1/6
第00話:プロローグ:俺たちの時代
「この世界にヒーローなんて、いやがらねぇ」
世に特殊能力者が増え、同時に能力を使った凶悪犯罪が激増した。
ネオンの酸性雨がアスファルトを叩く、クソみたいな時代。
俺たち警視庁捜査第七課は、そうした「特殊能力者」の犯罪を専門に扱う。
中でも俺たち「第9条執行係」は、通常の司法プロセスが機能しない
凶悪能力者に対し、刑法第9条(死刑)を即時執行する権限を持っている。
人目を忍んで夜に動き、最小単位の二人一組で動く俺たちは、
相棒以外のメンバーを知らずに誰とも群れない。
昼間に群れる「警察犬」どもと対比され、
皮肉と少しの恐怖を込めてこう呼ばれる。
通称「狼」と。
俺たちは、お互いの能力や経歴からの「あだ名」で呼び合う。
俺の相棒は、通称「ゴリさん」。
触れるものを分子レベルで凍てつかせる能力『鬼氷』から、
ゴオリさんと呼ばれていたが、呼びづらくゴリさんと呼ばれるようになったらしい。
俺はまだ新人だ。能力『ネットマスター』から通称「ネット」と呼ばれている。
俺が担当した最初の事件についてちょっと聞いてくれ。




