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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第5章 ようこそ、国立神対策高等学校へ
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雷、豹変

「ウッ……………… 頭痛い………………」


 瓦礫に頭から突っ込んだせいか、頭がズキズキする。目立った怪我は無いだけマシだ。


「お前ぇ、なかなか頑丈だなぁ。タフな奴は嫌いじゃぁねぇぜ?」


 フラフラと立ち上がった俺に対して、トールは笑いながら言う。


「神に褒められても嬉しくはないな」


「おーい、おいおい! 褒めてやったのに酷いこと言うもんだなぁ?」


 今俺が殺されていないことを見ると、トールは、この状況を楽しんでいる事が分かる。確実に殺せた場面は何度もあったはずだが、アイツは()()()()()()()()()


「だが、このままだと……………!」


 まだ魔力も体力も充分にある。目立った怪我もしてないし、トールは多分本気ではないだろう。

 つまり、トールを討つには、アイツ自身が本気になる前にケリをつける事が必須だ。


「ハッハァ! お前はタフかも知れないが、ダメージは確実に溜まっている。塵も積もれば何とやらだぁ」


 トールが、高笑いしながら俺を指差す。アイツが言っていることは間違いではない。このままだと、俺はダウンしてしまう。


「俺が倒れる前に、お前を倒せば良いだけだ!!」


「ハッハァ! 威勢がいいなぁ! 嫌いじゃぁねえぜぇ!!」


 刀を抜刀し、一の力の霊炎を刃に纏わせる。トールも、ミョルニルという槌を構える。


「お前も倒して、ミツレを取り戻さないと、千葉神対策局の皆んなに顔向けできないんだ!!」


 右足に力を込め、大地を蹴る。そして、トールの間合いへと駆け込む。


「は?」


 トールの間合いに入り、首を切ろうとした瞬間、凄まじい悪寒を感じた。蛇に睨まれた蛙? いや、そんな生優しいものじゃない。

 恐怖、畏怖、恐れ、憎悪、絶望……………… いや、言葉が足りない。この世の全ての負の感情が俺に向けられたのだ。


「グハァッ!」


 その負の感情を感じ、一瞬だけ手が止まった時には、もう遅かった。

 トールのミョルニルが顔面に直撃し、俺は膝をついてしまう。


「頭がグラグラする………………」


 モロに顔面に食らったので、頭の奥底から揺れている感じがする。

 だが、休んでいる暇は無かった。後頭部から凄まじい殺気を感じ、俺は何とか避け切れた。


「ッ…………………!」


 凄まじい衝撃が、辺りを襲う。土埃が立ち込め、視界が悪くなったが、ゆっくりと視界が元通りになる。


「アレは………………!」


 土埃の中から現れた男は、先ほどまでとは違いヘラヘラしていなかった。

 地面に突き刺さった槌を引き抜き、コチラをギロリと睨みつける。陥没した地面を見るに、今までの攻撃の中で一番威力が高いだろう。


「トール…………………?」


 明らかに雰囲気が変わった男に、思わず名を呼んでしまった。


「下賎な人間が気安く名を呼ぶな。俺は、北欧神王国の神王 オーディーンの息子にして、次期神王 トールであるぞ」


 コイツ、明らかにさっきまでとは別物だ! 口調も雰囲気も何もかもが違う!


「ミョルニル、我に力を」


 手に持っていたミョルニルを、天に掲げる。すると、黒雲から雷がミョルニル目掛けて降る。バチバチと青白い光をミョルニルは放つ。


「滅せよ、下等種族」


 次の瞬間、トールは俺との間合いを一瞬で詰めて、雷を纏ったミョルニルを振りかざす。


「またかよ!」


 コイツの異次元に速い動きは何なんだ!? 瞬間移動だと考えられないぐらいのスピードだ。


「ハアアアアアアアアア!!」


「ウオオオオオオオオオ!!」


 予め、刀を抜いておいたのが功を成して、トールの素早い攻撃にも対応できた。

 蒼い炎と、青白い雷のふたつが激しくぶつかり合う。


「吹き飛べっ!!」


「クソッ!!」


 反応できたまでは良かったが、身体つきが違うせいか、フィジカル面で俺は大きく負けていた。

 そのため、再び吹き飛ばされて、地面と背中がくっついてしまう。


「神崎ぃ、お前、千葉神対策局なのか?」


 トールは、ゆっくりとコチラに向かってくる。その目は、獲物を屠る狩人の目つきだ。


「あぁ、そうだ。それが何かお前に関係あるのか?」


 俺がそう言った瞬間、トールは目をカッと開く。


「大有りだ! 俺の命を奪ったのは、元東京神対策局の一員でもあり、現在は千葉神対策局の一員で、そして副大将の階級を持っていた男だ!」


「なんだと………………?」


 ん? 元東京神対策局の一員? 誰のことだろうか? それに、副大将の()()()()()()()()という点が気になるな。

 まるで、今はその階級を持っていないみたいな言い方だ。


「命を奪うだけでなく、奴は俺の力までも奪いやがった! 奪われた力で、命を奪われたこの憎しみ、お前に分かるか!?」


 力を奪う? そんな契約能力を持った人が居たとは思えないぞ。


「力を奪う? そんな契約能力の人が、俺が知る限りでは千葉神対策局には居ないぞ」


「いいや、いる! その男の名前は」


 ギリっと歯軋りをしたトールは、口を開く。


模倣者(イミテイター) ()() ()()()! 俺は、アイツだけは許さない!!」


 意外な人の名前が出たことにも驚いたが、それよりも憎しみを露わにしたトールの顔は、境遇は違えど俺と近しいものを感じた。

お久しぶりです! スマホを変えたせいで、なろうのアカウントのパスワードを忘れてて、再入力するのに手間取ってしまい、約4ヶ月ぶりの更新です笑

いやー、本当に申し訳ないです! パスワード忘れて、マジで萎えてたんですよね・・・・


完全復活したんで、これからもよろしくお願いします!!

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