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Light Fantasia  作者: 天海六花
3/20

養女

     養女


       1


 元締めがオウカの防衛体制強化連合の会合に出掛けて今日で三日目。時間がかかるとは聞いていたけど、まさかこんなに日にちを跨ぐまでになるとは思ってなかった。

 だから冒険者組合は実質あたし一人で管理運営しなくちゃいけない。もう目が回りそうなくらい忙しい。あたしのサポート役でもある書記官を呼び出そうかと本気で思ってるくらい。

 でもこれくらいの忙しさ、あたし一人で乗り切れなくてどうしますか。元締めが人一倍働いてくれてるおかげで、普段あたしは冒険行ったり自由に行動させてもらったりできてるんだから、たまには恩返ししないとね。元締め……いえ、トールギーパパは養父と言えど、あたしの大切な父親だもん。

 午後からの会議は、地方に出向してる組合の支部長なんかも参加する、組合の今後の大事な運営会議。でも憂鬱だなぁ。支部長が集まるって事は『あいつ』も参加するって事だもんね。

 あいつっていうのは……えーと……まぁ、その内……。

 仕方ない。腹くくって、ちょっとだけ息抜きしてから会議に参加するか。


 あたしは食堂へと向かった。そこでバイトしてるタスクと顔を合わせると、また言い争いになっちゃうかもしれないけど、でもそれはそれでいい息抜きになるもんね。向こうはいい迷惑だと思ってるだろうけど。あははっ!

「やっほー」

 極力明るい声音で、厨房で鍋磨きをしているタスクに声を掛ける。タスクはこっちを向いて、一瞬嫌そうな顔をした後、これまた面倒臭そうに片手を挙げて挨拶を返してきた。

「よう、ファニィ補佐官殿」

 タスクはあたしを皮肉る時、わざわざ補佐官って肩書きを付けてくる。

 で、そのタスクは今現在、組合で一番の新米で下っ端だけど、意外な特技である料理の腕前で、すっかり組合員のみんなの胃袋をがっちり掴んでしまっている。あたしとは初っ端に大喧嘩してから、すっかり意気投合して呼び捨てタメ口の仲になっている。こないだ一緒に依頼もこなしたしね。

 むしろこいつに丁寧な敬語使われた方が気味悪いとさえ感じるくらいには、仲良くなってるわ。


「今日、なんか暇なんだけど、特別な行事でもあるのか?」

「組合の地方支部長とかが集まって、組合運営会議なの。だからみんな今日だけは、邪魔しないように気を使って組合の中をうろつくのを控えてるのよ」

「なるほど、道理で」

 タスクが作り置きしてあった、果物を絞ったジュースを持ってやってくる。そしてカウンターの上にグラスを置くと、自分は頬杖をついてじっとあたしを見た。

「オゴリな。ありがたく思え」

「サンキュ」

 あたしは嬉々としてグラスのジュースを一気に半分くらいまで飲んで息を吐いた。


「そういや、こないだの洞窟の件はどうなったんだ?」

 こないだの洞窟っていうのは、タスクを古代文字解読要員として同行させた依頼の事。

「うん。あんたが魔鏡の呪いってやつを解除したみたいだし、他のチームに残った魔物の駆除させて、もう安全っていうのは依頼主に連絡済みだよ」

「正確には解除したんじゃなくて、魔力を全て吸収しただけなんだけどな」

「うん。詳しくは分かんないけど、タスクが危ないもの全部吸い取っちゃったんでしょ? ならもう危険はない訳じゃない? 依頼成功ってね」

「お気楽だなぁ。俺が魔術師じゃなかったら、あの時全員死んでたんだぞ」

「だからあたしは簡単には死なないって」

「はいはい。お前が化け物なのは分かったから」

 タスクは掌をひらひらさせて気だるそうに言う。そして。

「……魔術師だなんて、俺も似たようなモンだけどな」

 ポツリと呟く。

「ん? なんか言った?」

「いや何でもない。依頼こなしたんだから、給料はいつ貰えるんだって聞いただけだ」

「へ? ……ああ、そっかそっか。お給料だ。あんたはあたしたちと違って普通の組合員だから、お給料必要なんだっけ」

 タスクの頬杖がカウンターを滑る。

「ちょっ……お前もしかして、俺の給料忘れてたとか言うんじゃないだろうな!」

「ごめーん。あたしは補佐官のついでに冒険とか依頼こなしてるし、ジュラとコートはどっちも特例で組合にいるしで、あたしのチームが動いても、基本、お給料の計算ってしないのよ。必要に応じて現物支給みたいなもんだから。いやー、あんたがいたの、すっかり忘れてたわ」

