第74話 班長の呼び出し
「……柊菜ちゃん、こんな夜中に来てもらって……ありがとう」
深夜2時。
班長に呼ばれた。
学校で起きたことを全部話したら、『いつもの部屋に来て』って言われた。
真気や琉璃さん、弘太さんはいない。
私と班長、二人きり。
しかも、班長がいつもより元気ない。
「班長……?」
「柊菜ちゃんに隠してたことがあってさ、それを言いたかったの」
言いたいこと……?
なんだろう……。
「柊菜ちゃんの目的ってさ、『親を殺した霊を殺すこと』でしょ?」
「!」
急な班長の言葉に私の動きが止まる。
班長はそれを目で確認しながら言葉を続ける。
「私の目的もさ、柊菜ちゃんの殺したい霊を殺すことなんだ」
班長……。
ちょっと待って……頭が追いつかない……。
急にそんな話されても……。
「その霊はね、『アクサ』って名前なんだって。少年みたいな霊で、人を残虐に殺すことが好きみたい。その霊はね、手下がいるんだ」
アクサ……手下……?
「3人の手下がいるんだ。全員どんなやつか知らないけど。……柊菜ちゃん、さっき変な世界にいったんだよね?」
「え、あ、はい……」
「そこは霊の世界で、霊が大量にいるんだ。もともと霊はそこにしかいなかったんだけど、ある理由でこっちの世界に来たんだ。その理由は、『アクサがこの世界と向こうの世界の境界線を壊した』ことなの」
向こうの世界……。
そういえば、楸菜ちゃんも『なんで柊菜ちゃんがここにいるの?』みたいな感じで驚いてたな……。
向こうに人間がいるのはおかしいのか……。
「柊菜ちゃん、これ」
班長は腰にかけているものを出す。
ハンドガン……?
「これ、『アクサ』に撃って。これは特別な銃で、弾丸の中に猛毒があるの。その毒は結構ヤバいやつだから、間違えても人に撃たないでね」
毒……。
私はお礼を言って、班長から銃を受け取る。
中には1発だけ弾が入っていた。
「わかった? アクサに撃ってね」
「はい……」
私は銃をベルトにかける。
「私、ちょっと用事あるから」
班長はそう言ってその場から消える。
超高速移動したのかな……?
私もこの部屋から出た。
何か……起こりそうな気がする……。
とても嫌なことが……。
なんで私……こういうのわかるようになったんだろう……。
ちょうどあの日からだ……。
月菜ちゃんたちと会ったときからだ……。




