表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/329

第62話 札

 「……柊菜ちゃん、なにがなんでも私から離れないで」


 楸菜ちゃんが私の前に立つ。

 何が起こるんだろう……。


 「ちょ、ちょっと!」


 私の後ろから聞き覚えのあるオネエの声。

 パンだ……。


 「どうなるの! 死にたくないわよ! ねぇ、聞いてるの!?」


 私の後ろで何かギャアギャア騒ぐパン。

 そういえば壱の伍班で生き残ってるのはパンだけか……。


 「……ちょっと、黙ってて」


 楸菜ちゃんは(ふところ)に手を入れる。

 そしてお札みたいなものを5枚出す。


 「集中する」


 楸菜ちゃんはお札を自分の身体に貼る。

 頭、右腕、左腕、右脚、左脚に貼っている。


 何してるんだろう……。


 私たちはしばらく黙っていた。

 その間もずっと榎菜ちゃん、月菜ちゃん、椿菜ちゃんは少年に斬りかかっていた。


 でも少年は傷ついていない。

 逆に3人が傷ついている。


 『おやァ、こんなに弱いのかァ。六花女神は』


 少年は椿菜ちゃんに殴りかかる。

 椿菜ちゃんが避けようとしたが、避けられなかった。


 椿菜ちゃんのお腹が殴られる。

 口から血を吐く椿菜ちゃん。


 椿菜ちゃんが私にすっごい似てるから、なんか自分が殴られてる気分……。

 あんまりいい気分じゃないな……。


 椿菜ちゃんは吹っ飛ぶ。

 ……? あれ……?


 椿菜ちゃん、笑ってる……?

 この状況で……?


 「……これで能力が使える……」


 椿菜ちゃんは笑いながら少年に近づく。

 どうなるんだろう……。


 そう思って椿菜ちゃんを見つめていた。


 そのときだった。


 「みんな! 準備できた!」


 楸菜ちゃんが叫ぶ。

 楸菜ちゃんの周りの空気が歪んでるみたいになっている。


 何が準備できてるの……?


 「どうする!?」

 「……こっちはかなりキツイ」


 月菜ちゃんが少年に斬りかかりながら言う。


 「私も結構キツイなー」


 榎菜ちゃんは余裕そうな声で言うが、表情は余裕そうではなかった。


 「私の能力……ちょうど使えるのに……。まぁ、柊菜ちゃんの安全が優先か」


 椿菜ちゃんも言う。

 私の安全……?


 「柊菜ちゃん、ちょっと変な感じになるかもしれないけど、我慢してね! またね!」


 楸菜ちゃんが私に言う。


 そして楸菜ちゃんは頭に貼ってあるお札に触る。


 「(てん)!」


 楸菜ちゃんが叫ぶ。


 そのとき、私の視界が歪んだ。

 気が付いたとき、私は壱の玖班の部屋にいた。


 私だけじゃない。

 真気、琉璃さん、弘太さん、班長、パンもいる。


 その次の瞬間、吐き気が私を襲った。


 「ウッ!」

 「! 柊菜! 大丈夫か!」


 真気が真っ先に私に近づく。


 「う……うん……」


 私は吐き気を我慢しながらさっきまでのことを思い出す。


 さっきのはなんったんだろう……。


 楸菜ちゃんは私に、『またね』って言ったよね……?

 私はどうなるんだろう……。


 私の安全が優先って言ってたよね……。

 何が目当てなんだろう……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