「おいこら! 俺が言わなかったらそのまま踏み倒す気だったんだろ!」

「踏み倒すだなんて人聞き悪いわね! だからごめんって謝ったじゃない! あとで事務に伝票出しとくから!」

 やー、まいったまいった。本気でタスクのお給料の事なんて、頭からすっぽ抜けてたわ。次やっちゃったらまたガミガミうるさそうだから、ちゃんと気を付けておかないと。


「ったく……頼むぜ、補佐官様よ」

「あー、それ。その補佐官。今日だけはあたしは補佐官じゃなくて元締め代行ね。元締めが留守だから、今この組合で一番偉いの、あたしだから」

「自分勝手なワガママお嬢に元締め代行が務まるのかねぇ」

 タスクが呆れたように呟く。

 こいつの皮肉、普段ならあたしは逆上するか、からかい半分に乗っかるとかするんだけど、でも今日だけはそんな気分にならなかった。あたしが黙っていると、タスクがきょとんとしてあたしを凝視する。

「……珍しく言い返してこないんだな? 調子悪いのか? 熱でもあんのか?」

 タスクの手があたしの額に乗せられる。

 タスクって、あたしとはホントによく言い争いになるんだけど、でも根はすっごくいい奴なんだって、このたった数日であたしは理解していた。今だってそう。普段とちょっとだけ違うあたしの事をちゃんと気遣って、心配してくれてる。

 あたしはタスクの手をどけて、肩を竦めて見せた。

「体調が悪いっていうか、会議でね。苦手な奴がいるの。そいつと顔を合わせなきゃなんないかと思うと、ちょっとだけ憂鬱でね」

「体調が悪いとかってのなら、美味いもん食えば元気になるが、苦手な奴っていうか、精神的にキてるのは俺じゃどうしようもないからな……頑張れって応援もキツイよな」

 そういってあたしの頭をバンダナの上からくしゃくしゃ撫でつつ、気の毒そうな表情をする。

 コートの時もそうだけど、どうもタスクはこうやって無意識に人の頭を撫でる癖があるみたい。あたし、子供扱いされてるのかな?

 でも心配されるのもこう頭を撫でられるのも悪い気はしない。タスクって気の強いあたしとタメ張れるくらい物事にムキになっちゃう子供っぽいところもあるけど、年上っぽい気質っていうか、保護欲っていうのかな。そういう人の好さや面倒見の良さが滲み出てる気がする。

 だから……いい奴なんだと思うよ。

「ね、タスク。頼みがあるんだけど」

「なんだ?」

「ジュラとコートの晩ご飯、とびっきり美味しいの作ったげてよ。いつも一緒のあたしがいないと、きっと二人とも寂しがるだろうからさ」

「それくらいならお安いご用だ」

 タスクが目を細めて笑う。

「じゃあお前も会議が終わったら俺に声かけろな。飯、作っといてやるから」

「あ、嬉しいな。それ」

 あたしは素直に笑って答えた。

「それじゃ、あたしそろそろ行くから。ジュースご馳走さま」

 あたしは残りのジュースを一気に飲み干し、グラスをカウンターに置いて手を振った。タスクが軽く手を挙げて応えてくれる。

 ふふっ。今日は喧嘩しないで話せたね。


       2


 ジュラさんとコートに飯を食わせ、俺は二人を食堂の入口から見送った。コートはジュラさんの影に隠れるように、何度もチョロチョロと俺を振り返っていたが。

 絶世の美女であるジュラさんに負けず劣らず、部屋に置いて飾っておきたくなるお人形さんのような愛くるしさ満点のコートは、十人中十人は騙されてるであろう美幼女の姿をした実は性別・男。正真正銘、美女ジュラさんの歳の離れた弟だ。

 その美幼女と見紛う容姿を持ちながら、超が付くほどの臆病で内向的な性分とは反対に、はた迷惑なほど非常に惚れっぽく、しかもソッチの気もあり、どうやら俺は奴の好みにクリーンヒットしているらしい。

姉であるジュラさんとチームメイトのファニィ以外とはまともに会話できない程のあがり症で内気な性格のために、今のところ息苦しいほどの熱視線を向けられる以外は人畜無害そのものだが、その熱視線が俺にとっては精神衛生上あまりよろしくない。もし内気が強気に変貌したらという恐ろしさのためだ。いや、コートに限ってそれはないと思うが万が一。万が一な。

寮に戻った二人の姿がようやく見えなくなり、俺ははぁと溜め息を吐いて厨房へと戻った。そして会議で疲れているであろう、ファニィのための夜食を作る。

ファニィは黙っていればそこそこ可愛げもあるんだが、口と性格の悪さで充分過ぎるお釣りがくる。いやむしろペラペラとよく回るあいつの達者な口と勢いに圧倒されてしまう。

でも根はそんなに悪い奴じゃないって事は、この数日でなんとなく分かっていた。だからこうして飯を作ったり世話をしてやっても嫌じゃないんだな。

厨房チーフも寮に戻ってしまい、俺は一人で厨房で暇を持て余す。鍋は磨いたし、明日の仕込みも終わってるし、他に特にやるべき事はない。

 埃が被らないように布を掛けているファニィ用の夜食を横目で見て、俺は腕組みした。

会議、随分遅いな。まだ時間かかるんだろうか?

