第85話 本部へ
「柊菜! どこ行ってたんだよ!」
だよねー……説教させられるよね……。
1分くらい前だったな……。
私は刀を鞘にしまい、辺りを見渡す。
特に何もなかったから、私は霊伐隊の本部に行くことにした。
そこまで行くと真気たちがいて、私を見て驚いていた。
そこでの真気の第一声。
「柊菜! どこに行ってたんだよ!」
「えーっと……ちょっと戦ってた……」
「戦ってたって……お前……大丈夫なのかよ……」
「うん、私は大丈夫。それより班長と赫さんは?」
「優希お姉ちゃんなら――」
血花ちゃんが泣きそうな顔をして私の後ろを指で差す。
後ろ……?
「あー! 血花ちゃん! なんで言っちゃうのー!?」
いつもの班長の元気な声がする。
よかった……元気そうで……。
私は安心しながら振り向いた。
すると、牙が生えていて爪が長い班長がいた。
そして身体の所々に血がついていた。
でも赫さんはいない。
「柊菜ちゃんをびっくりさせようと思ってたのにー!」
「え、ごめん……なさい……」
しょんぼりとする血花ちゃん。
うん、かわいい。
「それより優希。お前……大丈夫なのかよ?」
「私? 私は大丈夫だよー! それより赫くんはどうなったのー?」
和生さんの質問に、いつも通りの口調で答える班長。
それより赫さん……一緒じゃないの……?
「あいつは今、治療中。お前は治療しなくていいのか?」
「だーかーらー! 私は大丈夫だって!」
班長……無敵じゃん……。
「それよりさ、話があるんだー!」
班長が手を『パン』と叩く。
すると、真気たちが消えた。
私と班長だけになった。
「『柊菜ちゃんに』ね」
今度は声のトーンが下がっている。
そして笑っていなかった。
「もう目的は近いよ。私が何してたかわかる?」
「何って……」
「みんなと別れたときだよ」
別れたとき……。
普通に動けずにいたんじゃないの……?
「アクサと戦ってたんだ」
「!」
「負けちゃったよ。圧倒的な差で」
班長が圧倒的な差で負ける……。
アクサ……どれだけ強いの……!
「でさ、アクサからいいこと聞いたんだ」
いいこと……。
「『坂田柊菜さえこっちに来れば、もう人間なんてゴミも同然』だって」
やっぱり私を狙ってるんだ……。
「っていうことはさ、柊菜ちゃんがあいつのところに行かなければまだ勝てる希望があるってことだよ」
私か……。
私がアクサのところに行かなければって……。
「柊菜ちゃんも用心してね」
班長はそう言って手をたたく。
すると、私の視界が変わった。
目の前から班長が消えていて、私は自分の家の前にいた。
でも……あの刀は強い……。
なんか……懐かしい感じがするし……。




