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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第5章 ようこそ、国立神対策高等学校へ
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トール

―――――ロキと神々廻の場面から、悠真の視点に再び移り変わる。


「一度殺されただと!? どう言う事だ?」


 トールの槌と俺の刃が、高音を立てて激しくぶつかる。


「そのまんまの意味だぁ! フンッ!!」


 だが、身長が2メートルはあるであろう男と、男子高校生の平均的な身長の俺では、身体から繰り出せられる力の大きさが違いすぎる。


「グァッ!? くそっ……………」


 そして、俺は再び後方に吹き飛ばされて、背中を地面に叩きつけられる。


「くそ……………… 火力が違いすぎる」


「ハッハァ! まぁ、俺は火力よりも速さの方が自信あるんだけどなぁ……………… っと、忘れるところだったぜぇ」


 そう言うと、トールは気絶しているミツレの方に左手を向ける。


「おい! 何をするつもりだ!」


「安心しろぉ。殺したらはしねぇよ」


 トールの左手から放たれた電気の球は、ミツレの方に向かう。

 そして、ミツレに触れたかと思うと、電気の球は網目状の球体に変化して、ミツレを包み込む。


「キュウビが目覚めて、お前に加勢したらダルいからなぁ。捕縛させてもらうぜぇ」


 トールの目的は、ミツレの生捕り。確かに、目覚めたら面倒臭いから、檻に閉じ込めておくのは理に適ってるな。


「キュウビを回収して、俺は親父に神王の継承者として認めてもらうんだぁ」


 首をゴキゴキと鳴らしながら、トールはその場で小刻みにジャンプをする。


「そのためにもよぉ、神崎ィ、お前は邪魔だ!」


 一瞬、トールの全身が青白く光ったかと思うと、その時にはもう遅かった。

 俺の間合いにトールが入ってきたからだ。まずい! この距離、避けられない!


「くそっ!!」


 俺は、反射的に刀を抜刀し、トールの槌を受け止める。そして、凄まじい力で再び吹き飛ばされる。


「うわあああああ!!」


 槌を刀で受け止めたのは良いものの、衝撃を流していなかったので、俺の身体は空を舞う。


「ゴハァッ! こ、ここは………………?」


 トールによって吹き飛ばされた俺は、どこかの大きな建物のガラスを突き破って、建物中に入った。

 長い廊下と石造りの手洗い場、そして内装が同じような無数の部屋。


「ここは、学校か。そして……………」


 身体中に付いたガラスのカケラを落としながら、俺は外の様子を確認する。

 契約起動していなかったら、ガラスで流血は避けられなかっただろうな。


「俺がいるのは三階か」


 外を見て、自分がいるのは3階だというが確認できた。


「しまった! ミツレと離れてしまった! 急いで戻らな」


「おーいおいおい、その必要はないぜぇ?」


 ミツレのいた場所に戻ろうとした瞬間、学校の外から俺を吹き飛ばした奴の大声が聞こえてきた。


「トール!!」


「ハッハァ! 良い顔すんじゃあねぇか! その恐怖を貼り付けた顔、もっと近くで見させてくれよぉ!!」


「その必要はないぜ。今から、お前の元に行ってやるからよ!」


 良かった。俺が吹き飛ばされたから、ミツレをトールに回収されたかと思った。

 あの場には、トール以外の神や神兵、ソウルハンター達はいなかったから、ミツレは大丈夫だろう。

 ミツレをトールに回収されると言う、最悪の事態だけは避けられた。


「いや、お前は来なくて良いぜぇ?」


 俺が、破れた窓ガラスから身を出そうとした時、トールは不敵に笑う。


「その学舎を破壊するからなぁ!!」


 そう言うと、トールの持っていた小さな槌が光り輝き出す。

 そして、小さな槌は一瞬にして、巨大な槌に変化する。横幅は何メートルだ!? 分からない! 

 だが、確実にこの学校を丸ごと潰せる!!


「ハッハァ! 潰れろぉ!!」


「くそ! 間に合え!!」


 迫り来る巨大な槌。圧死してしまうという恐怖の感情よりも、俺は外に向かってナイフを放り投げていた。


「死ねぇ! 神崎悠真ァ!!」


全てを無に返すであろう巨大な槌が、学校を潰す瞬間、俺は叫んだ。


「遠隔起動ぉ!!」


 そして、ギリギリのところで三の力のおかげで、外に脱出する事ができた。

 いつもだったら、着地点も予想して三の力を起動するが、今回はそんな暇はなかった。空中に放り出された俺は、隙だらけの状態になる。


「た、助かった!」


「助かったぁ? そんな丸腰でよく言えたもんだなぁ!!」


 その声が聞こえて、俺は後ろを振り向く。だが、俺が振り向いた時には、声の主は高く跳躍し、俺よりも少し高い位置にいた。


「しまっ」


「ハッハァ! 遅すぎるんだよぉ!!」


 そして、声の主であるトールは、俺を真横から思いっきり槌で叩く。

 凄まじい衝撃が横腹に加わり、俺は再び吹き飛ばされる。


「グハァッ! ハァハァ……………………」


 瓦礫に突っ込んだ俺は、フラフラとしながらも立ち上がる。


「ミツ、レ………………」

 

 どうやら、吹き飛ばされた先はミツレがいた場所だったらしい。 

 再び、同じ場所に偶然かは知らないが、吹き飛ばされたようだ。


「おーいおいおい、また同じ場所かよぉ!?」


 俺が、ミツレの場所にフラフラとしながら向かおうとした時、トールも再び戻ってきた。

 だめだ、力の差があり過ぎる………………! 俺一人だと勝てない!!

お久しぶりです! 最終レポートや期末テストなどのリアルの用事で死にかけてました!(ゲームしてたなんて言えない)

来月末に資格のテストがあるので、更新頻度は下がりますが、テストが終わったら投稿頑張りたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いします!!

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