第90話 電車の中で襲撃
私の背中に激痛が走った。
血が飛び散る音がする。
ナニカに斬られた。
私は自分の傷を能力で治し、急いで真気のところまで退く。
「柊菜……! お前……どうした……?」
「わからない。突然誰かに斬られた。真気は見えなかったの? 私を斬ったやつ」
「なんも見えなかった。急にお前の背中から血が吹き出して……」
見えなかった、か……。
透明化の可能性が高いな……。
私の能力は凍結化、真気の能力は人形を出す。
私の方が有利そうに見える。
でも、『電車ごと凍らせる』ってのはできない。
だからあんまり私の能力は使えない。
難しい任務になりそうだな、これ。
「柊菜、体内に違和感とかないか?」
「うん、今のところなんも感じない」
「用心しとけ。お前の身体に寄生した可能性もある」
「わかってる」
私は白色の刀を抜く。
オレンジ色の刀は、マジで危ないときに使おう。
私はいつ襲いかかれてもいいようにかまえる。
でも、数十秒経っても敵は私たちに攻撃してこようとしてこない。
「……来ないな。どうする?」
「一応班長たちが襲われてる可能性もあるから、そっちに行きたい」
「そうか、同感だ」
真気は刀の柄をギュッと握りしめながら隣の車両に向かう。
私は真気の後ろを見張りながら真気についていく。
「とりあえず運転席のところまで行く。それで班長がいなかったら反対方向に向かうぞ」
「うん」
真気は扉を開ける。
その瞬間、誰かが私の頭を掴む。
上から掴まれてる。
私は咄嗟に刀を頭上で振る。
刀身は私を掴んでいる『腕』に当たったはずなのに、その『腕』は切断されてなかった。
それは私を上に持ち上げる。
天井から腕が2本生えてて、それが私の頭を掴んでいた。
このままいけば、私の頭は天井に思いっきり当たる。
それじゃ、間違いなく私の頭は潰れるな……。
私は急いで頭の周りに大量の柊の花を出し、それで頭を覆わせる。
それのおかげで頭への衝撃がゆるくなった。
天井は壊れ、私は電車の上に行った、
「柊菜!」
真気は私と同じ場所に立つ。
かなり風がすごい……。
「大丈夫か?」
「うん、本当にどういう敵なんだろうね、今日のは」
電車のスピードはとても速い。
落ちたら多分、普通に死ぬだろう。
「! 避けろ、柊菜!」
真気が突然私を押す。
私はバランスを崩し、そのまま電車から落ちる。
私の顔が地面に近づいてくる。
私は地面に柊の花を出した――
「――!」
私の周りの景色が変わった。
横に並んでる椅子、隣にはドア……。
電車の……中……?




