第19話「逆襲の天空運輸! 配当と信頼の力」
今回は「配当と信頼」がテーマです。
投資家にとって株価の値動きだけでなく、企業が生み出す利益と還元が大きな意味を持ちます。
リゼリアたちが信じた会社――天空運輸が見せる逆襲の瞬間を描きます。
王都の取引所に、朗報が届いたのは数週間後だった。
「天空運輸、今期の利益黒字を発表! しかも配当を増額だ!」
掲示板の前で、投資家たちがざわめく。
「暴落で終わりだと思ったのに……!」
「まさかここで増配とは……信じてた者が勝ったな」
カリナが羊皮紙を握りしめ、目を輝かせる。
「リゼリアさん、配当が……! 私たちの投資に、しっかりと報いてくれました!」
ガイアも笑顔で飛び跳ねる。
「すげぇ! ただ株を持ってただけなのに、金貨が戻ってきた! これが……配当ってやつか!」
リゼリアは静かに頷き、柔らかく微笑んだ。
「株価は上下するけれど、企業が利益を出して配当を払う限り、その価値は揺るがないの。
これこそ、信頼が報われる瞬間よ」
セドリックが腕を組み、深い声で続ける。
「暴落に耐え、信じた者にだけ訪れる果実……。市場とは残酷だが、時に正直だ」
リゼリアは彼を見つめ、心の奥で確信した。
「だから私は、数字の裏にある人々の努力と信念を見抜いて投資する。
それが、勇者であり投資家である私の使命」
その夜。
宿の食堂で、仲間たちは豪華な食事を囲んでいた。
配当金で得た金貨を使い、いつもより贅沢な料理を注文したのだ。
「おいしい! 暴落のときは胃が痛かったけど……今日は心から楽しめる!」(ガイア)
「未来を信じたご褒美ね。数字の向こうに、人々の働きがあるって実感できる」(カリナ)
リゼリアはグラスを掲げ、仲間たちに向かって微笑んだ。
「これはまだ始まりに過ぎない。
信頼と努力が実を結ぶのなら、私たちは次の一歩を踏み出せるはず」
グラスが重なり、澄んだ音が響いた。
その音は、未来を切り拓く決意の合図だった。
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今日の学び
•配当は企業から投資家への信頼の証
•株価の上下だけではなく「利益を生み出す力」を見極めることが大切
•暴落に耐え、信じ続けた先にこそ「果実」がある
今回もお読みいただきありがとうございます!
暴落を乗り越えた先に待っていたのは、天空運輸の「配当」という信頼の証でした。
読者の皆さんにも「持ち続ける勇気」が伝われば嬉しいです。
次回、第20話は「忍び寄る新たな影! 投資詐欺の罠」です。
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