俺は組合の会議室へ向かい、様子を伺う事にした。このまま厨房で待っていても、ただ時間が無駄なだけだしな。

 会議室の側まで来た時だった。罵声とまでは言わないが、男が一方的に誰かを責めている声を聞いた。


「まだお前なんかが組合を仕切っていたのか!」

 会議室からではない。なぜなら会議室はとっくに灯りが消えて真っ暗だったからだ。

 俺は声を辿るが、強い風音が窓を叩くせいでいまいち声の出所が掴めないでいる。諦めようとも思ったが、何か嫌な予感がして立ち去る事ができない。俺はそのまま声の主を探した。

「……女のくせに……それも魔物との混血のくせに」

 魔物との混血? ファニィの事か?

 広い組合の建物内を歩き、俺はゆっくりと、気配を殺したまま声に近付く。

「血の繋がりもない、魔物の血を濃く引くお前は、どんな言葉でどんな取り入り方をして、ここにいるんだ?」

「……ごめん……なさい……」

 ファニィの声だ。

 何者に対しても自分の意思を曲げたり屈したりしないファニィが、見知らぬ男に一方的に言いくるめられていた。ファニィは一切口応えせず、ただひたすら、震える声音で男に対して謝っている。

 あの気丈なファニィが一言も言い返さずに、怯えた様子で従順に詫びの言葉を繰り返しているだけなんて……まさか弱みでも握られているのか?

「お前の居場所なんて、ここにはないんだよ!」

「ごめん……ごめんなさい。でもあたし、ここを追い出されたら行く所がないの。だから……」

「だったら跪いて、ここに置いてくださいと懇願してみろよ」

 男はファニィの肩を突き飛ばし、あからさまな敵意を剥き出しにして無茶苦茶言ってやがる。さすがのファニィも反論するかと思いきや、ファニィは震えながらゆっくりと両膝を床に着いて項垂れた。

「あ……あたしを……」

 俺の認識は間違っちゃいないだろう。ファニィはあの男に弱みを握られている。だから従順にならざるを得ないんだ。

 弱みを握って人を、女を虐げる。男の風上にも置けない腐った野郎だ! ファニィより俺が先に頭にきた。


「ファニィ! そんな奴に頭を下げるな!」

 声を荒げて飛び出し、男の前で膝を折っているファニィの腕を掴んで無理矢理立ち上がらせる。そしてファニィから手を離し、そのまま男の面を力任せに殴りつけてやった。

「タスクッ?」

「ファニィに何をさせようって言うんだ! この腐れ野郎が!」

 もう一発お見舞いしてやろうかと思った刹那、ファニィの平手が鋭く俺の頬を打った。

「下がりなさい、タスク!」

 は? なんで俺がひっぱたかれなきゃならないんだ?

