入社式01
久しぶりに投稿を再開します。練習小説なので、トンでも物語が発動する危険性がありますのでよろしくお願いします。
相変わらず縦読み推奨です
今から十五年程前だろう。
突如一世風靡して、多くの人達を恐怖のどん底までに追いやった小説作家が存在した。
彼のやり方はどんなノンフィクション作家の書き方、やり方を凌駕していて、容赦なくネタを掴む為勝手に相手のエリアに侵入したり、真実を手に入れる事なら暴力すらも躊躇することなく行使する。
文学界初のおぞましい男。
悪魔。
ヤクザ。
狂乱者。
など、各業界から言われ。批判されては、その分反撃して震撼させた。
株の買い取り。
世論操作。
製造所買収。
社会、政治を一気に混乱させ、その度多くのファンから支持され威力拡大して行った。
挙句の果てには本人が居た出版社すら手中に治め、完全に制御不能になった・・・と、誰も思ったが、彼は忽然とその姿を消した。
当時の関係者達は口をそろえて言う。
「彼を文学界から追放したと」
編集部及び、社会に不安と混乱起こしたとはいえ、彼の存在が渦中の希望出版社を大きくさせ、民事再生法適応寸前の負債から中堅企業の地位を手に入れるまで、貢献した作家に対して言う言葉ではない。
利用していたが、おまりにも大きくなりすぎて、利用される側になってしまった。
当時、この作家に勝るいなかったと言える。まぁ、例える、例える者があればも少しいい事いえるがこれが限界だ、悪い!
彼は間違いなく天才だった。
今、ツイッター、フェイスブック等存在するインターネット時代。その反対、全く存在しない時代で、彼は日本、世界の世論を手にした。
人間が持つ怨嗟を掴めば、万国で成功を掴める。
復讐を肯定すれば、皆が読む。
馬鹿がいう事に、馬鹿だと言えれば勝手についてくる。
彼が口を開く事に言われた言葉。
確かに人間が持つ感情の一つ、彼が言った事多分共感を掴めと言う事だろう。
的確な文章と、パホォーマンス。
作家ならぬ集団行動。
当時は彼の思考に翻弄されてばかりで、当事者は絶望に混乱、時には彼らの神様すら滅ぼす。
彼は今どこに?
彼が消えて十五年。今は静かに小説家を目指す人を見守る事に尽力する「希望出版社」に、もうすぐで十六年目が訪れる春。
当時の会社から
場所を変え、新設された新た場所で新たな歴史を綴る。
彼がここに居た事を忘れようとしているのか? それとも・・・新たな彼を求めているのか?
都内一角にあるオフィス街に真新し、白を基調としたビルが新設された。地上五階、地下二階の縦長い建物。
ほぼ全ての人が出入りする中央出入口に小さくともはっきりと「希望出版」と、書かれている看板が、大手の仲間入りした事を強調している。
と、その隣に「入社式」と書かれてるまた即席の看板が立てつけられている。
今日は、希望出版社創立して十八年目の入社式。
新調された着こなしてないスーツを身にまとった若者達が社内へと流れ込んで行く。
その流れに紛れ込むように一人の女性、いや女の子と言った方が良いかもしれない。
大卒にしては若干童顔、低身長の彼女が社内に入り、文芸編集部への入社の方はと、矢印が描かれている案内版を見てその通りに廊下を歩き、受付にたどり着く。
全身ブラックスーツを着こなす男性受付から質問を受ける。
「配属先、お名前を」
「浜崎真美。文芸編集部です」
ハキハキと答える。
「このバッチと名札、社員証、ケースをどうぞ。この廊下の奥が会場です」
「ありがとうございます」
お礼を言い、伝えらえた方へ向かう。
