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第86話 とりあえず学校へ

 「柊菜ちゃん!」


 いつも通り、学校に向かって歩いてたら後ろから璃音ちゃんが話しかけてくる。


 「おはよ!」

 「あ、おはよ……」

 「最近勉強どう? ちゃんとやれてる?」

 「勉強か……。数学とかヤいかも……」


 ……いや、数学以外にヤバいやついっぱいある……。


 「そっかそっか。あとさ、みんな怒ってるよ?」


 ……え?


 「『なんで坂田、部活に来ないんだ!』って。柊菜ちゃんって確か、吹奏楽部だよね?」


 確かにヤバい!

 大会近いじゃん!


 「い、今から謝りに行ったらいけるかな!?」

 「えっと……、『坂田のせいで大会負けた』って言ってたけど……」


 え!?

 大会って1週間後だよね――


 ――って、もう過ぎてる!

 『私が霊伐隊に入った日から1週間後』だった!


 霊伐隊に入ってから部活なんて行ってないからな……。


 「でも大丈夫だよ! 柊菜ちゃんは霊伐隊だよ? 部活に参加するのとみんなの命を護ること、どっちのほうが大切か、みんなわかってくれるよ!」


 璃音ちゃん……。


 そっか、そうだよね!

 きっと吹奏楽部のみんなならわかってくれる……かな……?


 こんなこと言うのもあれだけど、結構酷いんだよな……みんな。

 ちょっとリズム間違えちゃっただけですっごい怒ってくるんだよな……。


 「私も一緒に謝りに行くから!」

 「あ、ありがとうって言いたいけど……、璃音ちゃんって何部だっけ?」

 「私? 私は帰宅部!」

 「だよね……。きっと『帰宅部のやつが俺ら吹奏楽部に文句言うんじゃねぇ!』とか言われちゃうよ?」

 「そう言われたら殺すだけだから」


 ……確かに、殺せばいい――


 って、璃音ちゃん!?

 結構怖いこと言ってない!?


 「冗談だよ、私が殺せるわけないじゃん。柊菜ちゃんなら刀持ってるし、脅せば?」

 「それって立派な犯罪なんだよね……」

 「大丈夫大丈夫! きっと逃げれるよ! 日本の警察、意外とトロイから!」

 「日本の警察なめすぎじゃない?」

 「そんなもんでしょ」


 そうかな……?

 結構すごいと思うんだけど……。


 「だって警察は霊化とかできないでしょ? でも霊伐隊はできるじゃん」

 「そうだけど……、って、なんで霊化のこと知ってるの!?」


 私、柊菜ちゃんに教えたっけ?

 いや、教えてない気がする!


 「それくらい常識じゃん!」

 「常識なの……?」

 「うん、小学生でも知ってるよ?」


 中学2年生まで知らなかった私って……。


 「とりあえず、一緒に行こ! 久しぶりな気がするなー! 柊菜ちゃんと一緒に登校するの」


 そうかな……?


 まぁ、私は私で今を楽しも。


 『今は永遠に続かない』。

 良い意味でも、悪い意味でも、私はその言葉の意味がわかるから。

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