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第84話 オレンジ色の刀

 私は霊に斬りかかった。

 刀身が敵に当たる。


 あとは斬れれば……。


 そう思ってたら、霊が煙になった。


 ……え?

 なんで煙?


 「どう? 何か思い出した?」


 月菜ちゃんは私の顔をのぞいて訊く。

 思い出した……?


 特に思い出すことはないけど……。


 「いや……何も……」

 「そっか、じゃあ戦うよ」


 月菜ちゃんがコウのところまで高速で行く。

 だから私も高速移動した。


 コウは私と月菜ちゃんの存在に気づき、意識をこっちに集中させる。

 そして私の刀を見て少し驚いているみたい。


 私がさっきもらったオレンジ色の刀で斬りかかると、コウはそれを躱す。


 なんでだろう……。

 この程度の斬撃だったら躱すより防いだほうがいいのに……。

 そうすれば私にカウンターできるのに……。


 こいつ……私の刀に触らないようにしてる……?


 もう一度斬りかかるが、やっぱりコウは私の斬撃を躱す。

 うん、絶対刀に触ろうとしない。


 刀に触ったらデメリットがあるからだ。

 椿菜ちゃんの斬撃は手で止めてたのに、私の斬撃――今手に入れた刀を触らないのはおかしすぎる。


 今は椿菜ちゃんと月菜ちゃんもいる。

 じゃあ、ちょっと試してみるか……。


 私はわざと隙をつくる。

 椿菜ちゃんと月菜ちゃんは目を大きくして驚いている。


 コウはニヤッと笑い、私のお腹を殴る。

 痛い……!


 「終わりだな、坂田柊菜」


 コウは私の顔面を蹴ろうとしたが――


 「――残念でした」


 私のお腹とコウの手の間に柊の花を出し、それを氷にする。

 私とコウは氷でつながった。


 コウは一瞬だけ驚き、その一瞬だけ動きがとまった。


 その隙に、私はオレンジ色の刀でコウの首を斬ろうとする。

 刀身とコウの首が当たったとき、その刀身が光った。


 私は突然の光に目を閉じる。

 そして何かに押されて吹っ飛んだ。


 多分、コウに押されたのだろう。


 光がやみ、私は目を開ける。

 首を手でおさえて苦しんでるコウ。

 少しだけ口角を上げている椿菜ちゃんと月菜ちゃん。


 何が起こったのか全くわからない。

 でも、この刀はコウに対して強いってことはわかった。


 「クソがよ……! 『ヒナ』……! 記憶が戻りやがったか!」


 喘ぎながら叫ぶコウ。

 記憶が戻った……?


 なんも戻ってない気がするんだけど……。


 「よし……」


 私の隣に来た月菜ちゃんがつぶやく。


 「クソが! クソが! ふざけんなよ!」


 コウがまた叫び声を発する。

 その瞬間、私の視界が真っ赤になった。


 炎に包まれているのだ。


 ってヤバい……。

 早く消さなきゃ……。


 私は周辺に大量の柊の花を出し、それを氷にする。

 炎がやんだとき、私の目の前には月菜ちゃんと椿菜ちゃんしかいなかった。


 コウはどこ行った……?


 「……逃げた……!」


 椿菜ちゃんはそう言って、煙のように消えた。

 月菜ちゃんも同じように消える。


 残ったのは私一人になった。

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