第24話「市場を狙う影! リゼリアへの挑戦状」
投資の世界には必ず「敵」がいます。
それは数字や景気だけでなく、時に人間そのもの。
今回は、リゼリアが市場を狙う影と初めて正面から対峙する物語です。
その日、取引所に不穏な噂が流れた。
「最近、大口の資金が一気に流れ込んでいるらしい」
「市場を操作している奴がいるって話だ」
リゼリアは静かに耳を傾ける。
その言葉には、かすかな真実が隠れていると直感した。
カリナが不安げに言う。
「リゼリアさん……誰かがわざと株価を動かしてるってことですか?」
リゼリアは頷く。
「ええ。普通の投資家ではない。目的を持って市場を揺さぶっている者がいる」
数日後。
リゼリアの前に、一通の手紙が届いた。
封には黒い蝋が押され、文面は挑発的だった。
――勇者の名を騙り、株で遊ぶ小娘よ。
私の力を前に、貴様の浅知恵など吹き飛ぶだろう。
市場は私の盤上。せいぜい楽しませてもらおう。
リゼリアはその手紙を読み、ゆっくりと笑った。
「なるほど……挑戦状ね」
ダリオが慌てる。
「リゼリア殿、これは罠かもしれません!」
ガイアが拳を握りしめた。
「そんな奴、直接叩きのめせばいい!」
だがリゼリアは冷静だった。
「市場での戦いは剣ではなく、数字と判断力よ。
……挑んでくるなら受けて立つわ」
翌日、市場は異様な動きを見せた。
ある銘柄が異常なほど売られ、次の瞬間には大量に買い戻される。
株価は急落と急騰を繰り返し、投資家たちは右往左往した。
「こ、これは……市場操作だ!」(ダリオ)
リゼリアは目を細める。
「狙いは恐怖を煽って、私を動揺させること。……でも残念ね」
彼女は冷静に記録を照らし合わせ、適切な株数を買い支える。
「数字は裏切らない。市場を操ろうとする者こそ、必ず隙を見せる」
その後も数日の攻防が続いた。
リゼリアはダリオのデータ、カリナの直感、ガイアの冷静な観察を武器に少しずつ優位に立った。
「まだ終わらない……だが、この影の投資家。必ず正体を暴いてみせる」
リゼリアは心の中で静かに誓った。
そして夜、星を見上げながら呟く。
「市場は誰のものでもない。私たち投資家すべてのもの……。
奪おうとするなら、勇者として立ち向かうだけよ」
その瞳は戦場に立つ戦士のものだった。
⸻
今日の学び
•市場には意図的に操作を仕掛ける者がいる
•動揺せず、数字とデータに基づいて冷静に行動することが重要
•仲間の知恵や視点を活かすことで、大きな波乱にも対抗できる
お読みいただきありがとうございます!
今回はリゼリアにとって初めての「人との投資の戦い」を描きました。
株式市場は数字だけでなく、強大な意図を持つ相手との心理戦でもある――というテーマです。
次回、第25話は「黒い投資家の影! 正体を追え!」です。
いよいよ敵の姿が見えてきます。
ブクマ・感想で応援いただけると励みになります✨