 目に涙をいっぱいに浮かべたまま、ファニィが男を庇うように立ち塞がる。

「ファニィ! なに混乱して……」

「下がりなさいと言ったの! 命令よ!」

 ファニィが悲鳴のような声で叫ぶ。そして恐る恐る振り返り、男の顔を見た。

「……ご、ごめんなさい……あの……ヒース。彼はまだウチに来たばかりで、あなたの事を知らなくて……その……怪我して……ない?」

「卑しい魔物の配下には、愚かな男がお似合いだな」

 ヒースと呼ばれた男が、俺を侮蔑するかのような目で見る。そしてファニィの髪を掴んで自分の方へと引き寄せる。

「自分の下僕はしっかり教育しておけ。下衆な魔物の混血め」

 吐き捨てるようにそれだけ言い残し、ヒースは立ち去った。残された俺とファニィは、無言のまま立ち尽くす。

 はっと我に返った俺は、ファニィに詰め寄った。

「なんであんな奴の言いなりになってるんだよ!」

 俺が怒鳴り付けると、ファニィもやっと我に返ったかのように、目元をぐいと拭っていつもの強気な表情になる。

「なんて事してくれたのよ! 馬鹿タスク!」

「ば、馬鹿って……俺はお前が弱み握られて、扱き下ろされてるように見えたから加勢してやったんじゃないか」

「余計なお世話よ!」

 ファニィは声を詰まらせ、再び目に涙をいっぱいに浮かべる。それを見られまいとしたのか、クルリと俺に背を向けた。

「もういいから……忘れるの。いいわね?」

「どういう事だよ?」

「この事、ジュラとかコートとか、他の誰かに言ったら、あんたホントに組合から放り出すからね!」

 それだけを早口に言うと、ファニィはヒースと逆方向へと駆けて行った。

 どういう事なんだよ? あのファニィが俺の前で泣いただと? それに忘れろったって、そう簡単に忘れられる訳がないだろ。

 悶々としたまま厨房へ戻ったが、ファニィはいつまで待っても夜食を食いには来なかった。それどころか、翌日から明らかに俺を避けるようになったんだ。

 食堂にも顔を出さないし、廊下で俺を見掛けようものなら、全力で反対方向へ走って逃げやがる。そんなにあの出来事が知られたくなかったんだろうか?

 胸の奥に何かが詰まったような、とにかく歯切れの悪い鬱屈した気分のまま、俺は厨房のバイトをしながらファニィがやってくるのを待った。


 あの一件から二日。組合の運営会議とやらも終了し、地方支部長たちがパラパラと帰り始める。組合員たちもようやく日常が戻ってきたように、食堂に顔を見せ始めて少し煩わしいほどの活気が戻ってきた。

 昼食前の仕込みをしていた時だ。俺は厨房チーフに促されて注文カウンターへと向かった。そこにはいつも通り、ジュラさんとコートがいる。

「こんにちは、ジュラさんにコート。今日はヒラメの煮付けが美味いですよ」

 寮住まいのジュラさんとコートは毎日毎食、食堂へ飯を食いにくる。いつもならファニィが三人分をまとめて注文しにくるんだが、あの一件以来ファニィは食堂へ顔を出していないから、ジュラさんとコートが二人だけでやってくるのが常になっていた。

 少しとぼけたジュラさんは何でも美味いと言うし、内気なコートは俺が勧めたものはほとんど嫌と言わないし。なので俺はその日の自分の自信作を勧めるようにしていた。

 二人分のヒラメの煮付けを準備し、俺は皿を二人の前に置いて、自分も向かいの席に座った。コートが驚いたように頬を染めて俺を見ている。そりゃそうか。いつもなら飯を置いたらすぐ、次の注文に備えて厨房に帰っちまうし。

「ちょっと二人に聞きたい事があるんですけど」

「とても美味しいですわよ、タスクさん」

「いや、味の事じゃなくて」

「まぁ! でしたらデザートもご用意してくださってるんですの? とても楽しみですわ」

 いつも通りジュラさんは食い意地の張った早とちりなボケをかましてくる。駄目だ。ジュラさんじゃ、やっぱり話にならない。かといって、コートとちゃんと会話が成立するかねぇ?

「コート。お前、組合の人間については詳しいか? 地方支部長とか」

「……は、はいっ……あの……ぜ、全員ではないですけど……ちょっとだけ、なら……知って、ます……」

 注意しておかなければほとんど聞き取れない程の、蚊の鳴くような細い声だが、とりあえず意思の疎通はできそうだ。俺はちょっとだけ安心した。

「じゃあさ。ヒースって、どういう奴なんだ?」

「あら、どこかで聞いたお名前ですわね。コート、どなたでしたかしら?」

 ジュラさんが口の中の物を飲み込んでから、コートの顔を覗き込む。ジュラさんが話に絡んできて、まともな会話のキャッチボールが可能だろうか? 恐ろしく不安だ。でも悪気がある訳ではないから無視はできない。

「ヒース、様……は……あの……エルト方面の組合支部長様で……ふ、副元締め様、です」

 副元締め? そんな奴がいるなんて俺は知らなかったぞ。副と付くからにはファニィの上司かすぐ下の部下か……どっちだ? 補佐官より偉いのか?

「補佐官とどっちが上だ?」

「え、えと……立場で言えば……ファニィさんの上、です。あっ! で、でもお仕事は……ファニィさんの方が……で、できます」

「無能な上司と有能な部下って事か?」

「あ、いえ……その……ヒース様、は……元締め様のご子息様、なんです」

 なるほどね。だから立場はファニィより上という訳か。でもあの元締めに息子なんていたのか。

「じゃあファニィはヒースの妹か?」

「しょ、書面上では……」

「書面上?」

「ファニィさん、あの……元締め様の養女、なんです」

 ようやく繋がった。

 似てない親子だとは思ってたが、ファニィが元締めの養女なら似ていなくても納得だ。そういえばファニィは洞窟調査の時、両親を実父と実母という言い方をしてたな。えーっと、ダンピールの親父さんと、マーメイドのお袋さんだっけ?

