第20話「忍び寄る新たな影! 投資詐欺の罠」
今回は「投資詐欺」がテーマです。
市場には正しい努力を重ねる企業もあれば、投資家を欺こうとする者もいます。
リゼリアたちが直面する“甘い罠”を通して、注意すべきポイントを学んでいきましょう。
王都の大通り。
煌びやかな衣をまとった男が、演説をしていた。
「皆さま! わずか一月で金貨が倍になる奇跡の投資がここにあります!」
群衆がどよめく。
通りかかったリゼリアと仲間たちも足を止めた。
「倍……? そんなうまい話、あるわけがない」(リゼリア)
ガイアが眉をひそめる。
「でも、見てください! あの人、本物の契約書を持ってますよ!」
男は羊皮紙を掲げ、さらに声を張り上げた。
「ここに証人の署名もある! 勇気ある者だけが大金を手にできるのです!」
カリナが小さく呟く。
「怪しい……でも、人々は信じかけてるわ」
群衆の中で、すでに金貨を差し出す者が現れていた。
その夜。
宿に戻ったリゼリアの部屋に、一人の商人風の使者が訪れた。
「リゼリア様。あなたほどの投資家なら、この特別な話に乗るべきです。
成功すれば、王都で一番の富豪になれるでしょう」
羊皮紙が机に置かれる。
確かに数字は整っているように見える。
だが――。
リゼリアは一瞥して、使者に言い放った。
「これは詐欺ね」
使者の顔色が変わる。
「な、何を根拠に……!」
「“必ず儲かる”という言葉。それが一番の証拠よ」
リゼリアの目は鋭かった。
「投資は常にリスクと隣り合わせ。リターンだけを強調するのは、人を惑わすための手口」
その言葉に、ガイアとカリナも気づく。
「そうか……! 本当に価値のある投資は“時間と努力”が必要なんだな!」(ガイア)
「確かに。あまりに甘い話は、人の欲望を利用した罠に過ぎないわ」(カリナ)
セドリックが淡々と付け加える。
「勇者エルフを騙せると思ったのが愚かだったな」
使者は舌打ちし、慌てて部屋を飛び出していった。
翌日。
リゼリアは王都の広場に立ち、群衆に語りかけた。
「皆、耳を傾けて。投資は未来を築くためのもの。
一瞬で金貨が倍になるような奇跡は存在しない。
あるのは努力、時間、そして信頼だけよ」
人々はざわめき、やがて頷き始めた。
そして、あの怪しい男の姿は二度と広場に現れなかった。
⸻
今日の学び
•「必ず儲かる」と謳う投資話は、ほぼ間違いなく詐欺
•投資にはリスクがあり、リターンだけを強調するものは危険
•本当に価値のある投資は、時間と努力と信頼に支えられている
今回も読んでいただきありがとうございます!
テーマは「投資詐欺」。
怪しい勧誘に惑わされず、冷静に見抜くことが大切です。
次回、第21話は「仲間の挑戦! カリナの初めての投資」です。
感想やブクマで応援いただけると、とても励みになります✨




