契約起動!!
俺と九尾は暖かい明かりに包まれた。
こっちからは九尾の姿は見えないが手を握っている感触はある。
俺は絶対にこの街を守る・・・・!!
「契約完了です!! 神崎さん!」
急に明かりが消えて俺の目の前には九尾が立っていた。
しかし、驚いたのは九尾の姿だ
「九尾!? お前、尻尾と耳はどこにいったんだ!?」
俺の前にいた九尾は、九本の尻尾が無く、耳も無くなっている。
「これが、契約です。私達はこっちの世界で暮らしやすい姿になり、あなた達は力を得る事ができます。さあ! 神崎さん、契約起動と言ってください!」
俺の前にいる、普通の銀髪の女の子からそう言われた。
俺の右手を見ると日本刀が一本握られていた。
「これは?」
俺が疑問に思いそう言うと
「契約起動と言うと霊具が装備されます! さあ、早く!」
俺は訳のわからないまま叫んだ
「契約起動!!」
すると、また明かりに包まれた。
しかし、光は直ぐに収まりいつもの俺とは全然違う姿だった。
「これが霊具! てか、これは着物で上から羽織っているのは羽織か! 防御は大丈夫なのか?」
侍のような黒色の着物で上から新撰組のような青い羽織を羽織っている。
「問題ありません! 多少の攻撃からは身を守ってくれるはずです!」
「よし! 分かった! てか、あの距離をどうする!?」
俺はカメのいる方を指差した。カメの口の明かりが強くなっている。
「私との契約魔力は九つの力! 三の力と叫んでください!」
三の力? どういう事だ? と思いつつ、九尾の言っていることを信じる。
「三の力! 俺に力を貸してくれ!!」
すると、俺の右手が青色に光だした。
「な、なんだ!? 大丈夫なのかこれ!?」
俺が慌てふためいていると、
「安心してください! ほら、右手を見てください!」
俺は右手を見て見る。すると、一本の小さめのナイフが握られていた。刃は黒く、持ち手は赤色をしている。
「ええ!? スッゲェ!! てか、これで攻撃できんの!? 届かないよ!」
俺は15センチぐらいのナイフを眺める。
「問題ありません! それをカメに思いっきり投げて突き刺してください!」
俺は驚いた。九尾の炎が届かない距離にいるカメに当てれるのか? この俺が。
「おいおい・・・・ あの距離は無理だろ・・・・」
「心配ありません! 霊具を着ていると普段の運動神経よりも飛躍的に上がります。だから、狙う方向さえ合っていれば刺さるはずです!」
おいおい、本当かよと思いつつカメの方に思いっきり投げてみる。すると、いつもの俺では考えられない速さで一直線に飛んでった。
そして、ナイフがカメの甲羅に刺さる。
「ゴメン! やっぱり口の中に刺すのは難しいな・・・・! ヤバい! そろそろ発射されそうなんじゃねーのか!?」
すると、九尾が俺に抱きついてきた。小さい胸が背中に当たる。
「ええ!? 九尾さん!? ちょっと! こんな時になにやってんの!?」
俺は抱きついてきた九尾に言う、しかし九尾は
「早く! 遠隔起動と言ってください! 私も契約起動します! 契約起動!」
九尾に耳と九本の尻尾がまた生えた。
「なんかよく分からんが分かった! 遠隔起動!!」
すると、俺たちはカメの甲羅の上にいた。陸からかなり遠い。
「ええ!? どうなったんだ!? さっきまで陸にいたのに!」
俺たちはカメの甲羅の上に立っている。右手から何かが落ちた。拾うとそれはあのナイフだった。
「これが、三の力。超次元瞬間移動ナイフ! 刺さったところまでワープさせてくれる力です!」
「これが、契約の力・・・・・! ヤベェ! 凄すぎる!!」
俺が感激していると、
「感動するのは後です! まずはこのタートルを倒します! さあ、次は一の力と言ってください!」
九尾がカメの頭の方に走りながら言う。俺もそれを追いかけながら叫ぶ。
「一の力!!」
そう言うとさっきのナイフは消えた。
おかしい、なにも起きない。
俺のナイフが刺さったカメの尻尾の方の甲羅から走りだしてあと少しでカメの頭に着く。しかし、なにも起きない!
「お、おい! 九尾! なにも起きないぞ!」
あと少しで頭だ! 見えてきた。
「刀を抜いてそっと手を刀の刃に当ててイメージしてください! 炎を!!」
九尾からそう言われ俺は刀を抜いた。そして、イメージする。炎・・・・ 暖かい・・・・ 人々の癒し・・・・ しかし、時に人間に牙を剥くときもある・・・・ そして・・・・! 俺を助けてくれて炎・・・・!!
すると、刀の刃が青色の炎に包まれた。九尾の炎と一緒だ。
「うわ!? 暑くない! 俺の炎だからか!?」
「そうです! 自分には害がありません! うわぁ!?」
九尾の悲鳴が聞こえたので急いで九尾の方に駆けつける。
すると、そこにはカメの甲羅から穴が空いていてそこから五体のリザードが出てきた。しかも、腕に甲冑みたいのを付けていて強そうだ。
「クソっ!! こんな時に! 倒している時間はないぞ!」
俺と九尾は一歩下がる。
「神崎さん! 私がコイツらを引き止めます! あなたは先にカメの頭に向かってください! さあ! 早く!!」
九尾の手から青色の炎が出る。
俺は悩んだ末、
「分かった! カメの頭は俺に任せろ! そして、死ぬなよ!」
俺はそれだけを言い残すとリザードの攻撃を避けて前に走りだす。
後ろから炎が当たる音がしている。九尾が時間を稼いでくれている。早くしないと・・・・・!
少し走るとカメの頭が見えてきた。
「くらええええ!! うおりゃぁ!!」
俺はそこに向かって思いっきり日本刀を投げ飛ばす。炎がついている日本刀はカメの首に直撃した。
俺は直ぐに日本刀を掴みカメの首を切り飛ばした。
すると、光が消えてカメの首が沈んでいく。
ヤバい! 倒したのはいいがこのままだと水没してしまう・・・・!
「九尾!! 三の力で逃げよう!」
俺は大声で叫ぶ。すると、九尾が走ってきた。どうやら倒したらしい。
「やっぱり強えな! 九尾は!!」
俺がそう言うと九尾は少し頰を赤く染めた。
「そんなことはないですよ! 神崎さんだって初めてなのにそんなに剣の扱いが上手いだなんて! 凄いですよ!」
「まあ、剣道してたしなぁ! さあ、行こうぜ!」
俺は九尾に手を差し伸べる。九尾はそれを強く握る。
「行くぞ! 三の力!!」
俺は三の力を使い思いっきり堤防に向かってナイフを投げ飛ばす。刺さったのを音で確認して、
「行くぞ九尾! 遠隔起動!!」
すると、あっと言う間に堤防に着いた。
周りを見渡すが被害は出ていない。おじさんが気絶しているだけだ。起こしたらパニックになるかもしれないので、おじさんには悪いが夢でした!っていうパターンにしてもらうのでそっとしておく事にした。
「はぁ、疲れた〜!! ありがとな! 九尾!!」
俺は近くのベンチに腰掛けて言う。
「いいえ、それよりも千葉神対策局に行きましょう! そろそろ出来たんじゃないですかね?」
俺は、それを思いだした。忘れていたな・・・・
「ああ!! 行くか!!」
俺と九尾がベンチから立ち上がる。
すると、声が聞こえてきた。
「お前ら!! 大丈夫か!?」
そこに駆けつけてきたのは坂田だった。
下手クソです!!
アドバイスお願いします!!