 だからあの夜、ヒースはファニィに対して「血の繋がりのない」だとか、「上手く取り入った」とか、挙げ句には「ここにはお前の居場所はない」とかほざいてたんだな。


 あくまで俺の予想の範囲でしかないが、ヒースにしてみれば、仕事のできる養女のファニィが疎ましいんだろう。自分は父親の元から離れて支部長をしていて、血の繋がりのない妹が、組合の補佐官という立場で組合を取り仕切っている事が面白くないんじゃないか?

「ヒースって奴が元締め様の息子なら、本来ならヒースがこの組合の補佐官をしていてもおかしくないんじゃないのか? 副元締めなんて肩書きを持ってるくらいなら」

「え、えと……それは……」

「うふふ。ヒースさんは組合の皆さんに嫌われていますの。いつも不遜な態度なんですもの。コートもいつもいじめられていて、わたくし一度メッて叱って差し上げた事がありますのよ」

「ねっ、姉様! それはあまり大きな声では……」

 コートが慌ててジュラさんを止める。そして周囲を伺ってから、小さな声を更に小さくして俺に話し掛けてくる。

「……ヒース様は、お仕事の能率も……その……あんまりよくないんです。人望も……ちょっと……」

 ははぁ、そうか。ファニィは性格に一部問題はあるものの、仕事に関しては有能な補佐官だし、組合のみんなから人気もある。遊んでいるようにも見えるが、あいつの仕事量は驚くほど多い。それをきっちりこなしつつ、空いた手で、組合員で回し切れない依頼をも片付けているんだから、その実力は相当なものだ。

 元締めからしてみれば、仕事のできない実の息子より、仕事のできる養女を側へ置いていた方が、自分も組合の運営をやりやすい。それがヒースには更に面白くない、と、多分そういう訳だろう。

 だから立場上、口応えできないファニィをこっそり弄っては憂さ晴らししていたんだ。ファニィはあの時ヒースの命令に従順にしてはいたが、悔しそうに震えていたもんな。


「……あの、タスクさん」

「ん?」

 コートがもじもじと小さな体を更に小さくして俺に問い掛けてくる。

「……ヒース様が……どうかなさった、のですか?」

「あ、いや。何でもねぇよ。たまたまヒースって名前を聞いて、ちょっと気になっただけだよ。昔の知り合いに似たような名前の奴がいたんでね」

 俺は嘘を吐き、席を立った。

 二人に悟られちゃいけない。ファニィが誰にも言うなと泣きながら『命令』するくらいなんだから、他にもまだ何かあるのかもしれない。

「そ、そう、ですか……あの……僕なんかが、差し出がましいお願いですけど……ヒース様を誤解しないでくださいね」

「……?」

 コートはぺこりと頭を下げ、不器用な手付きでヒラメの煮付けを食い始めた。

 それを確認した俺は厨房に戻るフリをして、そのまま隠れるように食堂を出た。そして大急ぎで組合の執務室へ向かったんだ。


       3


 乱暴されたのか、頬を押さえたままファニィは蹲っていた。いつも頭に巻いているバンダナは外れて傍へ落ちている。

 そして、そんなファニィを、ヒースは複雑な表情のまま見下ろしていた。

「……ファニィ……」

 俺の声に驚いて、ファニィが肩越しにこちらを振り返る。虹彩の長い赤い目が、いつもより鋭く爛々と輝いている。そして俺を見つけた途端、慌ててバンダナを拾い上げて頭に巻き付けた。

 あれ? なんかファニィの雰囲気が違って見えたような……。

「な、何しに来たのよ! 勝手にここに入ってきていいと思ってるの?」

 雑音の混じる声。だがファニィはすぐに喉を鳴らしてもう一度声を張り上げる。

「出て行きなさい!」

 いつも通りの声だった。今の……何だ?

「また、何かされたのか?」

「あんたに関係ないでしょ!」

「そうだ。下っ端には関係ない。出て行け」

 この前みたいに手を出したら俺の負けだ。この腐りきった根性のひん曲がっているヒースの野郎は、徹底的に言葉で叩きのめしてやらなきゃならない。

「ヒース。てめぇはファニィを疎んで、ファニィをなじってるんだろう? 立場上、抵抗できない事を知った上で」

「……はあ?」

「とぼけるな。ファニィを弄ってる姿、俺は二度も見てるんだ。今更言い逃れするのは男として情けないぜ」

「……フン」

 ヒースがまた逃げるつもりなのか、執務室から立ち去ろうとする。俺は奴の腕を掴んで引き止めた。

「逃げるのか?」

「逃げる? このおれが? お前のくだらない話に付き合ってられないだけだ」

「それを逃げるって言うんだよ」

 ヒースが俺を睨み付けてくる。初めて明るい場所でヒースの顔をまじまじと見たが、どうも俺は奴の言動に違和感を覚えた。

 ファニィを弄っていたのだから、そりゃキツい顔をしているんだろうと思っていたが、元締めと同じとび色の目はどこか泳いでいて、醸し出す雰囲気がどこか弱々しい小動物のような、小者が精いっぱい虚勢を張っているような感じなんだ。俺が掴んでいる奴の腕も、どうも小刻みに震えているようで、癖のない赤毛も僅かに揺れている。


