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ANGEL EATER  作者: 平藤夜虎
ヴィクターグループ編
38/47

TEXT38:新たな戦力、介入。

それから数日間、ニュース番組や報道機関では巨大3企業の一つである【海市蜃楼の現CEOと現NEOチャイナ政府高官の殺害事件】の話題で持ち切り状態だった。


今回の件はNEOチャイナ政府側にも大きな打撃となり、すぐさま新しい政府役員の派遣を余儀なくされた。そして、海市蜃楼社で現在行われている技術開発や産業開発は別の有志団体へと引き継がれ


事実上、海市蜃楼社は解体となったのだ。



「・・・・・」


金曜日の午前、ヤタガラス新宿支部に今回の状況報告を受けに向かった美琴達はビルの大型画面に映し出されるニュースを眺めため息をついた


「・・・・私が気絶してる間にそんなことになってたなんてね」


「お前が気にすることじゃねぇよ美琴。・・・因果応報ってやつさ」


美琴の言葉に、後部座席に座っていたアルファがぶっきらぼうにそう答えるとその髪をなでる。


「・・・・ふふっ」


「あ?なに笑ってやがんだ」


「・・〝憑き物が落ちた〟みたいな顔してるよ」


「・・・・へっ、おかげさまでな」


穏やかな笑みを浮かべる美琴にアルファもつられて小さく笑みを浮かべて言葉を返した。


ーーー つまり、アルファの中でも今回の一件で決着が着いたということなのだろう


出会った当初、いまにも嚙みつきそうに鋭く、そしてこの世のすべてに絶望していたその眼には今はどこか、穏やかな色が宿っている


美琴自身も、アルファの中で決着がついた事は喜ばしい事だった


「・・・でも、誰に殺されたんだろうね。蜃丹韻と政府の高官」


美琴が不思議そうに呟くと、ちょうど車がヤタガラス新宿支部アジトの前に到着したらしく、運転を担当していたツヴァイがゆっくりブレーキを踏み、差し込まれていた車のキーをコートの内ポケットに閉まった。


「ーーーー 結果はどうあれ、お前の目的は一つクリアしたんだ。それでいいだろ?」


「まぁ、確かにそうか・・・」


美琴にそう言葉を返すが、サングラス越しに見えたツヴァイの瞳はどこか険しそうに見えた



ーーーー 蜃丹韻と政府の高官を殺害した犯人にツヴァイは心当たりがあったのだ



あの後、独自にNEO中華街付近の防犯カメラの映像すべてにハッキングをしかけ、何か有力な情報が無いか調べていた時


その姿がしっかりとある一台の防犯カメラにとらえられていたのだ



『・・・・・・あの野郎がなんで横浜に?』



防犯カメラに映し出されていたのは、本来ありえないはずの自分の兄弟機、アインツの姿。


プロメテウス社の地下施設に隔離されていたはず・・・それが何故かあの時、あの場に居た



『・・・・・いずれ決着をつけなきゃいけねぇ、か』


そんな事をふと思いながらツヴァイは静かに新宿支部へのアジトのドアを開ける



「おう、ご苦労だったな」



いつもの薄暗いバースペース。相変わらず人気は無く、古びた大型のファンが天井でくるくると回り、年季の入ったバーカウンターにはオーナーがため息をつき、ツヴァイ達を出迎えた。・・だがそのカウンター席には〝もう二人の人物〟の姿があった。



「!・・・・お前ら・・・」


「あ!」


「・・・あぁ?なんでそいつ等がここに居るんだ。」



三人を出迎えた二人組。それは以前依頼のため護衛をした少女、東雲要とその相棒のデウスロイドの朔であった。


しかし、それよりも気になったのは要の服装である。



黒と青を基調としたジャージベースのフード付きジャンパー姿に、短パンレッグウォーマー、そして動きやすそうなスニーカー。首元にはかわいらしい猫の耳を模したヘッドフォンがかけられており、アームカバーをつけた両手にはリュックサックが抱えられている。


「か、要ちゃん久しぶりだね!元気してた?」


ツヴァイの横を通り過ぎて美琴が嬉しそうに要に近寄ると、要も椅子から降りてペコリと頭を下げる


「お久しぶりです!美琴さん、ツヴァイさん、アルファさん。・・その節は色々とお世話になりました」


「腕のケガも治ったみたいでよかったよ・・・・でも、アレだね?ずいぶんアクティブな服装になったね?」


服装を見つめ、「でもカワイイかも・・」とつぶやく美琴に、今度はオーナーが深いため息を付いた



「・・・・霧島代表から頼まれてオレが用意させたんだよ。」


「へ??オーナーが??」


首をかしげる美琴に今度は様子を伺っていたツヴァイが尋ねる


「・・・おいオーナー様、まさかとは思うんだが」


「そのまさかだよ。・・・」


オーナーの言葉に、ツヴァイは要の腕に巻かれた赤い腕章に視線を移す。そこにはまぎれもなく、〝三本足のカラス〟のプリントが施されていた



「か、要ちゃんヤタガラスに入ったの!?」




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