シルバーに輝くバッチには社名が書かれていて、これも社内で使える身分証の一つ。社員スーツのネクにある小さな穴に差し込む。
名札と一緒にもらった本身分証は名前と写真付き、部署ごとにタッチ式の身分確認器機があり、ロック解除する為と、警報鳴らされないためだと先日の説明会で聞かされた。
名札を右胸にある引っかける所に付け、社員証を透明ケース入れ、黒い紐を伸ばして首にかける。
最後までピッしと決めるといきこんでいたのに、廊下の途中にある全身鏡には口元が緩んでいる私が居た。
一旦通り過ぎたけどすぐに引き返して顔を見直し、整える。化粧崩は問題ないから安心する。
再び歩きだし建物奥にある会場目指す。
人通りは多く、一本道で迷うことなく会場にたどり着く。ご親切に「会場」と縦長のホワイトボードに書かれていて、一際大きい扉の存在が間違いないと教えてくれる。
片一方を少し開き、入ると。他の新入社員達が用意されているパイプ椅子に腰かけていて待機している。
間違いなく私の席が用意されているはずなんだけど。
会場後ろでヒントを探すと椅子後ろに社員番号が書かれたシールを見つける。これで座る場所が分かる。
一安心して照合しながら椅子を探す。四角形になる椅子の集まりにの中央に私が座る場所を見つけだす。
先に座っている仲間に頭を下げながら小さな道を進み、番号が書かれた椅子に腰かけ一息出す。
後は始まるのを待つだけ。いよいよ社会人になっていく事に現実味してきて緊張が高まってくる。
「上手く行くかな」
小さく声に出して呟く。
ドン!
後ろの扉から大きな音がした。
左右に座っている人と一緒に後ろを振り向くと、警備員とおもわれる二人の男の人がどこの課長か、部長クラスの人と焦りながら何かを伝えている。
何かが起きているのか分からないけど、異常事態が起きているのだけは分かる。しかし、これは私達には関係ない事だと思い、再び振り向くのを止めて前に向きなおす。
◇ ◇ ◇
生きて来てまたここに来るとは微塵も思った事は無かった。
希望出版社はあの時の古めかしい、耐震強度が心配になるほどのボロビルから真新しい白を強調した最新の建物になっていた。
俺も含め時代は進んでいると嫌でも実感する。
お前にはもう用は無いと、ビル自体から聞こえてきそうだがそういう訳にはいかない。今、この先生き残る最良の手段はここしかない。
一旦ビルから背を向け、茶色のコートから長方形の黒財布を取り出し、阿久明と名前と表記されている長年身分証としか効力をだしていないゴールド免許を左手で持つ。
「久々にこれの出番か」
独り言を言ってその場を離れた。
手ごろで、ペーパードライブ向けの車を貸してくれと、レンタカー店で聞いて小さな緑の車を貸してくれた
。
白か黒は無いかと、聞いたが貸出中だと言われたが、多分貸したくないのだと勝手に納得して都内を走る。 『希望出版社マデ、あと500メートル左折デス』
少し前に電機屋で練習していたお蔭かで辛うじてカーナビを使いこなし、目的の場所へヒョロヒョロと近づいて行く。
何度かクラクション鳴らされたが仕方がないだろう。ペーパーなのだから。
昔の俺ならぶん殴っていたけど、今は違う。
心の奥にある物を抑え、運転に全力を出す。
ナビはしっかりと場所まで導いてくれたが、地下駐車場までは導いてくれなかった。
『ルートから離れています。修正を』と、狂ったように叫び続ける奴の電源を切り、ビル前を半周した所で関係者地下駐車場と書かれているプレートを見つけだす。
場所が分かった安堵感と久々に感じる緊張感が同時に来た。