「お前……」

「離せ!」

 ヒースが俺の腕を振りほどく。そして舌打ちした。

「逃げる訳じゃない! 魔物との混血なんかと同じ部屋の空気を吸っていたくないだけだ!」

 それだけ叫び、ヒースは執務室を出て行った。俺は奴を追おうとも思わなかった。なぜならあいつは……弱い。弱さを見せないように、偉そうな言葉と不遜な態度で武装して、ただ虚勢を張っているだけだと分かったからだ。まさに小者が、副元締めという肩書きだけに縋って偉ぶっているだけなんだ。

 ジュラさんが言っていたな。ヒースは組合の連中から嫌われてるって。そりゃあんな態度を取っていたら当然だ。普通は元締めの息子だというだけで、相応の尊敬を集めるものだ。だが実際は逆。

 組合の連中はヒースを嫌っている訳じゃない。腹の中で笑っているんだ。小動物が虚勢を張る仕種がおかしくて笑ってるんだ。だが腐っても元締めの息子。真実を口に出しては言えない。だから嫌う、つまりは避ける事によって接触を拒んでいるんだ。

 事実を知ってしまえば、あいつは憐れなだけの男だとしか思えない。


「……出て行きなさいって……言ったのに……」

 弱々しい声音でファニィがポツリと呟いた。そしてさっき乱雑に巻き直したバンダナを、しっかりといつも通りに締め直す。

「ファニィ。お前はヒースに何を遠慮しているんだ? 実子だからか? お前が養女だからか? この組合は実力主義なんだろ。なら実力のあるお前がヒースに遠慮する必要なんて何もないじゃないか」

「タスクには関係ないじゃない」

「関係なくはないだろ。俺たちは仲間なんだから」

 俺の言葉に、ファニィがすかさず牙を剥く。

「誰が仲間ですって? ただ一度だけ、一緒に仕事しただけじゃない! 確かに組合って意味では仲間かもしれないけど、あたしがあんたと親しくしてるのは、コートもジュラもあんたを気に入ってるからよ! あたしはそれに付き合ってやってるだけ! 図に乗らないで!」

「図に乗ってた事は謝るよ。悪かった。でも俺はお前がなじられて弄られてる姿なんて見たくない。脅されて従順にならざるを得ないお前を見捨てておける程、俺は割り切れた大人なんかじゃないんだ」

 俺が言うと、ファニィが声を詰まらせた。のろのろと立ち上がり、おそらく殴られたんであろう、頬を押さえる。

「……あたしは……脅されてなんかないよ」

 ファニィが濡れた目で俺を見上げてくる。そしてゆっくりと口を開いた。


「……ヒースのママを……元締めの奥さんを殺したの……あたしの実父なんだ」


 苦しそうに、ファニィが言葉を続ける。

「あたしの実父はダンピールで、元締めはそれを追うハンターだった。だけど実父は人を襲うような人じゃないって分かってから、二人は親友になったんだって。それからずっと交流があって、お互い結婚して、あたしやヒースが生まれて……だけどあたしがずっと小さい時。あたしの実父は突然ヒースのママを襲って殺したの。理由なんて分からない。あたしは小さかったから、何が起こってるのかよく分からなくて、部屋の隅でずっと震えてて、気付いたら、元締めが泣きながらあたしの実父の傍に立ってた。その時もう、実父は死んでた。たぶん……元締めが人を襲った魔物として、処分したの。それからの事はよく覚えてない。あたしの実母はいなくなってて、一人で残されたあたしは元締めに『ワシの娘になりなさい』って言われてよく分からないまま着いていって、今に至るわ。なんとなくだけど、あたしは思う。あたしの実父は魔物化したんじゃないかって。だからヒースのママを襲ったんじゃないかって。元締めは魔物化してしまった親友を止めたんじゃないかって。だからヒースがあたしを恨むのは当然だし、あたしの罪の意識がヒースに逆らえないでいる。脅されて従っている訳じゃないの。これはあたしの意思だから。魔物との混血であるあたしは……みんなに疎まれて当然だから。今の状況が恵まれすぎてるの。一見みんなに慕われてるけど、でも本当の心なんて分からない。あたしは自覚してる。あたしの血は疎まれ蔑まれる血であるって事」


