第01話:表の捜査(追いかける、聞き込みをする)
「待ちやがれっ!」
俺とゴリさんが二人で全力で逃げる犯人を全力疾走で追いかける。
先回りしたゴリさんが、犯人の逃走ルートを塞ぐ、
後ろから追いついた俺が、犯人の身柄を確保した。
「また、下っ端か…」
ここ一週間の間に大型ショッピングモールで、立て続けに誘拐事件が発生している。
俺とゴリさんは、その捜査を担当していた。
現場百回、大型ショッピングモールに何度も足を運び、当時の防犯カメラ映像も何度も確認した。
「同じ手口だ…やはり、特殊能力者の犯罪で間違いない」
ベテラン刑事、ゴリさんは、大型ショッピングモールの防犯カメラ映像が映し出すノイズを忌々しげに睨みつけた。
また、一人の子供が消えた。幸せな家族から幸せが失われたのだ。
立て続けに発生しこの一週間で三人目だ。
「ゴリさん。やはり、どのカメラにも決定的な瞬間は…」
俺は、ゴリさんの隣でタブレットを操作していたが、怒りを我慢できず唇を噛む。
「映像が途切れたのは、わずか0.5秒。
こんな非道な能力の使い方、絶対に許せねぇっ!」
「落ち着けネット。熱くなってもホシは挙がらん」
昼間は通常の聞き込み捜査。
だが、一度特殊能力者の犯罪が確定し、その凶悪性が認められると、
法は俺たち「第9条執行係」に「特別捜査許可」を与える。
対象に超法規的処置による、能力を使った特別な捜査が行える。
ゴリさんは舌打ちし、聞き込みメモをポケットにねじ込んだ。
(また一件、被害者の親の嗚咽を聞くのか…)
通常の捜査では埒が明かない。しかし、許可がなければ、特別な捜査は行えない。
その焦燥感が、俺とゴリさんの胃を焼く。
「ネット。やっと上から許可がおりた。表の捜査は終わりだ。
裏(能力を使った特殊捜査)に切り替える。奴らのアジトを洗い出すぞ」
俺は、歓喜した。やっと俺の能力が使える。




