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ANGEL EATER  作者: 平藤夜虎
海市蜃楼編
24/47

TEXT24:新兵器

「----- てめぇらァあ゛ああああああ!!!!!!」



〝獣の咆哮〟が闇夜に木霊した。地を揺らすようなその怒りの絶叫は戦を知らない平和ボケした連中ならばきっとその場で意識を失うだろう。


そして、その獣の方向に答えるようにどこからかヤタガラス製品のドローンが巨大な鉄箱をトラックの荷台へと落下させる


「!・・・・オーナー!ナイスタイミング!!」


美琴の言葉にドローンからオーナーの声が響く



【調整も済んでる!!後はお前が使いこなすだけだ!!アルファ!!目の前の〝くそったれ共〟にお披露目してやれ!!】


オーナーの言葉を合図に鉄箱が音を立てて開けばそこにあったのは巨大なガントレット。



【・・・外装装甲HIGS-Titan合金製。内部駆動軸はマイクロセラミックベアリングとサーボ用炭素の複合体・・音速で打ち出そうがブレない安定性に〝パイル発射後〟の冷却も高速で可能できる優れものだ!】


「・・・は!?パイル!?オーナー!?パイルって言った!?」


驚く美琴をよそにドローンから愉快そうな声が漏れる



【打ち出し時間は0・5秒、衝撃波とともに周囲の電子機器を麻痺させる電子破壊能力のオマケ付きだ!!その名もヤタガラス製戦闘用パイルバンカーガントレット・カーリー&ドゥルガー!!】


「オ、オーナー!なんか名前が中二病くさい!!」


【うるせぇ!!男のロマンだ!】


美琴の言葉にドローン越しからオーナーが反論するが、それをタウが見逃すはずもなく一気に美琴へ距離を詰め



「・・・油断。」


そうつぶやき自分の足裏に仕込んでいた刃を展開させ、美琴の首を狙う



ーーー しかし



「てめぇがな」



背後で聞こえた声にタウが振り向くが、時すでに遅し。アルファの両腕に装着されたガントレット、その右手・・・ドゥルガー側が熱を持ち、握られたこぶしの先からバチバチと電流が駆け抜ける




「CHORD:ブラフマー・・・・・業火神の右腕(ヴァジュラ・アグニ)!!!」



その咆哮ともに、熱を持ち打ち出されたパイルがタウの腹部を一気に貫く。それはまるでアルファのいままでの怒りや凶暴性が爆発したかのような重く強烈な一撃だった


「か、・・・は・・・・・」



鉄の焦げるような臭いと赤い電撃がタウの体を粉々に破壊する。このまま業火神の右腕から放たれた熱がタウのCPU、そして脳を焼く尽くせばデウスロイドにとっての完全な死が待っているのだ


「よわい、くせ、に」


「・・・言ってろ。負け犬が」


タウの言葉にアルファは凶悪な笑みを浮かべるとそのままタウの体を思い切り蹴り飛ばした。そのままタウの体は高速道路の下に広がる横浜の海へと音を立てて落ちていった。



「アルファ!」


「・・・ッは、はは・・・っはははは!!!!」


美琴が声をかけるがアルファはガントレットが装着されたまま愉快そうに声を上げた。


「・・・どうだ。クソ共!!あれだけ散々コケにした〝雑魚〟にぶちのめされる気分は!!」


爛々と輝くその深い緑の瞳には檻から解き放たれた獣のように美琴には見えた。その凶暴な笑顔にほんの少しだけ胸が高鳴ったのを感じたが


「・・・気のせい気のせい。」


そう呟き、まだ残る敵に狙いを定める。いったい何が起こったかわかっていないシグマがアルファを睨みつける


「ッ・・・貴様、ほんとうにあのアルファか?・・」


「あぁ・・・〝てめぇらのサンドバック〟にされた挙句〝いいご趣味の富豪どもの玩具〟にされてた・・あのアルファだよ。」


「ちぃッ・・・・こざかしい真似を・・」



アルファは口元に浮かべた獰猛な獣のような笑みを崩す事無く、美琴をかばうようにシグマの前に立った




「さてと・・・今度はてめぇが一方的にぶちのめされる番だぜシグマ・・・覚悟の時間も与えてやらねぇから、そこ動くんじゃねぇぞ。」



























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