 俺は何て声を掛けていいのか分からなかった。魔物との混血であるというファニィの苦しみは俺には理解できないし、自分の親が誰かを殺してその逆恨みで誰かに恨まれるという経験もない。

ただ一つ俺が共感できるのは、本当の味方がいないという事。俺が魔法使いではなく、魔術師だから、俺はジーンではいつも一人ぼっちだった。死の術を操る魔術師であるというだけで、俺は家族以外の誰からも嫌煙されていた。

 それと同じなんだろう。魔物との混血という十字架を背負ったファニィの孤独は。

ファニィがいつもジュラさんとコートと一緒にいるのは、あの二人がファニィのただ二人だけの理解者だからだろう。ファニィもそれが分かっているから、二人といつも一緒にいる事を好んでいる。

 俺はつい、ファニィを抱き締めていた。あの小憎らしいファニィが憐れで、だが俺と同じ立場なのだと知って、そしてそれらを全てひっくるめて、ファニィが愛しくて堪らなくなっていたんだ。

「……お前が遠慮する理由は何もない。本当にお前が疎まれる存在なら、元締め様だってお前を許しはしていない。お前が魔物との混血である事実を受け入れて、それでいてなお、お前を傍に置いてるのは、お前が親友の忘れ形見である以前に、お前を本当の娘として思ってくれてるからだよ」

「でもあたしは……」

 俺の腕の中で、ファニィはしおらしくしている。そしてぎゅっと目を閉じて俺の服を掴んだ。

 やっぱりファニィは……可愛いと思う。俺、ファニィをすげぇ気に入ってる。ファニィとつまらない事で軽口を叩き合い、笑い合っている事がこの上なく楽しい。ファニィという存在が、俺の中で大きくなってきている。

 今更とか、なんでとか思うけど……俺はこいつに惚れてるんだと思う。

「……俺……お前が……」

 いきなりだとは思ったが、俺は感情のままにファニィに想いを告げようとした。だが、ファニィは片手で俺の口を押えて俺の言葉を遮る。

 俺を見上げながら、ファニィははにかむように笑っていた。

「……それ以上言ったらコートがヤキモチ焼くよ」

「なんでこの状況でコートの名前が出てくるんだよ」

 俺は気まずくなり、ファニィを解放した。そしてファニィに背を向け、腰に手を当てる。

 クソ……俺、なに先走った事してしまったんだろう。ほんのついさっきの事だけど、思い出すだけで顔から火が出そうだ。


「ふふっ。タスク、ありがと」

 ファニィが俺の背にポンと手を置く。

「ヒースの事、とりあえず元気になった。あたしの覚悟も決まった。あんたには感謝してる」

「お、おう……」

 ファニィの顔はとても見られるような気分じゃなかったが、でもその声はいつもの明るい声だった。自分で言ったように、俺の言葉をきっかけとして、ファニィの中で気持ちが整理できたんだろう。

「補佐官として命令を一つ」

 ファニィが俺を残して執務室の出口へと向かった。そして扉の前で足を止める。

「今日あった事、誰にも言わないように。特にコートに知られたら、あんた泣かされるわよ」

「……は?」

「ふふっ。つまり、二人だけの秘密だよって事」

 ファニィは一度だけ振り返り、可愛らしく微笑んで片目を瞑った。そのまま執務室を出て行ってしまう。

 俺がコートに泣かされる? そりゃあ、お気に入りである俺がファニィに告白未遂したなんて言ったら、コートは嫉妬してわんわん泣くだろうが、間違っても俺がコートに泣かされるような事になるとは思えない。あのチビで内気な小僧に。

 ファニィの意味深な言葉と、二人だけの秘密という、胸がざわめくような言葉に混乱した俺は、平常心を取り戻そうと大きく深呼吸した。


       4


 ファニィさんに呼び出されて、一緒に組合の談話室へ向かう途中でした。ちょうど食堂の前を通り過ぎようとした辺りです。

 偶然廊下ですれ違ったヒース様に、ファニィさんはいきなり足払いを仕掛けたのです。そして転倒なさったヒース様に、トドメの蹴りを。

 元々行動の読めないかたでしたが、何もしていない相手にいきなり手を挙げるような事は今までありませんでした。あ……今回は足ですけれど。

僕は驚いて姉様の影に隠れます。するとヒース様の悲鳴を聞いて、厨房からチーフさんとタスクさんが飛び出していらっしゃいました。


「まぁ、ファニィさん。いきなりどうなさったんですの?」

「ファニィ、お前なに仕出かして……」

 姉様とタスクさんが、仁王立ちしているファニィさんを見て声を掛けます。そして状況が飲み込めていないヒース様は、尻餅を着いたまま目をパチクリさせてファニィさんを見上げていました。