今、関係者じゃない俺がこの地下駐車場に入れば大体は予想が出来る。
門前払いか住居物侵入で緊急逮捕だろう。
俺が帰ってきた事を最大にアピールするにはここを強引に突破してまでも先に行くしかない。
深呼吸して、二日前にホームセンターで購入した発煙筒二本を助手席のウィンドーに挟み、固定。運転手席側も固定した。
いくら発煙筒を外に向けたとはいえ、半開きの窓から煙が侵入して来るのは必至。濡れた白いハンドタオルを鼻と口に巻きつける。
嗚呼これで不審者確定だ。
強引に二つの発煙筒を点火させ、煙幕を作り出し事故らない程度高速で地下駐車場へ突っ込む。
うおおおおお! 声に出さず叫びなら突っ込む。
前方に若い男の警備員が予想していない事態に唖然と立ち尽くしていた。チャンスだとスピード上げるが、仕事を思い出したみたく身を挺して妨害する。
轢くのはダメだ。
咄嗟にブレーキに足を伸ばす寸前で、警備員が右耳に右手を伸ばし無線機を確認してジャンプする様に退き、道を開ける。
轢く危機を脱し、地下へと突っ込んで行く。
道なりにライトで照らされ、明るくなっているが、太陽の光には及ばず無理やりつけた発煙筒の煙混じりの赤い光に負ける。
最下層へたどり着き、白車線で書かれているスペースに止めずエレベータと、階段がある場所目の前に止める。
ふぅ・・と、ため息を出そうとするが、タオルが邪魔で上手く出せない。取ったら、車内に充満始めている煙を吸う事になる。
若干息苦しさを感じながらも扉を開き、車内から出た・・・同時にけたたましいジリリリ、警報が地下駐車場内に響き渡り、スプリンクラーから放水が始まった。
天井があるのに、雨が振り出す。
「・・・・・」
流石に傘は用意してない。
やるからには徹底し、後悔しないようにと決め込んでいたが、煙と雨が心揺らがす。久々に昔みたいな事してみたが、空しさが体全体に広がる。
威勢よく登場する予定が、トボトボと惨めな親父が馬鹿をやらかし、スプリンクラーを発動させる最悪な構図になり下がる。
「オイ! 久々に現れたのにとんだ挨拶だな」
濡れながら途方に暮れそうになったと思ったが、聞き覚えのある声と同時に雨が止まる。
「!」
「あの時と近い現れ方で驚かそうとしたが失敗した感じだな。あの時以来だな阿久野」
「・・・・えーと、どちら様で?」
わざととぼけている振りしつつ、過去の記憶と照合急ぐ。見た事ある警備員のじいさんだが、制服が変わってしまって良く覚えだせない。
「わざとか、本当に忘れたのか、どっちだ」
首を右横に傾げながら近づく俺に対して質問する警備員のじいさん。こんなに親しげに話しかけるからには間違いなく接点がある筈だ。
「・・・・新人警備員。増田だ。増田哲だ。初めてここに来た時に胸倉をつかまれた俺だ。忘れていたなら承知しないぞ! 阿久野!」
身長がある程度把握出来る近さまで来た同時に、目を見開き叫びかかる。
フラッシュバック。
「あああっ! お久しぶりです」
「・・・この状況で、よくそんな事言えるな阿久野。消防、刑事、どれで処罰されたい。お前に選ばせてやるよ」
と、目をぎらつかせながら言う。間違いない完全にキレている。
想定していたとはいえ、やってしまった感が否めない。ただでさえ怒っているのにお久しぶりが不味かったかな、油注いだのかな。
怒りを鎮めてもらわないとこの人間違いなくサツに通報する人だ。こんな所で檻入りだけは避けないとマズイ。
妙案でも良い、この怒りを・・・と、考え始めた同時に、増田さんの無線機に雑音が聞こえる。
