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第53話 また頭痛

 「みんな!」


 ドアが勢いよく開いて、班長が入ってくる。

 ここは『壱の玖班』の部屋。


 ちなみに今は夜7時。

 和生さんたちと今回の任務のことについて話し合っていた。


 「いやー、ごめんごめん! 和生もありがとう!」

 「ああ、今回はあっさりと勝てたぞ」


 まぁ……確かに一応誰も死んでないけど……。

 そういえば班長と和生さんが戦ったとき、班長腎臓負傷とか言ってたよね……。


 あの強い班長が……?

 それに今日の和生さんの霊化も結構強かった……。


 なんで負けたんだろう……。

 いや、負けたわけじゃないか。


 「それより、倒せたんだよね! すごいね!」

 「今回は俺の霊化が上手く使えたからな」

 「あー、前回は運悪かったからね」


 ……どうしよう……話がついていけない……。

 『霊化が上手く使えた』って……。


 私みたいに霊化を発動するのに条件とかあるのかな……?


 「……それとさ、和生、ちょっと相談したいことがあるんだけど……」

 「……わかった」


 班長と和生さんは部屋から出ていく。

 ……え……私たち何すればいいの……?


 「……暇だ……。おい琉璃、なんかクイズ出せ」


 真気が壁によりかかりながら琉璃さんに言う。


 「……木へんに春って書いて『椿』。木へんに夏で『榎』。木へんに冬で『柊』。じゃあ木へんに秋は?」

 「……は? 木へん秋なんて漢字あんのか?」

 「僕も知らないな」


 確かに……木へんに秋……。

 聞いたことない――。

 ――!


 私の頭が痛くなる。

 私はドンと音をたてて倒れる。


 また頭の中に何か――






 「私の名前なんて読むかわかるー?」


 私の前に髪と目が黄色っぽい橙色の少女が現れる。

 顔と声、身長も私と似ている。


 「えっと……漢字はわかるんだけど……」


 私は思ってもないことを言う。

 身体が勝手に動く……。


 「おー! なんて漢字だと思う?」

 「木へんに秋でしょ?」

 「おお! じゃあ答え教えるよ! 私の名前は『楸菜(ひさな)』だよ!」


 少女は元気よく言う。

 楸菜……私と名前が似てる……。


 「あ! 私と似てるね!」

 「でしょ! これからよろしくね!」






 「――菜! 柊菜!」


 真気が私に近づいて叫ぶ。

 その瞬間、私の頭痛がおさまった。


 「うぅ……真気……」

 「お前……大丈夫か……?」

 「うん……大丈夫……」


 私はフラフラしながら立ち上がる。


 なんだろう……今の……。

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