第80話 真夜中に現れた者
「……何か発見ある?」
深夜2時。
班長が私たちに訊く。
さっきまで全員で街を歩き回っていた。
ただ歩き回っていただけじゃない。
街に異変がないかさがしていたのだ。
でも特に異変はなかった。
「……全員見つかんなかった……?」
「そうみたいだな」
和生さんが欠伸をしながら言う。
血花ちゃんも欠伸をしている。
……かわいい……。
「もう何も見つかんないんじゃないのォ? 私たちがいても意味ないんじゃなァい?」
「美魅、そういうこと言わないでください」
「……優希お姉ちゃん……眠い……」
全員飽きちゃったのかな……?
もう遅い時間だし……。
「! 見つけた!」
真気が私の後ろを見て叫ぶ。
私は急いで振り向く。
でも、特に変化はない。
真気は腰からハンドガンを出し、撃つ。
それは道路に当たる。
その近くにはネズミがいた。
ネズミ……?
そのネズミは真気に威嚇して、どこかへ走っていった。
「待て!」
真気は刀を抜き、その方向に向かう。
ネズミ相手に……?
「やっぱりダメだったかー……」
ネズミが走っていった方向から男の声。
すると、ネズミが行ったところからツノが2本あって、肌が真っ赤な男が出てきた。
どう見ても霊だ。
「久しぶりだな、そこの男」
そいつは真気に指を差して言う。
真気はそれでも止まらず、男に斬りかかる。
「なんだよ……挨拶もなしに斬りかかるのかよ……」
男はため息をつく。
すると、男の身体がグニャと曲がる。
そして、そいつは液体になった。
その液体は私の前まで勝手に来る。
するとその液体は人の形になり、さっきの男になる。
ヤバい……。
そう思ったときには、男が私の顔面を殴りかかっていた。
「冰!」
私の顔に男の拳が当たる寸前で、男の腕に大量の氷のような粒が刺さる。
それのおかげで男の動きが一瞬だけ止まった。
私はその間に刀を抜き、男の心臓を貫こうとする。
「……寒いのは苦手なんだよ……」
男は跳躍する。
私は追いかけようして、跳躍する。
その瞬間、脚に何か熱いものを感じた。
地面が燃えていた。
私は咄嗟に自分の舌を噛む。
血が出ている。
「柊花之防氷!」
そして、地面に大量の柊の花を出す。
それを全部氷にして、地面にあった炎を消した。
「へー……なるほどね……、アクサ様が言ったとおりだな」
男は細い目をして氷になった地面を見る。
こいつ……今『アクサ』って言った……。
やっぱり……こいつもアクサの仲間か……。
「その話、もっと聞かせてよ」
アクサの後方に班長が回り込み、刀で男の首を切断しようとした。
「俺はテメェらには興味ねぇんだよ……」
男が言った瞬間だった。
班長の身体に炎が現れ、それが班長を燃やした。




