第50話 優希の存在 〜良〜
「ここだ」
私たちはとあるビルの屋上に行った。
ヘリポートみたいだけど……あの『H』っていうマークがない。
「いつ来てもおかしくないからな。用心しておけ」
いつ来てもおかしくない……。
今まで夜しか霊を倒したことないから、こんな昼に戦うって思うと違和感が……。
「優希がいると確実に勝てるが、たまにめっちゃ苦しい思いするんだよな……。お前らよく優希と一緒に戦えるな」
うわ……なんか班長がすごく悪く言われてる気分……。
「確かに班長と戦うと酷い目にあうな……」
「……去年は私、顔半分抉れた」
「あー、そんなこともあったな。手術でなんとかなったけど」
ええ……琉璃さん顔抉れたの……?
痛そう……。
「僕は失明する寸前まで攻撃喰らわれたな……」
うう……やだ……。
班長怖い……。
「でもああしてくれなかったら、きっと死んでたな……」
「私も」
班長……。
ちゃんとみんなのことも大事にしてくれてるんだ……。
「俺はこの前『遊ぼ!』って言われて、身体中縄で縛られたぞ……」
真気が昔を思い出すような目で私に言う。
なんで私を見るの……?
「それでビデオ撮られて……。5時間くらい班長に変に笑われた……」
「まぁまぁ、ほら、班長も女子高生じゃん? そういうのにも興味あるんだよ」
私は真気の背中を優しく叩きながら言う。
「……班長が俺の身体とか興味あると思うか……?」
「それはないな」
私の代わりに和生さんが言う。
「あいつだぞ? そういうのが興味あるなら、学校の男つかまえてる。……あ、でもあいつ学校じゃ借りてきた猫だからな……。男に話しかけられるかな……?」
へー、班長って学校じゃ大人しいんだ……。
意外だな……。
…………。
……? あれ、なんで和生さんがその事知ってるの……?
「和生さん、なんで知ってるんですか?」
「同じ学校だから」
おお、同じ学校なのか……。
でも班長って学校サボってるイメージがあるんだけど……友達とかちゃんといるのかな?
「あの……班長に学校の友達とかっているんですか……?」
「……俺がいる」
まぁ、それはわかりますけど……。
……あ……待って……わかっちゃった……。
班長……友達いないんだ……。
だから学校も行かないのか……。
「優希のことは気にしてねぇで、任務に集中するぞ」
……班長……。
「ほら、来たぞ」
! 来た……?
和生さんが上を見ている。
私も上を見る。
人が落ちてきている。
私たちはその場から離れる。
『ヴゥゥゥ……』
その人はうなりながら私たちを見る。
その人には目がなかった。
この人か……取り憑かれた人は……。