俺に向けていた視線を雨降る天井に向け、右手をイヤホンに当てながら聞き入る。俺も内容を知ろうと聞き耳たてるが全く聞こえない。無視されている感じが不安をあおる。
「・・・了解。阿久野」
天井から俺に視線を戻す。
「編集部にこの件は移った。警備課は手だ出せなくなった様だな、良かったのか、運が悪いかな」
「・・・誰だ」
「前が一番知っている人だ。俺の背中の奥ににあるエレベーターで一階で待っている。早く行け」
と、いいながら微笑む増田さん。声には出さないが口でお帰りと言う。
「・・・あれだな」
「そうだ。覚悟しろておけ、あの時とは違うぞ、幾分成長している。前でも手こずる相手になっとるからな」
通り過ぎるざまに増田さんが言う。
俺は無言のまま進み、雨が止んだ地下駐車場を行く。
◇ ◇ ◇
鼓膜を貫くような火災警報が館内に流れ、程なくしてから静かになる。
一時は全員避難になりかけたが、誤作動だと判明待機になった。一部を除き、音が鳴りやんだ同時に安堵の声が入社式会場に広がった。
私は、椅子に座りながらその一部、編集部の人達の表情を見る事が出来た。全員緊張した顔のまま、数人会場を後にする。
「えーと、ただいまの火災警報は誤作動である事が判明しました。入社式は予定より・・・」
進行役のアナウンスを聞きながら椅子を離れ、出て行った編集部の、先輩、上司にあたる人達の後を追う。興味に駆られたよりも、行くべきだと判断したからだ。
入った一番後ろ扉から出て、廊下にでた瞬間に会場との空気の差に驚いた。
重厚感、受付した時はこんな雰囲気ではなかった。言うならば重い。こんな状況に様変わりになるなんて。
「阿久野。何で帰って来た?」
戸惑っている時に声が聞こえて来た。誰も歩いていない廊下に反響して場所は解らないが間違いなく聞こえて来た。
「久しぶりじゃね―か、元気にしてたか?」
と、次に別の声が聞こえ来る。場所は、エレベーターと書かれた案内板の所から聞こえて来た。
気配を消してゆっくりとエレベーターの方に向かうと、複数の人の気配を感じる。誰かがここで話をしている。
「・・・・なにし来た? こんな騒動を起こしてる以上何もない、通りがかりとかは無いぞ」
「そんなつもりは無い。俺が帰って来た事知らしめるにはこれぐらいが妥当だと思っただけだ」
「おま・・・」
と、新たな声が聞こえた同時に静かになる。多分誰かが制したのだろうが、隠れている以上誰だが解らない。新しく入り込もうとした声以外は若くない年季の入った声なのは分かがさっぱりだ。
「落ち着け。こんな事しなくともそこの受付で編集部の人を呼べば済むだけ・・・」
「無視されるだけで話せないだろう。帰り際に襲われたい? 持ち込みで来た若者じゃないのだからな」
「阿久野そんな底辺な事するような人に見え・・・」
「一度裏切った人間を信じろと、言っても信じれるわけがない。燻りだすのが得策だ」
「・・・・・」
アクノ。今の会話の中で二回出て来た。間違いでなければ、複数対一人の状況に・・・
「おーい! 隠れている奴出てこい! お前にも話がある」
もう少し聞き耳立てようとした最中、アクノと思われる声が私に向けて放たれた。
何故バレタと声を出さずに慌てるけど、バレタ以上下手にやるよりは出た方がマシだ。
ゆっくりとエレベーターホールに出た。
そこに居たのは先に会場からでた数人と、対面するように彼らの前に立つ長身の男。全員が私を見た。
「きょ、今日から編集部に配属された浜崎真美です」
今まで感じたことの無い緊張感に立ちくらみを感じる。何で今日こんな事に?
