかし、熱さの向こうに旨味が・・・・ これは、キムチ鍋か!! この辛さ、癖になる!


「どうだ? 変な物ではないだろ?」


「フフフフ・・・・ 我が血鍋の味はどうだ?美味いだろ?」


黒上と愛染が自信満々な顔で見てきた。


「はいっ! 確かに美味いです! この辛さがクセになりますね!」


九尾も美味しかったようだ。

俺は骨をとってみる。それは、手羽先だった。キムチ鍋に手羽先!? 合うのか? 俺は疑心暗鬼で口の中に入れる。これは・・・・! 口の中で肉汁とキムチの辛さが混じりハーモニーを奏でている! 美味い!

またしても気づいたらおわんの中が空だった。


「じゃ、次は一ノ瀬ペアだな。じゃ、準備してくれ」


そう言われるとキムチ鍋を別の机に置き、美香と真奈が鍋持ってきた。さっきみたいにカセットコンロの上に置き火を付けた。


「悠君、美味しく召し上がれ」


「ど、どうぞ、美味しいですよ?」


美香の言い方がなんか色っぽいが、そんな事は気にせずに鍋の中を覗く。

鍋の中は真っ白だ。さっきの愛染達な鍋とは真逆だ。

真奈がおわんによそってくれた。俺は最初にスープを一口飲む。優しい味が口いっぱいに広がる。まろやかで、どことなく懐かしい味がする。具である豆腐も食べてみる。このスープの味が染み込んで美味い! このスープの正体は一体なんだ・・・・?


「悠君! スープ何か分かる? この真っ白なスープの正体は何かな?」


美香が聞いてきた。しかし、分からない・・・・ ここまで、まろやかな風味を出す食材はなんだ!?


「確かに美味いです・・・・! このスープがとっても優しい味で具が最高の状態になっています!」


九尾でもスープの正体が分からないか・・・・ これはなんだ!?


「この鍋のスープは豆乳! まろやかな風味を出すには、これが一番でしょ!」


美香が正解を言った。確かにそうだ! 豆乳はまろやかで、さらには優しい味! この鍋のスープは豆乳だったのか・・・・! また、気づいたらおわんの中が空になっていた。


「じゃ、そろそろ次の鍋にいくぞ。財前ペアは準備してくれ」


坂田の一言で豆乳鍋は別の机に置く。

俊介と五右衛門は鍋を持ってくるとカセットコンロの上に置き火を付けた。


「俺たちのロックの鍋を食べてくれ!」


「いええええええええええ!! たらふく食べてくれぇ!!」


2人の大きな声とエレキギターの音が響く。

五右衛門が鍋をよそってくれた。見た目によらず手先が器用なようだ。

おわんの中を覗いてみる。これは・・・・!ミルフィーユ鍋! 今流行りの!? この見た目ヤンキーの2人がこんなオシャレな鍋を作ったと考えると笑ってしまう・・・・ この2人の事だから、とんでもない鍋を出してくるかと思ったぜ。 とりあえず、白菜と豚肉を一緒に口の中に入れる。これは! 白菜のシャキシャキとした食感! それと、豚肉のジューシーな肉汁! シンプルながらも美味い!ギャップが凄すぎる・・・・!


「いええええええええええ!! 2人とも! 俺らがこんなオシャレな鍋を作れるとは思わないだろ! これぞ! ギャップ鍋! いええええええええええ!!」


確かにギャップが凄い・・・・! しかし、美味い!


「じゃ、全員出し終わったな。では! みんな! 好きなのを食べろ!」


坂田の一言でみんな、鍋をつつく。他の人が作ったのを食べ、感想を言い合っている。


「どうだ! ビッチ! 美味いだろ!」


「まだまだね! あたしの方が上手に出来るわ!」


また、この2人は睨みあっている。


「フフフフ・・・・ 我が血鍋! 美味いだろ?」


「イエエエエエエエ!! 辛さが良いぜぇ!」


この2人はキャラが濃すぎる・・・・。


「テッチリ美味いな・・・・・!」


「そう言うと思ってましたわ!」


この2人はなんかクールでお似合いだ。


「真奈ちゃんの豆乳鍋美味し〜!」


「ふえ!? あ、ありがとう!」


なんか、真逆の2人だ・・・・

あっと言う間に鍋が空になった。


「じゃ、みんな今日はもう寝ろよ。それと、悠真と九尾明日、話がある。」


それを言い残すと坂田は上に上がっていった。

俺と九尾も上に上がる。しかし、ここは坂田とドクさんと紅葉の部屋があり、他の扉は閉まっていた。どうやら立て付けが悪く開かないようだ。


「じゃ、もう一階上かな?」


「そのようですね」


もう一階上に上がる。ミシッという音が古い木造建築ならではと思う。

3階には名札があり、奥の方に俺の表札があった。隣には九尾の表札もある。


「じゃ、おやすみ」


「ええ、神崎さんもおやすみなさい」


部屋の中は2LDKで一番大きな部屋はキッチンとしても使える感じだ。炊事場がある。

もう一つの部屋は小さく、布団が敷いてある。

俺は布団に飛び乗り眠りにつく。

ちゃんと、刀は布団の隣の机の上に置いた。

俺は、まだ契約の強さやこの刀の力には気づいていなかった。

下手クソです!

アドバイスお願いします!!

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