第75話 真気の呼び出し
「柊菜、悪いな。こんな急に呼び出して」
午後10時。
班長と話してから数日。
真気にメールで呼び出された。
しかも人通りが少ない橋の上。
「私は大丈夫だよ」
私は真気の隣に立つ。
正直、ちょっとドキドキしてる。
だってさ、真気って結構イケメンだよ?
しかもこんな橋の上に呼び出されて……。
告白とか思っちゃうし……。
「最近どうだ? 嫌なこととか起きてないか?」
「うん! むしろ楽しいよ」
「そっか、よかった」
真気はニコッと笑う。
かっこいい……。
ってかこれ、マジの告白?
そう思っていいのかな?
それならめっちゃ嬉しいんだけど……。
今まで告白されたことないし。
……いや、1 回だけあるな……。
カピバラから。
あれは私が『告白』って認めないから、告白ってことじゃないよね……?
「今日はな、ちょっと言いたいことがあって呼び出したんだ」
これもう絶対告白じゃん!
「柊菜、班長は信じちゃダメだ」
……え?
「班長は嘘をついている。霊を殺したいとこ言ってたけど、本当は俺ら人間を殺そうとしてるんだ」
……待って……どういうこと……?
「つまり、班長は霊の仲間ってことだ」
……嘘でしょ……。
班長が……霊の仲間……?
そんなわけないよ……。
私は無理して笑顔をつくり、真気に言った。
「な、何言ってるの……? 班長が霊を殺してるところ見たことあるよね……? 班長が霊の仲間だったら、そんなことしないよ……」
「それは俺らの前だけだ。俺らに霊の仲間ってことがバレないようにしてる。『自分の邪魔になる存在が現れたらすぐに殺す』、班長はそういうやつだ」
違う……よね……?
そんなわけ……ないよね……?
「じゃ、じゃあなんで私たちは殺さないの? 私たちだって邪魔な存在じゃん……」
「俺たちは班長のお気に入りだ。すぐに殺したらもったいないから殺してないだけだ」
班長……。
でも……もしそうだとしても……班長は私にあんなに優しくしてくれないよ……。
真気……班長……。
どっちを信じればいいの……?
「わかったか? そこで俺は考えたんだ。今から班長を殺しに行く」
真気は刀を抜き、下にある川を見る。
そんな……。
真気だって……班長と楽しそうにやってたじゃん……。
「柊菜、迷うな。本当に霊を殺したいなら、行く――」
「やめろ! 柊菜!」
どこからか真気の声が響く。
でも、真気は私の目の前にいる。
すると、誰かが真気に斬りかかる。
真気は舌打ちをして、その斬撃を躱した。
私の目の前に真気に斬りかかった男の人が立つ。
それは、血まみれになった真気だった。




