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戦勝国の敗将  作者: 畸人0.1号
第二章
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「第二十六話」《暗殺の『仮面』》

「おーい! カイっち! こっちこっち」


 アルディアを出国したカイは、別ルートで国外に出ていたヴィンと合流した。

 すでに日が傾き始め、辺りはオレンジに沈みかけていた。


「どこから行くんだ?」

「とりあえず、モホスかな。リアが国王のルーティン分かったって言ってるから」


 二人は、馬を走らせる。今日はエルは連れてきていない。エルのような立派な馬を連れ歩けば、カイだとバレてしまうかもしれないからだ。


 どれぐらい馬を走らせたのだろうか。日は全て沈み、真っ暗。ヴィンの姿は見えない。ただ、馬具と布が擦れる微かな音だけが、ヴィンの場所を示している。そんな暗闇の中、輝いているモホスが見えてきた。


「こっち」


 声のした方へ馬の首を向ける。入国する門から遠ざかっていく。


「ヴィン、どこから入るんだ」


 突然、ヴィンがランプをつけた。


「ここ」


 ランプの光でゆっくりと見え始めた部分を確認する。


「おいまさか、この壁を登ろうなんて言わないよな?」

「さっすが! 正解!!」


 見上げるほど高い、足場ひとつもない壁。この、まっさらな壁を登るというのだ。

 ヴィンが持ってきていた、綱の先に鉤爪をつけ、ぐるぐると回す。


「うし、かかった! 上手くなった!!」


 ガッツポーズをして、喜ぶヴィン。


「"これ"は初めてだっけ?」

「ん? あ、あぁ。初めての作戦だな」

「じゃー3つ決まりを話すね」


 暗殺の決まり。それは暗殺者がバレないようにするもの。


「まず、名前を呼ばない。敵の前で声は出さない」

「3つ目は?」

「失敗しないこと」

「当たり前だ」

「夜が開ける前に終わらせるから、気合い入れて」


 カイは大きく深呼吸をする。


「よし、行くか」

「じゃー先に登る?」

「いや、それは……遠慮しておこう」


 ヴィンは、なれた手つきで綱を登っていく。塀の上に立つヴィンが鉤爪をカランと当てる。綱を掴めという合図だ。綱を輪っかにし、足をかけ、2回引っ張る。

 それを確認したヴィンは塀の上から飛び降りた。ヴィンの体重でカイが塀の上へ引っ張りあげられる。

 そして、また鉤爪の音が聞こえる。綱を引っ張り鉤爪を塀の上へ再度かけ、降りる。


 降りきったカイをヴィンが突っついた。その顔には嘲笑が浮かんでいた。


「こっち」


 ヴィンに着いていくと、ある古い小屋のようなものにたどり着いた。


「入るよー」


 ヴィンはためらいなく入っていく。それに続く。

 中には、リアと様々な武器が置いてあった。


「お疲れ様です。カイ様とヴィン様。お好きなのをお選びください」


 カイは迷いなく、拳銃を手に取った。消音も付いている。


「やはり、それでしたか。そう思いましてこちらを」


 カイに手渡されたものは、小さな箱。中には銃弾が12発入っていた。


「ありがとうございます。あとは……ナイフか?」

「正解でーす!! すごいね! 才能あるよ」

「案外、天職かもな」


 防弾チョッキをつけ、仮面を被る。


「リア! ナイスすぎ」

「もっと、違うのなかったのか……?」


 ひょっとこの面なのだ。ヴィンは笑い転げでいる。


「じゃ、行こうか」


 そう言っている、ヴィンの仮面は黒基調に金で模様が書いてあるもの。


「この違いはなんだ」

「これは、いつものだから」


 冷静に聞こえるヴィンからは、時々、苦笑が聞こえる。


「おい」

「なに? ぶっ……こっちみるなよ」

「リアさん」

「なんでござ……すみません」


 二人は堰を切ったように笑いだした。


「俺は笑えないんだが」


 やっと笑いが落ち着いたヴィンは、「いつもの衣装」と言ってマントやらなんやかんやらを身につけた。


「リア」


 リアが王宮内の見取り図を取り出した。


「ここが、入口です。侵入するのなら、このバルコニーがおすすめです。そして、これが国王が寝ている寝室」


 国王の部屋は、王宮の中の最上階。


「護衛は多いと思いますが……さして問題はないかと」

「歯向かうものは殺そうか。できるだけ犠牲は抑えた方がいいよね」

「ターゲットのみの殺害の方が、国としては混乱に落ちますから」


 侵入経路を確認し、頭に入れる。


「行ける? カイっち」

「もちろんだ」


 カイは大きく深呼吸をする。

 拳を握りしめる。

 その様子を確認したヴィンは、カイの背中をバシッと叩いた。


「帰ったらみんなで牛飲もーね」

「牛乳なのか。酒じゃなくて」

「じゃ! お酒!」

「ヴィン様。そういうのをフラグというのです」

「あ、またやらかした!」


 いつもの変わらない、ヴィンとリアのやり取りにカイは少し肩の力を抜いた。


「さて、いざ行かん! 王宮へ!」

「なんだそれ」

続きも読みたいと思っていただけましたら、ぜひ、評価、感想等々よろしくお願い致します!

励みになります!



現在、「戦勝国の敗将」を、コンテストに出すため改稿しております。そのうちですが、こちらは原案となります。しかし、変わらず更新してまいりますのでどうぞ引き続きよろしくお願い致します。


どのコンテストに出すかはまた、ご報告致します。



次回の更新は


2026年1月23日(金)18時00分


です。


またのご来場お待ちしております


畸人0.1号

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