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ANGEL EATER  作者: 平藤夜虎
海市蜃楼編
32/47

TEXT32:幕間~死神の盤面・起~

数年前、ヤタガラス新宿支部アジト。


「ーーーー 野良デウスロイドだぁ?」


ビンテージ物のソファに深く腰を下ろし目の前にたたずむパーカーのデウスロイド・・最近ヤタガラスに保護され諜報役として高い実力を評価されている個体名、(かい)をいぶかし目に見つめながらオーナーがいぶかし気に尋ねた


「野良のデウスロイドなんざゴロゴロいるだろうが・・なんでソレをウチが気にしなきゃならねぇんだ」


「まぁまぁ、オーナーさん。・・・それがそのデウスロイドさぁ・・ただのデウスロイドじゃないっぽいんだよねぇ」


カウンターに腰を下ろし唇を弧にしたまま言葉を続ける廻にオーナーはメガネを外し腕を組む。先の大戦後、デウスロイドやマキナロイドの増加に伴い、中にはより精度の良い個体を求めて今までそばに置いていた旧型を主従関係契約をリセットしそのまま捨ててしまう人間が増えた。そしてそうした主の居ない野良デウスロイドやマキナロイドが増えている事も世界的な問題になってきている


新しい主ができれば良し。だがその大半は犯罪行為を起こしスクラップされる結末


それが今現在、人類の発展の裏にできた大きな闇の一つにもなっているのだ


それは今目の前に居る廻も同じことである。オーナー自身も詳しくは知らないが彼も昔はどこかの組織に所属していたのだが・・それを見かねた大和独立党の代表、霧島の手により現在はこのヤタガラスと言う組織を新たな自分の居場所として生命活動を続けているのだ。


しかし、それでも廻の言葉は少し引っかかった



「ただのデウスロイドじゃあない?・・」


首をかしげるオーナーに廻はポケットからある新聞記事を取り出しオーナーに見せる。それはつい一週間前に起きた米国の巨大企業【プロメテウス社】で起きたある事件の切り抜き記事だった


「・・・黒獣の夜(ジェヴォーダンナイト)事件か・・たしかプロメテウス社のデウスロイドが実験中に暴走し重役職員や科学者数名殺して逃げたって言う・・あの」


と、そこまで言いかけてオーナーは目を見開き廻を見る


「おい・・・まさかとは思うが・・・」


「ご明察♪・・・その事件を引き起こしたプロメテウス社のデウスロイドを見かけたってワケ!・・・しかも・・女の子と一緒にね?」


「・・・逃げ出した黒獣と契約した女だと・・」


信じられないと言わんばかりに頭を抱えるオーナーに廻が二枚の写真を取り出しカウンターに並べる


「俺も驚いちゃったよ・・・けど時間かけてプロメテウス社のデータにハッキングして照らし合わせたら見事的中しちゃってね・・・まさか・・・あの凄惨な事件を引き起こしたデウスロイドがプロメテウス社選りすぐりの対戦闘兵器型デウスロイド【10の兄弟(ナンバーズ)】の二番目だったとは・・」


写真に写るダークブルーの髪にこちらを射抜き殺さんばかりに鋭いアイスブルーの瞳のデウスロイドにオーナーは深いため息をつく


「・・・そんな暴走事故を起こした個体を引き連れてるこの女も何者なんだ・・」


「どうすんの?コンタクトしてみる?」


「当たり前だ・・・上手くいけば俺たち側に最強の切り札(ジョーカー)が加わることになるんだからな」


廻の言葉にオーナーは立ち上がり出かける準備をするとスマホでほかの構成員たちにすぐに集まるよう招集のメールを一斉送信する。その様子を見ながら廻は苦笑いを浮かべてさらに話をつづけた


「この二人、フリーの依頼受けて食いつないでるっぽい。だから決まった寝床も無く・・・周囲のラブホテルを二週間ごとに行き来してるね」


「この二人の居場所の目星は」


「ついてますとも!歌舞伎町近くの高級ラブホテル~♪・・・あ、でも会うなら気をつけなよ?オーナー」


「あぁ?なんでだよ」



コートを羽織るオーナーに廻が困ったように言葉を返した





今まで舌戦で負けなかった俺が、コテンパンに叩き潰されちゃったから。」





















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