「可愛いい新人さんだな・・・」
「話しかけるな。会場に戻りなさい」
「戻るな。せっかくの花だ。もう少し」
「ふざけるな!」
「ふざけてない。話聞かれた。なら最後まで立ち会わせるのが正しい。えーと、浜崎さんだったね最後まで居てくれ」
アクノと一人中年男性・・・あ、編集長。アクノと私の直属の上司になる編集長が言い合いになりかけるがアクノが真面目な表情を見せ沈静化する。
「江口・・・いや、編集長。俺はふざけてるつもりはない」
と、言い切る
「・・・分かった。ふざけてないなら何でここに来たか言えるな」
目線を一切逸らすことなく真正面いる大男に言い放つ江口編集長。
「あ、再会に酔いしれて本題を忘れてた。編集長、この会社で仕事ない? 俺、娘が出来て、流石に派遣じゃ厳しいな・・・」
「ふざけるなぁ! こんな大事起こしといて仕事の話か! こんな考えだからここから追い出されただろうぉ!」
アクノの話を割り込み怒鳴り声を上げる。静かだったエレベータホールを含め、一階全体に声が響く。
「ああ・・・目の前で叫ばないでください。悪かった。悪かった」
と、毅然としていたアクノ表情が壊れ、オロオロと両腕を上げ下げしながら頭を下げる。
流石編集長だなと私は感心していたが、違和感を感じた。怒った本人を含め、編集者全員が動揺していた。
何故かと聞きたいが、盗み聞きしていた分際の私じゃ聞けるはずがない。
「・・・言いたいのはそれだか?」
「嗚呼、それだけ。俺は仕事を探している。バイトでも無く、派遣でもなく・・・正社員で。まあ、こんな歳じゃ採用は難しいが俺と娘が生きて・・・」
「阿久野残念だが、ここにはお前の仕事は無い。だが、このままお前を野放しにしたら危険だ。編集部で管理する」
江口編集長の一言で私以外動揺する。
「へ、編集長! 一体何を」
「てっきり追い出されるかと思ってたぜ」
アクノともう一人言葉がかぶる。
「あっ、俺は反対だ。いくら編集長がきめてもだ。同期なら分かるだろ、これは上司と部下の話では無い・・・文学界に関わる事だ」
かぶり、編集長に言い寄る人、ネームタグを見ると磯幸久と書かれていている。同期と言ってるが編集長より若く見えるし、問題を引き起こした本人のアクノはここに居る編集部の人達より明らかに年取ってる様に見える。
「磯。皆も分かってる事だと思うが、阿久野が今は自由に暴れられる時代だと。平成初期だと思うな」
「・・・分かってるのか、流石最短で編集長に上り詰めただけあるな。江口編集長」
「ネットですか?」
江口編集長とアクノが再び目が合った同時に私は声を出してしまい、慌てて頭を下げながらスミマセンと謝る。
「正解。浜崎さん。今やネット時代、私たち見たいな会社が無くとも誰でも作家になれる。野放しにして止めれたのに無視したと、何故放置したと、事が起きてからじゃ遅い。せめて目の届く場所に置くのが最善の処置だと私は思う」
「まあ・・・ハッキリ言って阿久野、お前の時代は終わった。お前の居場所は無いぞ。それでも残りたいのなら」
「残らせてください」
話が終わりかける前に、頭を下げるアクノ。再び、今度は私を含め全員動揺する。
「阿久野・・・」
「もう重労働は無理だ。肩がほとんど上がらん。先ったが、俺には義娘が居る・・・食わせないと」
想定してない状況に陥ったのか、全員何て声をかければ良いのか分からない。ここまでの事態を起こして間違いなくこのアクノは皆の嫌われ物だと解るけど、今この人は嘘は付いてない。真面目に考えた上で事を起こしたのだ思う。
「あくまでも個人的判断だ。皆の意見と、上に話を通さないといかん。頭を上げろ阿久野。騒動に気付いて皆集まり始めているからな・・・良し入社式を再開する」
アクノ頭を上げさせ、両手を叩きながら全員指示をだす。
「浜崎さん巻き込んですまなかった。会場に戻って良いよ」
笑顔で編集長は言う。
「わかりました」
「それでは入社式後で」
これを言われたらもうこの場に居る事は無理になった。私は指示に従いエレベーターホールから離れながら後ろ、アクノと編集長の様子を見るがどんな表情してるのか分からなかった。
会場に戻る為に廊下を歩きながら、アクノと編集長との関係に興味を持ち始める。間違いなくただならぬ関係をだと答え、入社式が終わる同時に聞き出して見ようと思いついた。
ーーこれは小説作家と、編集者、それを取り巻く人々の物語。私は気付かぬうちに大きな流れに流され始めていたーーー
最後まで読んでもらいありがとうございます。今まで投稿していた作品の方も時間ができ次第改稿や、再開していきます。よろしくお願いします。