TEXT27:地獄のトーナメント
横浜、ネオチャイナタウンに聳え立つ娯楽と狂乱の城【桃源城の地下。
『勝者‼デウスロイド~・・ガンマァああああ!!!』
煙とエラー音を立てて動かなくなった残骸を見下すようにリングの中央で拳を上げる一体のデウスロイドを大勢の観客がはやし立てる。熱気、酒の香り、そして血と硝煙の香りが周囲に漂っていたその時リングアナウンサーが高らかに声を張りあげる
『さてお客様方!!・・今宵はこの1トーナメントだけではございません!!我らが女帝に牙をむく挑戦者の登場だ!!』
「あぁ?挑戦者だぁ?・・・・」
リングアナウンサーの言葉にガンマと呼ばれたデウスロイドはいぶかしげに挑戦者側の入場口に視線を移す。するとそこにはいつの間にか3つの影が立ちこちらを静かに睨みつけていた
「へぇ~?・・こりゃあ面白い事もあったモンだぜ。今更のこのこ何しに来やがったんだぁ?アルファ大兄・・・」
煽るようなガンマの言葉にアルファは拳をゴキリと鳴らしながら一歩、また一歩とリングへ歩みを進めていく。
「決まってんだろうが。ーーーー トーナメントで〝てめぇら全員ブチ殺しに〟来たんだよ。」
檻から解き放たれた獣のような視線を向けてくるアルファにガンマは愉快そうに笑うと凶悪な笑みを浮かべる
「っはははは!!!!ブチ殺すだぁ!?ずいぶん大きく出たじゃねぇかよ大兄!・・そいつはつまり・・自分が無残に殺されても文句は言わないって事だよなぁ?」
「・・・よく聞こえなかったのかよガンマ。俺は負けねぇ。・・・そしててめぇら全員も、あのクソ婆も俺が今夜ブチ殺す。」
「ケっ・・・タウとシグマが壊されたっつーのはガセじゃねぇらしいな。」
アルファの瞳に燃え盛る怒りと復讐に燃えた瞳にガンマはやれやれとため息をつくと真剣なまなざしで会話を続けた
「いいだろう。大兄・・・その怒りに燃えた瞳と牙が本気だっつー事、トーナメントで勝ち進んで見せてくれや。」
「言われなくとも見せてやるさ・・・お前も、〝残りのクソ兄弟共〟もまとめてひねりつぶしてやるよ」
静かな殺気と、そして今から起こるであろう狂乱の宴に周囲の空気がだんだんと高まっていくのを美琴は肌でひしひしと感じながらそばに控えるツヴァイに耳打ちをする。その内容を聞いてツヴァイは静かに笑みをこぼすとそのまま闇に溶け込んだ。
「アルファ」
一歩、リングに足を踏み入れてアルファの隣に立ち静かに声をかける
「さて・・・もう俺もお前も逃げれない訳だが」
「逃げる?・・・っはは、冗談。」
そう返した美琴の言葉にアルファは満足そうに、しかし血に飢えた凶悪な獣の笑みを浮かべるとその両腕に新たな自分の武器【カーリーとドゥルガー】を装着し前を睨みつける
美琴も静かに呼吸を整え【神結システム】を起動させバックアップの体制入った
『それでは!!特別トーナメント第一ラウンド・・・開始!!!』




