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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第1章 悲劇の始まりと終わり
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日常開始?

そこはまさしく料理人の聖域。

沢山の調理器具と新鮮な食材達が並んでいた。

さらに、驚いたのはみんな料理が出来るという事だ。

契約を結んだペア同士で1つの鍋に具材を入れている。

俺と九尾がポカーンとしていると、


「おいおい、お前らを歓迎するんだからテレビでも観てろよ。これが、うちの局のやり方だ。さあさあ、出て行った!」


エプロン姿の坂田に俺らは追い出された。

また、ロビーに戻ってきてしまった。

女将の紅葉は料理の手伝いをしていていない。

つまり、俺と九尾だけだ。

俺がソファに座ると九尾が隣に座ってきた。シャンプーの香りが心地よい。


「隣失礼しますね。神崎さん」


「ああ、大丈夫だ」


隣に座ってきても話の話題が見つからない。気まずい・・・・

すると、静寂の空気を九尾が壊した。


「あ、あの! 神崎さん! 外に行きませんか? 鍋料理はまだ時間がかかりそうですし歩いて10分ぐらいで海に行けそうなので行きませんか?」


九尾なりの心遣いなんだろう。やはり、気まずかったらしい。


「そうだなぁ。行ってみるか!」


九尾の顔がパァッと明るくなる。


「はい! 行きましょう!」


俺と九尾はソファから立ち上がり玄関のほうに向かう。

靴を履き、ドアを開けると外は真っ暗だ。しかも寒い。


「うわぁ、暗いな 俺のスマホはっと・・・・ ダメだ、画面バキバキだし充電切れだ」


俺が悩んでいると急に明るくなった。しかも少し暖かい。


「これでどうですか 神崎さん? 明るいし暖かいので役に立ちそうですよ」


九尾の手を除くと青白い炎が九尾の手の上にある。オシリスを撃退した時と同じ色だ。


「おお!! 凄いな! ありがとう九尾!」


九尾は頰を赤く染めると


「褒められるほどではありませんよ。さあ、行きましょう!」


俺と九尾は肩を並べて歩く。九尾の出した炎が暖かい。


「それにしても九尾、お前は熱くはないのか? 炎が手に乗ってるけど」


九尾は、フフッと笑うと


「大丈夫ですよ、神崎さん。これが私の魔力である霊炎。自分の炎で火傷なんてしませんよ」


「そういうものなのか〜。俺が触ったら熱いのか?」


九尾は俺に炎を近づけると


「ええ、怪我しますよ。」


俺は、ギョッとして


「マジかよ! そりゃあそうだよね! そうしないとオシリス倒せなかったよね! てか、俺に近づけすぎないで! 熱いから!」


俺は、必死に炎から体をそらす。


「フフフ、神崎さんに付けたりなんてしませんよ。私がこの力を使うのは神を倒す時と自分の身を守る時。それと、大切な人を守る時だけですよ」


九尾の顔が少し曇る。何かを思い出したのだろうか。

俺は、話題を切り替えようと思い灯台を指差した。


「九尾! ほら、灯台が見えてきたぞ! 海はもう少しだ! よし、どっちが早く着くか競争だ!」


俺は灯台に向かって走り出す。


「あ! 待ってください! 神崎さん!」

俺は全速力で走った。灯台に着いたので後ろを振り返ってみる。九尾の姿が見えない。どうやら、早すぎたようだ。


「ハアハア・・・・ 九尾に勝ったかな?」

俺が息を荒げていると後ろから声が聞こえた。

「私のほうが早いですよ。神崎さん!」

恐る恐る前を見てみる。

防波堤に九尾が座っていた。

俺は驚き、


「ええ!? どうやって来たの!? 俺のほうが速かったよね!?」


「確かにスタートは遅れましたが、神崎さんが行った後に炎を消して普通に走っただけですよ。」


俺は驚いた。確かにオシリスの時もメチャクチャ速かったが、これほどとは・・・・


「何をボーッとしてるんですか! 隣が空いてますよ。」


俺は言われるままに九尾の横に腰掛ける。

船は止まっていて漁師のおじさんが1人で黙々と網の手入れをしているだけだ。


「それにしても、今日1日だけで色んな事が起きたなぁ・・・・ 悲しい事も沢山あったけど、楽しかった事も沢山あった。千葉神対策局の人達も良い人達ばっかりだ! 明日からあそこで過ごすのかぁ。あ! 俺って学校どうするんだ!? 受験生なのに!」


