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日常の大切さは終わった時に気づくもの  作者: KINOKO
第5章 ようこそ、国立神対策高等学校へ
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神々廻 光理

 悠真とトールが、ぶつかり合ったときよりも少し前、具体対的に言えば、空一面に北欧神王国による魔法陣の展開が始まった頃に、時は遡る。 

 そして、視点は福岡県のAエリアにいる神々廻光理へと移り変わる。


「あの魔法陣は、確か北欧神王国………………?」


 見た事がない魔法陣が展開された。正確に言えば、資料では見た事があるが、実際に見るのは初めてだ。


「とりあえず、中佐がいるテントに戻らないと」


 ミコのいる、福岡県のAエリアを担当しているのは、秋田対策局の中佐だ。かなりの実力者だから、中佐自身は大丈夫だとは思うが、テントで作業している非戦闘員の人たちが心配だ。

 もし、神が襲撃してきた場合には、復興作業を中断して、迅速に集合場所に、集まらなければならない。

 ミコは、スコップを瓦礫のそばに立てかけ、刀を腰に刺す。


「よし、急いで行か」


 ミコが、急いで集合場所に向かおうとした時、空一面が光り輝きだし、その光は地面に一斉に降り注ぐ。


「クッ………………!」


 あまりの眩しさで、ミコは目を閉じてしまう。ここまで眩しいと言う事は、近くにソウルハンターか神民、もしくは神が空から落ちてきたに違いない。


「はぁ、最悪ね………………」


 ミコの予想は悪い意味で当たっていた。前方、約20メートルほどのところに神民が四体いた。


「ガキが一人いたぞ! 捕縛するぞ!」


「了解! 四方から囲みます!」


 ミコの声で気づいたのか、神民が一斉にこちらに向かってくる。

 神民は、西洋風の銀色の甲冑を身につけており、右手に白銀の剣、そして左手には巨大な盾を持っている。


「………………契約起動」


 そう言うとミコは、科学者が着るような真っ白のラボコートに身を包む。そして、鞘から刀を引き抜き、そのピンクの刀身が露わになる。

 そして、髪の毛もボサボサで目が隠れていたが、ツヤツヤのロングツインテールに変化する。


「すまんな! 貴様をソウルとして回収させてもらう!」


 四方を囲まれ、四人のうちの一人が、ミコの喉笛を掻こうとする。


「すまんな? 笑わせないで」


「なっ!?」


 後ろから、ミコの首を斬ろうとしてきた神民の攻撃を避け、逆に神民の喉笛に刃を貫き通す。

 西洋風の甲冑は、防御面に優れてはいるが、関節部分は隙間が空いているので、そこに刃を入れれば、簡単に貫ける。


「ミコのセリフみたいだったね。()()()()


「ガハッ!? あ、あぁ……………」


 突き刺した刀に力を込めて、首を斬り落とす。銀色の鎧が、鮮血に染まる。


「貴様ァ! よくも隊長」


「コイツ!? ただのガキではな」


「黙って。ミコは、お前たちが大嫌いだ」


 神民の言葉には耳を貸さず、ミコは二人の神民の首を同時に斬り落とす。


「ハァ、契約解除をしたら綺麗になるとは言え、白色の白衣に返り血は目立つ……………」


 真っ白だったミコの白衣は、返り血によって、鮮血の花が咲いていた。白紙のキャンパスに、赤色の絵の具を上から落としたみたいだ。


「ひ、ひいいいいい!! 何なんだ! この小娘は!!」


 最後の一人になった神民が、こちらに背を向けて逃げる。敵に背を向けた瞬間、それは戦闘を放棄したのと同時に、敗北を意味する。


()()()()


「なっ!? 上だ」


 ミコは、跳躍して神民の脳天目掛けて、刃を突き刺す。そして、突き刺した瞬間に、頭から刃を引き抜き、肩から首ごと両断する。


「ガハァ………………」


「ミコの契約能力は、お前たちには使わない。命を奪っておいて言うのは変だけど、そこだけは感謝してね」


 血が付いた刃を拭き、鞘に収める。ミコの契約能力は、憎む相手、それか実力差がかけ離れた強者にしか使いたくない。

 神界の奴らは大嫌いだけど、命を奪うのだから契約能力は使わずに一瞬で殺してあげたい。


「そんなのは甘えだって、()()()()に言われそうだけど………………」


 憎しみと憎しみのぶつかり合いの戦場では、ミコの考えはきっと甘えだろう。


「感傷に浸ってないで行かないと」


 



 そして、ミコはAエリアのキャンプ地へと走る。ミコは、かなり離れた位置で作業していたので、道中にはソウルハンターや神民がいた。

 もちろん、全員切り伏せておいたが、人間がまだ誰もいない。嫌な予感がする。


「ハァハァ……………… そろそろキャンプ地が見えてもいいはずだけど………………」


 倒壊した高層ビルの上によじ登り、ミコの視界に遂にキャンプ地が入った。

 いや、キャンプ地だったと言った方が正確なのかもしれない。


「アハハハハハ! 見るっすよ〜! オイラのドライブテク!」


「ロ、ロキ様!? 落ち着いてくださ」


 天然パーマの単発金髪、派手なサーカス団員のような金色の服を身に付けた男が、ショベルカーに乗り込んで、味方の神民をも巻き込んで暴走している。


「あーあ、もう! オイラは人間ハンバーグ作ってんすよ〜? 邪魔しないで欲しいっす!」


「わ、分かりました。で、では、私たちは人間をソウルに変換して転送しますので、どうぞ楽しんでおいてください」


 そう言う神民の顔は青ざめており、身体は震えていた。

 そして、ロキが運転していたショベルカーのシャベルの部分には、人間だったであろう肉塊が沢山付いていた。辺りに、人間が一人もいない事を見ると、ソウルとして回収されたか、ロキによる残虐非道な行為が原因だろう。


「おお〜!! んじゃ、雑務は任せたっす!」


 ロキは、ショベルカーからヒョイっと降りて、その神民の右肩をポンっと叩く。


「じゃ、オイラは、またショベルカーで、ハンバーグを作りに別のとこに行くっす〜」


 再び、ロキがショベルカーに乗り込もうとした時、ミコの身体は動いていた。

 相手に自分の姿がバレていない場合、相手の力量や人数などを確認してから闇討ちをするのが鉄則なのだが、ロキの非道な行動で、ミコはそんな事は考えていなかった。


「死ね、この外道ぉ!!」


 自分で言うのもなんだが、ミコは冷静な方だし、声を荒げる事なんて滅多にない。

 だが、仲間が見るも無惨な姿に変えられておいて、我慢できるほどミコは大人じゃない。


「あぁーん? 一名追加っすねぇ!?」


 声を荒げたせいで、ロキに気づかれた。ロキの懐から出したジャックナイフと、ミコの刃がぶつかる。

下手くそです! アドバイスお願いします!

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