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第70話 階段の霊

 「おい、坂田……」


 後ろにいる男子が言う。


 「俺ら、本当に外に出られるんだよな……?」

 「……わからない……けど、やってみる」


 今の気づいたけど、階段が増えてるわけじゃない。

 ()()()()()()()()


 まるで時間が戻ってるみたいになっていて、いくら階段を降りても一番上の段にいる状態。


 じゃあここから飛び降りたらどうなるんだろう……。

 私は脚に力を入れて、ここから飛び降りた。


 脚が床についたとき、私はまだ階段に立っていた。

 しかも一番上。


 どうしよっかな……。

 爆発とかできればいいんだけどな……。


 私の能力じゃ爆発はできない。

 しかもさっき手榴弾使っちゃったし……。


 マジでどうしよっかな……。


 「困ってるみたいだね!」

 「うん、どうしよっかな……。……?」


 私の後ろから声が聞こえる。

 だから普通に言葉を返したんだけど……。


 その声は私に似ていた。

 まさか―――


 「やっほー、元気?」


 私の後ろに楸菜ちゃんがいた。

 なんでここに……?


 「あのあと大丈夫だった? 吐き気とかすごかったでしょ?」

 「う、うん……でも、なんで楸菜ちゃんがここに……?」

 「それはこっちのセリフだよー、なんで柊菜ちゃんがここにいるの?」


 ……え?


 「急にこっち来て、どうしたの?」


 楸菜ちゃんは私と生徒をチラッと見て言った。

 こっち……?


 「……その反応からすると、自分の意思で来たわけじゃないみたいだね」


 楸菜ちゃんが声のトーンを下げて言う。


 「う、うん……。なんか、霊を殺したらこうなっちゃった……」

 「…………」


 楸菜ちゃんは黙り込む。

 何か考えてるみたい。


 「……柊菜ちゃんだけなら向こうの世界に戻れるけど、それじゃ他のみんなは無理だよね……」


 ……私だけなら帰られるんだ……。


 「……そういえば、なんで楸菜ちゃんもここにいるの?」

 「私? ここで霊倒してたら急にここから出られなくなって、歩いてたら柊菜ちゃんがいた。……ってか、ここ柊菜ちゃんが()()行けないところだよ?」


 楸菜ちゃんも霊殺してたんだ……。

 私が殺した霊の技かな……それともまた別の霊?


 楸菜ちゃんもここから出られないってことは結構ヤバいことなのかな……?


 「どうやって出よっか……。柊菜ちゃんの能力は防御でしょ? 私の能力は心を変える系だからなー……。どっちの能力も相性悪いな……」


 心を変える系……?

 『気持ちを変える』とかかな……?


 どういう能力なんだろう……。


 ……こんな推測してる場合じゃないか。

 早くここから出ないと……。

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