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ANGEL EATER  作者: 平藤夜虎
黒猫編
16/36

TEXT16:Danse Macabre

時は遡り二年前、ヤタガラス新宿支部アジト。


自分の膝に頭を乗せ寝息を立てる美琴を他所に、ツヴァイは一人目の前のスクリーンに映し出される映画に釘付けだった。


数十年前のレトロ映画で、目の前の大型スクリーンには二丁の銃を手にした主人公が敵を圧倒するシーンが映し出されている。


「なんだ?・・〝ガン=カタ〟なんぞに興味でもあるのか?」


片づけを終えたオーナーが店のカギを閉めてツヴァイに声をかけるとそのままスクリーンに目を移した


「・・・ガン=カタ?」


「その主人公の使ってる戦闘スタイルの名前みたいなモンだ。無数の戦闘データ解析により得られた統計理論に基づいて、実際の弾道からの退避と共に相手死角内に回り込み攻撃を行うという攻防一体の戦闘術。・・まぁ、創作の戦闘方法だな」


「・・実現は不可能なのか?」


ツヴァイの言葉にオーナーは肩をすかし苦笑いを浮かべると指を三つ上げる


「まぁ、無理だな。・・まず一つ目、発砲した際の手ブレで当てるのが不可能。二つ目、人間の目は焦点を合わせるのが一か所のみのためサイトを見れない・・・そしてリロードの際大幅に時間が取られるし難易度も上がる。」


「・・・・ふーん。」


オーナーの言葉にツヴァイはそう返すがタバコを口に咥えて火をつけるとにやりと笑みを浮かべた


「・・・まァ、人間なら無理だろうな。」


「は?・・・お前何を・・・」


怪訝そうなオーナーの表情にツヴァイは静かにこう返した






「・・・いつかアンタ披露してやるよ。〝完璧なガン=カタ〟をな」









・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


「ーーーー CHORD:死の舞踏(ラ・ダンスマカブル)展開開始!!」



美琴の言葉を合図にツヴァイは愛銃のH&K=USPMatcとColtM1911を両手に構え敵陣へと飛び込んだ。地面を滑るように駆け抜け、数十体のガルガンチュアと精鋭部隊に向けて銃口を構えた


「--- 20の機兵器と50人のターゲットなんざもはや〝群れ〟じゃねぇ。ただの演舞の背景だ」


ーー ガウン!!ガウン!!


跳躍、旋回、そして流麗な踏み込み。その軌道のすべてが、撃ち、避け、次を仕留めるための動作に過ぎない。


ーーー そう、人間であればフィクションでなければ成立など不可能であろうガン=カタ。それをツヴァイは完成された舞踏に昇華させたのだ


「ーーーーー 楽しめたか?俺のダンスは」


そうして、後に残るのは屍と残骸のみ。それがCHORD:死の舞踏(ラ・ダンスマカブル)なのだ



「・・・・・すごい・・・・」


美琴たちの様子を監視カメラの映像で見ていた要と朔の二人はその光景に目を奪われていた。そんな二人の様子にオーナーは笑みを浮かべる


「・・・あれが我々ヤタガラスが作り上げた秘策。プロメテウス、ヴィクター、海市蜃気楼・・あの三社どもに感づかれないように研究に研究を重ねた物・・・マスター権を持つ者の項にヤタガラスシステムを埋め込みリンクしたデウスロイドの身体能力などを向上させ・・筋肉などの伝達信号を神速へと変える代物・・・神結びシステム(カミムスビ)。」


「・・・こんなものを、ヤタガラスが・・・・」


要の言葉にオーナーは静かにつぶやく



「・・・それだけ、アイツの覚悟はでかいって事ですよ。奴らを叩き潰すと言う・・そのためなら自分の身がどうなっても構わないってね」


「・・・・・」


オーナーの言葉に要はぐ、と自分の胸元を握りしめたた、静かにモニターを見つめていた




































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