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第73話  脱出

 「それで! そのウサギがすっごく可愛いの!」


 楸菜ちゃん……興奮してる……?

 ウサギの話は聞きたいけど……今はここから出ることを考えようよ……。


 もうそろそろ天井が私たちの頭に当たりそうだよ……?


 「よくみんなで撫でるんだー! それでそれで! そのウサギはね! 榎菜ちゃんの出した葉っぱが大好物なんだ!」


 ……どうしよう……楸菜ちゃんを止められない……。


 「でもね! そのウサギが怒ると私たちに攻撃してくるんだ! 意外と強いんだよね……。こんな感じに」


 楸菜ちゃんは壁に手を向ける。

 すると、その壁か爆発した。


 外が見える。

 ……ってことはここから出られる……?


 「ありがとう! 楸菜ちゃん! みんな! ここから出るよ!」


 私が生徒に言ったときだった。


 「……あ、壊しちゃった……。直さなきゃ……」


 ……? 楸菜ちゃん……?

 今『直さなきゃ』とか言わなかった……?


 楸菜ちゃんは壊れた壁に近づく。

 すると、壁が元通りになった。


 「ちょっ! 楸菜ちゃん! 今そこから出られなかった!?」

 「え? ごめん、ちょっと聞こえなかった」

 「いや! そこから出られたよね!? 私たち!」

 「無理だよ」


 楸菜ちゃんは急に声のトーンを低くする。

 そして急に真面目な顔になった。


 「敵がいたよ、すぐ外に。私たちがそのまま出てたらみんな喰われてた。だからあそこからは出られなかった」


 ……そうなの……?

 敵がいたの……?


 「さてと、ウサギの話して盛り上がったことだし、ちょっと本気で脱出するか」


 楸菜ちゃんは準備運動をするみたいに屈伸(くっしん)をしたり伸びをしたりする。

 何かやるの……?


 「柊菜ちゃん、『楸』なんて植物、見たことある?」


 唐突に私に訊いてくる。

 楸……?


 「見たことないでしょ? 存在が風化されたんだよ」


 楸菜ちゃんはさっき壊した壁に近づく。

 そして、その壁に手を近づけた。


 すると、壁が消えた。

 その先は光に包まれている。


 「さ、柊菜ちゃん、ここから帰りな」


 楸菜ちゃんは笑顔になって私を見る。

 どうやって壁をなくしたの……?


 技とか使ってた……?


 「ここに入ると、もとの世界に戻るから。バイバイ」


 楸菜ちゃんは私に手を振る。

 その瞬間、視界が光に包まれた。


 光がやむと、私は教室の中にいた。


 今度は明るい。

 私の周りには、気絶して倒れている生徒がいた。


 しかも、頭が痛い。


 それだけじゃない。

 身体が寒い。


 冷蔵庫の中にいるみたいだ。


 でも、なんでだろう……。

 暑いとも感じる。


 汗が出てくる。

 苦しい……。

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