第10話「初めての配当、魔法より強いお金の力」
今回は「配当と投資の実感」がテーマです。
株を持っているだけで得られる配当金は、投資を学ぶ上で最初の“ご褒美”です。
リゼリアが初めて手にする配当金と、その力で広がる可能性を描きます。
リゼリアは自室の机に並べられた羊皮紙を見つめていた。
そこには、自分が買った光導石街灯会社や蒸気機関工房の株の数字が並んでいる。
「……これが、配当……?」
ガイアが隣で目を輝かせる。
「リゼリアさん、これが配当金ですよ! 持っているだけでお金が入ってくるんです!」
リゼリアは初めて味わう感覚に、少し戸惑いながらも微笑む。
「なるほど……戦場で得る報酬とは全く違う……魔法より静かで、でも確実に力になるのね」
その夜、リゼリアは配当金で市場に出向き、小さな商会へ投資をしてみることにした。
「小さな額でも、街の人々や商会を助けられるかもしれない」
彼女の手元には、勇者時代にはなかった“お金で世界を変える力”がある。
市場では、配当金を再投資して資産を増やすリゼリアの姿を、セドリックが静かに見守っていた。
「初めての配当は、投資家としての一歩だ。焦る必要はない。だが、味わうことで投資の楽しさを理解できる」
リゼリアは頷き、羊皮紙に記された数字を改めて眺める。
「魔法よりも強い……お金の力。これを使えば、街も、人も、未来も守れる」
翌朝、王都の市場に出向くと、商人や冒険者たちが笑顔で迎えてくれた。
少額の投資でも、彼らの暮らしを少し支えられる。
「勇者として戦ったときとは違うけれど、これも立派な力なのね」
リゼリアは胸の中で静かに誓う。
「これからも、投資で人を助ける。魔法ではなく、数字で」
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今日の学び
•配当金は、株を持つことで得られる利益
•少額でも再投資すれば資産を増やせる
•投資は魔法のように一瞬で変わるものではなく、時間と計画で力を発揮する
読んでいただきありがとうございます。
リゼリアが初めて手にした配当金は、投資の楽しさと可能性を教えてくれました。
魔法ではなく“お金”を使って世界を支える――そんな新しい力が、彼女の物語をさらに広げていきます。
次回、第11話は「冒険者ギルド消滅! 本当の意味での自立」です。
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