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第97話 電車での優希

 「あーあ、血花ちゃんとも離れちゃったなー」


 血花が美魅と会う数学前。

 優希は独り言を言う。


 「電車、電車、電車。全く、なんで電車ばっかりなんだろうね」


 優希は自分の過去を思い出す。


 「幽霊さんはいつ現れてくれるかねー。暇なんだよな、この時間。早く浴びせてほしいな、血」


 穏やかや口調で物騒なことを言い出す優希。

 そんな優希に、一つの『影』が近づく。


 優希はその方向を見ることなく、上に跳躍する。

 そして天井を破り、外に出る。


 『影』はそんな優希を追う。


 お互いに外に出た。


 そのとき、やっと『影』が優希に姿を見せた。


 一見人に見える容貌だった。

 ただ優希は目の前にいる者を『人』とは認識しなかった。


 その男の舌が異常に長かったからだ。


 しかし、その者は舌を出しているわけではなく、口の中にしまっている。

 それなのに優希は、その者の舌が長いということがわかっていた。


 「やっと来てくれたね、幽霊さん」

 「へー、よくわかったね。ボクが人間だと思わなかったの?」

 「舌が長いじゃん。十メートルくらいある?」


 男は優希の警戒レベルを人段階上げる。

 『なぜこの人間は自分の舌が長いことがわかるのか』と不思議に思った。


 「その『血』の質からして、何百人も喰ってるね、人」

 「……本当、変なやつだね」


 男は優希に殴りかかる。

 優希は刀を抜くことなく、ただ向かってくる男を見ている。


 男と優希の距離が一メートルほどに縮んだ。

 それでも優希は動かない。


 男が勝ちを確信した。


 そして男の拳が優希の顔面に触れたとき、優希に変化が起きた。

 優希の身体が煙のように消えたのだ。


 「?」

 「もう君の負けだよ。君に血が流れてる時点で、私の勝ちだよ」


 優希は自分の下唇を歯で噛む。

 下唇から血が出て、下に落ちる。


 男は再び優希に殴りかかる。


 優希は霊化をする。

 そして向かってくる男を見ていたが――


 「――その癖なおせよな!」


 優希と男の間に、一つの影が現れる。

 そしてその影が、男の拳を刀で防いでいた。


 その影を見た優希は驚きの表情を浮かべる。


 「真気……?」


 その影――真気は優希の顔を見ないで、言葉を返す。


 「腐っても『班長』なんだから、変なことすんじゃねぇよ!」


 真気は男の腹を蹴る。

 そして隙ができた男を刀で斬った。


 男は倒れ、動かなくなった。


 「本当、昔と変わってねぇな」

 「……真気が変わりすぎてるだけ」

 「……柊菜と出会ってから少し変わったと思ってたんだけどな。とりあえず柊菜のところに行くぞ」


 真気は優希がここに来たときにできた穴から列車の中に入る。

 優希は霊化を解除して、真気を追った。

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