TEXT52:助っ人。そして新たな波乱。
「ーーーー な、に。」
放物線を描きながら切り落とされたドライの片腕はゆっくりと地に堕ちる。自分の自慢の兄妹機が推し負けたと言う状況にファイブの瞳に戸惑いの色が見えた。
「う、うううう嘘だぁああ!!なん、なんでぇ!?なんで兄様がぁあ!?」
その時だった。
「ーーーーー 動くなよ。殺戮人形」
騒動を聞きつけたのか、いつの間にかファイブの背後に大ぶりなデザートイーグルの銃口と白銀に輝くマスケット銃の銃口が突きつけられている。
「!!・・・アンタたちは・・」
「チっ・・・ヴィクターの犬どもがぁあああ・・・・」
ヴィクターグループの戦力である二体のデウスロイド。マックスとカスパールがいつの間にかファイブの背後に構えていたのだ
「やれやれ・・・ご無事のようでなによりでした。フランお嬢様」
「まったく・・・お転婆も対外にしてくれよ?お嬢」
「マックスおじ様!!カスパール!!」
見知った二人の登場に安堵の表情を浮かべ、フランチェスカはそのそばに駆け寄った。
「さて・・これで4対2になるが・・・」
その様子にやれやれと苦笑いを浮かべたツヴァイがため息をつけば日本刀を構えてドライとファイブに鋭い眼光を向ける。大
ーーー 多勢に無勢。
片腕を落とされた状態でヴィクターの総戦力であるデウスロイド2機と力の未知数な存在である天使喰らいと黒獣を相手にするのはさすがに分が悪すぎたのだ。
「‥‥ファイブ。憎たらしいがここは一旦引き下がるぞ。」
「うぅぅぅ・・・わ、わかったぁあ・・・・」
舌打ちをするドライにファイブが静かに頷けば懐から小さな機械を取り出して空中に投げる。すると一瞬でドライとファイブの姿が空気に溶け込み完全にその姿を消滅させた
「なっ!?」
「今の、は・・・・」
驚く美琴とフランチェスカを他所にツヴァイは刀を納刀すると懐からたばこを取り出して火をつける。吐き出された紫煙が空を漂いだした
「・・・・プロメテウス社のステルス装置か」
「流石企業の頂点に立つだけはある・・・こんな軍事兵器を生み出していたなんてなぁ」
マックスもそう呟くとフランチェスカに目線を合わせ、その頭をわしゃわしゃと撫でた
「ったく・・・お嬢。ダメだろう?勝手に本社から外に出るなんて・・俺かカスパールが迎えに行くまで待っててくれと言ったじゃねぇか」
「ご、ごめんなさいマックスおじ様・・・・私、どうしても早くアルバに会いたくて」
「やれやれ・・・ほんとうにアルバが大好きなんだなァ?ウチのお嬢は」
そう呟き困ったように苦笑いを浮かべてマックスはフランチェスカの頭をなでると、そのまま視線をツヴァイと美琴に移した
「さて・・・アンタら、はどうするんだい?もしお嬢と同じく目的が一緒なら案内するが」
その言葉に美琴とツヴァイは顔を見合わせ静かに頷いた。
アルバに合わなければいけない。
ヴィクターの情報を少しでも掴むために・・。




