表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/30

第25話「黒い投資家の影! 正体を追え!」

市場を揺るがす大口投資家。

リゼリアに挑戦状を叩きつけた「黒い影」は誰なのか?

今回は、その正体に迫る物語です。

王都の市場は、再び不穏な熱気に包まれていた。


黒い影と呼ばれる大口投資家が仕掛けた株価操作は、多くの小さな投資家を破滅に追いやっていた。


「くそっ……あいつが来ると、必ず相場が荒れる!」

「何者なんだ……? もう太刀打ちできない!」


人々の怯えた声が広がっていく。


カリナが拳を握りしめた。

「リゼリアさん、このままじゃ……みんなが犠牲になります!」


リゼリアは冷たい光を宿した瞳で市場を見渡した。

「だからこそ、この影の正体を暴かなくてはならないわ」



リゼリアとダリオは、黒い投資家の動きを徹底的に記録した。


ある銘柄が異常に売られた瞬間、その裏で別の銘柄が必ず買われている。

数字を追うごとに、ひとつのパターンが浮かび上がってきた。


ダリオが驚きの声を上げる。

「これは……王都最大の商会、ヴァルド商会の資金の流れと一致している!」


ガイアが拳を鳴らす。

「つまり、その商会が黒幕ってことか?」


リゼリアは唇を引き結ぶ。

「……まだ断定はできない。だが黒い影は確実に、この王都の有力者の一人」



その夜。


リゼリアはギルドの情報屋に密かに会っていた。

情報屋は小声で囁く。


「黒い投資家……。裏では“クロウ”と呼ばれている。

どうやら、かつて勇者パーティーに資金援助していた貴族の家系と繋がりがあるらしいぜ」


リゼリアの心に鋭い痛みが走った。


「勇者の名を利用して……弱き者を踏み台にするつもり?」


その怒りは、かつて魔王と戦ったときと同じくらい深かった。



翌日。


市場で再び黒い影の仕掛けが始まった。

だがリゼリアはすでに数字を追い、動きのパターンを読み切っていた。


「買いだ、今よ!」


彼女の判断で仲間たちは動き、黒い影の罠をすり抜ける。


市場に集う人々がざわめいた。

「リゼリア殿が……あの嵐を避けたぞ!」

「すごい……本当に黒い影に対抗できるのか!?」


リゼリアは静かに呟く。


「必ずこの影を暴き、白日の下にさらしてみせる」


その決意は、かつて仲間たちを導いた勇者のものと同じだった。



今日の学び

•相場の乱高下には必ず「意図」がある

•記録を積み重ねることで、相手の戦術やパターンが見えてくる

•正体を暴くには、冷静な分析と情報収集の両方が必要

お読みいただきありがとうございます!


今回は「黒い影」の正体が少しずつ見えてきました。

市場操作を仕掛けるのは、ただの無名の投資家ではなく、大きな組織や有力者である――という現実味を出しています。


次回、第26話は「クロウの罠! 勇者エルフ、最大の試練」です。

いよいよ正面衝突が近づいてきます。


感想やブックマークで応援いただけると励みになります✨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