九尾がこっちを向いた。灯台の明かりで影が付いている。


「うーん、学校の事は千葉の中学校に通わせてもらえるように国がやってくれるので大丈夫だと思います。しかし、受験は神崎さんの志望校が九州地方なのでしたら無理でしょうね・・・・」


「だよねー! 志望校は変えなきゃなぁ。てか、九尾って何歳?」


俺はふと疑問に思ったので聞いてみた。

九尾は少しドキッとしながらも


「私はあなたと同じ15歳ですよ。」


「ええ!! そうなんだ! てっきり年上かと思って、さん付けしたほうが良いのかなって思ったよ!」


「いえいえ、たとえ年上でも呼び捨てで構わないですよ」


俺たちは笑った。笑い声が夜空に響く。


「お! お兄ちゃん達! デートかい? ラブラブだねぇ!」


船に乗っていて網の手入れをしている漁師のおじさんが話しかけてきた。


「んな!? そんなんじゃありません!」


九尾が反論している。よっぽど俺とそういう関係になるのは嫌なんだろう。少しガッカリした。


「ガハハハハハハハ!! 冗談だよ!」


その時だった。あの音が聞こえた。あの時の神が現れる時の音が。

俺と九尾は立ち上がる


「この音は!! 神崎さん! 海のほうです!」


「マジかよ!? クソぉ!! この街までもあの悲劇が!」


「お、おい! なんか光ってるぞ!? ま、まさか、これがニュースで言ってたやつか!?」


おじさんは腰を抜かしている。

俺と九尾はおじさんが指差したほうを見てみる。すると、一筋の光が海を指している。


「なんだ!? おい!? どうするんだ!? なんか来るぞ!? 前よりも太いぞ!?」


俺は慌てて九尾の肩を掴む。九尾はそれを振りほどくと


「落ち着いてください!! 神崎さん! 私が何とかします! おじさん! 船をお願いします!」


おじさんは腰を抜かして気絶している。

九尾は海のほうを見ると


「神崎さん! 来ます!」


海のほうを見てみる。すると、辺り一面が光だした。

俺と九尾は目を瞑る。

すると、波が俺達にかかる。

目を開けてみると、そこには学校のプール10個分ぐらいの生命の息吹の感じない機械のカメがいた。


「なんだアレは!? デ、でかくね!」


「あれは、タートル! 砲撃型でこの街を吹っ飛ばすほどの砲撃を持っています!しかも、あいつはリザード等の小型の母艦でもあります! 近づけてはいけません! 私に任せてください!」


九尾の手から炎が放たれる。しかし、カメは水の中に潜り炎を避けた。

カメは水面から体を出すとさらに遠くにいた。さすがに、炎が届く距離ではない。


「すいません! 神崎さん! 届きそうにないです!」


すると、カメの口が開き光を口に集めている。


「時間がないです! レーザーを溜めてます!」


どうする? こんな時に仁なら、きっと解決策をすぐに思いついたんだろうな・・・・

クソ! どうしたら!

俺は1つの考えを思いついた。

これしかない・・・・・!!


「九尾! 俺と契約してくれ! 俺なんかが契約するなんてダメだと思う! でも、俺はこの街を守りたい! 頼む!九尾!」


俺は九尾に頭を下げた。


「顔を上げてください神崎さん。私はあなたとなら喜んで契約しますよ。さぁ、一緒にこの街を守りましょう! いいえ、神から人を!」


九尾は俺の手を掴むと、


「いきますよ、神崎さん。契約開始!」


「ああ!! よろしくな! 九尾!」


俺と九尾の周りが暖かい明かりに包まれる。


「俺は絶対にこの街を守る! もう、同じ悲劇は繰り返さない!」


「ええ! もちろんです!」


これから、俺の第2の日常が始まろうとしていた。


下手クソです!

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