第81話 燃えた優希
班長……?
燃えた……?
待って、ヤバいじゃん!
早く柊の花で――
「――意外と熱いね、これ」
班長の声がする。
私が班長のところに柊の花を出そうとした瞬間、班長の身体にあった炎が消えた。
よく見たら班長の目が赤い。
班長が霊化してる……。
「……ただの人間じゃないみたいだな……」
男が目を細くする。
そして班長に殴りかかる。
「『人間じゃない』か……」
班長は男の拳を素手で止める。
男は少し驚いているみたいだ。
「確かに、私みたいに喜んで霊を殺してる生物は人間じゃないね」
班長は右脚で男のお腹を蹴ろうとする。
班長の脚が男のお腹に当たった瞬間、班長の脚が爆発した。
「無茶しやがって!」
和生さんが手で拳銃の形をつくり、それを男に向ける。
「雷!」
和生さんの人差し指から雷のようなものが出る。
それは男に向かい、男はそれを躱した。
そして爆煙から離れる。
男は無傷みたいだ。
肝心の班長は爆煙から出てこない。
「逃げられると思ってるんですか?」
男の後ろに赫さんが回り込み、男を斬ろうとする。
「逃げる? 俺が逃げると思ってんのか?」
男は爪で赫さんの顔を引っ掻く。
赫さんの顔から大量の血が出た。
とにかく、私も戦わなきゃ……。
「……そんなの思ってませんよ」
赫さんが嗤いながら自分の血をなめる。
すると、赫さんがその場から消えた。
そして、私たちの前にある郵便ポストの上に赫さんが立っていた。
「赫! 私も協力する! やる前には何か合図して!」
血花ちゃんが赫さんに向かって叫ぶ。
やる前……? 何をやる前……?
「ったく、班長……!」
真気も霊化をして、班長の人形を出す。
そろそろ爆煙が晴れてくる。
煙が完全に晴れると、そこには無傷の班長が立っていた。
いや、浮いていた。
空に立ってる……地面みたいに……。
「あーあ、やっぱりこれじゃダメだったか」
班長は首をポキポキと鳴らし、男を見つめる。
班長の脚……大丈夫そうだ……ね……。
「しぶてぇな……。俺は坂田柊菜にしか用はねぇんだよ」
私……?
なんで……、私が……?
「へー、じゃあここに柊菜ちゃんはいない方が私たちにとってはいいってことだね」
班長は挑発するような声で言う。
私がいない方がいい……?
「おいおい、それじゃ俺が困るんだよ」
男は班長に笑いながら言う。
「命令に従わなきゃいけないんだよ――」
「――『坂田柊菜を捕まえてこい。殺してもかまわない』って命令にな」