「ヒース! 今日この場ではっきり宣言させてもらうわ!」

 騒ぎを聞き付けた組合の皆さんが集まっていらっしゃいました。ファニィさんとヒース様を中心に、人の輪が出来ます。

「もう金輪際、あんたにおとなしく従う気は、あたしにはこれっぽっちも無いから!」

「ファニィ! 貴様、魔物との混血のくせに……ッ!」

「ええ、そうよ。あたしは魔物の血を持って生まれてきたわ。だからあんたなんか、その気になれば簡単にぶちのめせるの。どんな武器持ってきたとしてもあたし、死なないから。どう? もう一発くれてあげようか?」

「くっ……」

「だけどその魔物との混血に、あんたは組合の仕事取られてるじゃない! それはあんたが無能だから! あたしが有能だから! あんたが出来損ないだから、あんたは地方に左遷されてるんじゃないの!」

「左遷って言うなーっ!」

「はぁ……おとなしくしてるのももう疲れちゃった。だからこれからは、あたしがあんたを一人前になるよう、ビシビシ鍛えてあげる。これからはあたしの言葉に従いなさい!」

 ファニィさんがヒース様の鼻先に指を突き付けます。

「まずは体力付けてらっしゃい。仕事の話はそれからよ」

「ファニィ! おれは……」

「それと!」

 ヒース様の言葉を遮り、ファニィさんはヒース様を助け起こしました。そしてニッと笑い掛けます。

「もう情けない姿晒すのやめなさい。あんた昔っから全然変わらないんだから。好きな子いじめる癖」

「なっ……」

 ファニィさんが掴んでいたヒース様の腕を引っ張って、自分の方へと引き寄せました。そしてツンと唇の先で掠めるような短いキスをします。

 わっ……こんな大勢の前なのに……。

「ファニィ、お前なに……ッ!」

 タスクさんが上擦った声をあげて狼狽なさいます。え、タスクさんが? どうしてでしょう?

「あんたが相手をいじめればいじめるだけ、その子の事が好きで好きでたまんないのはもうバレてるの。引っ越しちゃったあの子とか、ね?」

「う……お、れは……」

「大丈夫、安心しなさい。あたしもあんたが好きだから。今は書面上、あたしとあんたは兄妹だけど、実際の所は他人なんだから問題ないでしょ。あんたがあたしを好きでも、あたしがあんたを好きでも」

「ファニィ、お前ヒースに遠慮とかしてたんじゃ……」

「ああ、それね。してたわよ。だって書面上は兄と妹だし」

 ファニィさんがタスクさんに向かって親指を突き立てます。

「でももう遠慮するのやめる。あたし、ヒースと本気で付き合う事にしたわ」

 ヒース様が真っ赤になって口をパクパクなさっています。ファニィさんの言葉に驚いているようでした。

 僕もちょっと驚きました。姉様は……あまりよく分かってらっしゃらないのだと思います。

「組合の支部で体力付けて戻ってきなさいよ。そしたらあたしがこっちの仕事、ビシビシ教えてあげるから」

「お、お前なんかに教えてもらわなくたって……ッ!」

「自惚れないでよ、能無し!」

「のうなっ……こ、この根性悪女が!」

「その根性悪女の妹に、マジ惚れしてくれちゃってるのはどこのどいつよ?」

「くっ……」

 ヒース様がファニィさんの手を振り払い、逃げるように人垣を掻き分けて駆けて行かれました。ファニィさんはそれを見送ってから、注目を集めるように手を打ちます。

「みんな、こういう事だから、これからはあんまりヒースをいじめないでやってね。あいつの負け犬根性はあたしが叩き直してやるから」

 ファニィさんが高らかに宣言すると、わっと歓声が沸き起こりました。僕は姉様のドレスにしがみ付いて姉様を見上げました。姉様は相変わらずにこにこしていらっしゃいます。

「よーし。これで全部ケリが付いたわね。あ、タスク。談話室に飲み物三つ」

 ファニィさんがウィンクしてタスクさんに飲み物を注文しました。タスクさんはずっと呆けていらっしゃいます。

 確かに僕もちょっと驚きましたけれど、タスクさん、どうなさったんでしょう? ファニィさんの幸せを素直にお祝いできないのでしょうか?

 えへへ。僕が言うのもおかしいですけど、そういうの、ちょっと子供っぽいですね。でもそんなタスクさんもいいと思います、僕。

「ジュラ、コート。行くよ。次の仕事の話だからね」

 ファニィさんはとびっきりの笑顔で歩き始めました。僕は姉様と手を繋ぎ、幸せそうなファニィさんを追い掛けました。

 ファニィさんって、本当に素敵な人です。僕、姉様の次にファニィさんを尊敬します。


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