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第87話 ふざけ半分で入るものじゃない

 「! 柊菜ちゃん! 刀増えてる!」


 学校に着くと同時に、璃音ちゃんが大声を出す。

 今の私はいつもの白い刀を背負っていて、あのオレンジ色の刀を腰にかけている。


 「え、今気づいたの!?」

 「うん、目立たないから」


 そんなに目立たないかな……私って……。


 しかもなんか前にも言われた気がする!

 霊伐隊に入ったばっかのときに言われた気がする!


 なんて言われたのかは覚えてないけど!


 「柊菜ちゃんも強くなったんだね!」

 「え……? なんでそうなるの……?」

 「だって、刀2本持てる人って『強い』って認められたからじゃないの?」

 「そんなルールないよ!」


 私たちがそんなやりとりをしていると、誰かが後ろから私の肩を叩く。

 振り向くと、そこには『カピバラ』がいた。


 ……あ、本物の『カピバラ』じゃないよ?

 カピバラってあだ名の男子生徒。


 私の体育着のにおい嗅いだやつ。


 「坂田、お前霊伐隊だったよな?」

 「……そうだけど、それがどうした?」

 「俺も霊伐隊に入ろうと思う」


 へー……、霊伐隊に入りたいんだ。


 てかなんで私にそれを言った?

 私にそのことを言ったところで、必ず霊伐隊になれるってわけでもないのに。


 「それで、どうすれば霊伐隊に入れる?」

 「試験受かればいいだけ」

 「そうか、楽勝だな」


 カピバラはそう言ってどこかへ言った。

 動き方が完全に忍者っぽい。


 ……まさか……。


 私は本気で走ってカピバラに追いつく。

 そしてカピバラの前まで来て止まった。


 カピバラは私を見て、銃を撃つようなポーズをしている。

 やっぱり……。


 「ねぇ、ちょっと話があるんだけど」

 「作戦か? なんだ?」

 「『霊伐隊に入ればかっこいい』、そう思ってる?」

 「ああ! だって刀振り回すんだぜ? 俺も――」

 「その程度の理由なら、霊伐隊に入るな」


 私はいつもより強い口調で言う。

 カピバラは私の目を見てかたまる。


 「霊伐隊はふざけ半分で入る組織じゃない。いつ死んでもおかしくない組織なの。ねぇ、訊くね。死ぬ覚悟はできてるの?」


 私の問いかけにカピバラの表情が変わる。


 「『死にたくない』って思ってもいい。でもそれが理由で逃げることは許されない。で、質問の答えは?」


 カピバラはついに、その場から逃げ出した。

 覚悟はできてなかったみたい。


 「ひ……な……ちゃん……」


 璃音ちゃんが私の近くに来る。

 ここらへんで、やっと怒りが少しおさまった。


 「ふぅ……、疲れた」

 「……よかった……いつもの柊菜ちゃんだ……!」


 璃音ちゃんは私に抱きつく。

 私、何か変わった……?

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