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戦勝国の敗将  作者: 畸人0.1号
第二章
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「第十四話」《『居候』の連れ》

「かっ、カイさん!! いつの間にあんな美人を捕まえたんだよ?!」


 ルカが息を切らしながら駆け込んできた。


「今度はなんだ……」


 つい先日、ヴィンがやって来て居候を始めたばかりだというのに。また、何か起こったのか。


「いいから! 早く来て! 『アルディアの英雄、カイ様はいらっしゃいますか?』って聞かれたんだよ!」

「それで?」


 ルカに手を引かれ、そのまま案内される。


「とにかく! すっげえ美人がカイさんのことを待ってるってこと!」


 ルカの早口に、カイは情報を整理しながら頭を捻った。残念ながら、カイの知り合いにとてつもない美人はいないのだ。いや――いると言っておこう。あの、鬼上司に怒られてしまう。


「ほら! あそこ! あの女性!」


 目を向けると――


「……これは」


 一瞬、心臓が止まった気がした。

 そこには息を呑むほどの美人がいたのだ。

 透き通る肌、風に揺れて宝石のようにきらめく髪。

 その髪が、光を受けて、美しい音色を奏でているような気がした。

 女性がペコリと頭を下げると、カイも思わず会釈を返してしまう。


「えっと、ご用件は?」


 挙動不審になってしまうのも無理はない。

 花よりも美しく――

 いや、彼女と比べられる花が気の毒になるほどの美しさ。


「初めましてカイ様。こちらに、ザルガスから来ました、"ヴィン"と名乗る者はいらっしゃいますでしょうか?」

「あ、はい。いますが……呼びましょうか?」


 敬語が口をついた自分に、カイは内心戸惑った。


「いえ、その必要はございません」


 その女性は、肩幅に足を開き、地面をぐっと踏みしめる。大きく息を吸い込み――叫んだ。


「ヴィン様っ!! 今すぐ出てきなさい!!!!」


 どこからその声量が出るのか。カイとルカがポカンと見つめるしかなかった。

 その声に反応したのか、裏手から猛スピードで走ってくるヴィン。


「よお! リア! やっと着いたのか!」

「なんですか、ヴィン様。私を置いて宿から消えて、そこから一切帰ってこず? その挙句、カイ様のところに居候していると手紙を出してきて……しかも、その手紙に場所は書かれておらず。私の苦労、分かりますか?!」


 女性――リアの顔は笑っているようで笑っていない。背後には炎が立ち上がりそうな――鬼の形相。

 リアはヴィンをその場に正座させる。

 だがヴィンは、笑みを絶やさない。


「聞いておりますか、ヴィン様!」

「聞いてる! リアは優秀だもんな!!」

「なっ……」


 カイは心の中で呟いた――リアはちょろい、と。

 作戦なのか何か、それも気になるが、素でこれならばヴィンには敵わないなと思った。


「優秀」


 その言葉だけで、声を止め、頬を赤らめた。今まで女性に触れたことがないカイでも、はっきりとそれが分かる。


「まぁまぁ、お二方。ここじゃ何ですし、中へどうぞ。いいよね、カイさん?」

「あ、あぁ、まぁ……」


 ルカの圧に負け、カイは中へ入れることを押し切られてしまった。

㊗️2000PV突破!!!

ありがとうございます!

初めての投稿作品でここまでこれて、とても嬉しく思っております!

今後とも、更新を続けてまいります

もし、もっと続きが読みたいなど思っていただけましたら、評価、感想、リアクション等々よろしくお願いします!



次回の更新は


2025年10月17日(金)18時00分


です。


またのご来場お待ちしております


畸人0.1号

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