第48話 琉璃さんと勉強?
「…………」
「もう一回言うね、二次方程式の解の公式は?」
私は琉璃さんと向き合う。
私たちの前には教科書やノート。
あれは数時間前だった……。
「柊菜、最近勉強できてないでしょ?」
琉璃さんが私に訊く。
あの着ぐるみの霊討伐してから数日経った。
確かに最近任務とかで全然できてないな……。
「はい……まぁ……」
「じゃあ今度一緒に勉強しよ。私の家で」
おお、琉璃さんの家!
そして琉璃さんと勉強! 楽しそう!
……で今こうなってる。
琉璃さん、なぜか知らないけど習ってないところまで教えてくる。
二次方程式ってさ、3年生でやる内容って書いてあったよ……?
「えっと……」
「……じゃあ問題変える。ガードレールでクルって丸まってるところあるじゃん? あそこの名前は?」
いやいや、知りませんよ!
てかそれ教科書に出てくる!?
え、待って……わからない……!
適当に答えるか……。
「そ、袖ビーム!」
「正解」
正解なの!?
そんな名前なの!?
「じゃあ次。『落石注意』って看板知ってる?」
「はい、よく見ますね……」
「あれには『落ちてくる石に注意してください』って意味の他にもう一つ意味があるんだけど、何?」
あ、これなら知ってる!
……って、これも教科書にないところじゃん!
テストに出ないよ!? 今の問題!
とりあえず答えなきゃ……琉璃さんが怒っちゃう……。
「『落ちている石に注意』です」
「正解、じゃあ次。球の体積の公式は?」
……やっとちゃんとした問題が来た……。
「報告書です」
とある部屋で優希が男に話しかける。
その男は『霊』と白い字で書かれた黒いハチマキを巻いていて、刀を背にかけている。
霊伐隊の隊長だ。
「おう、ありがとな」
男は優希の持っている書類をもらう。
「――それで、何かわかったか?」
「……言っている意味がわかりません」
優希はそう言い、男を睨む。
そしてその部屋から出ていこうとする。
「おい、待てよ、わかるだろ」
「本当にわかりません」
「じゃあ言ってやる。坂田柊菜の行動、霊化はどんなんだった?」
優希は歩くのをやめ、振り向く。
そして再び男を睨む。
「何も知りません」
「嘘つくなよ」
「……私は柊菜ちゃんが霊化してるとき、違うところにいました。だから何も知りません」
「……わかった、もう行け」
優希は部屋から出る。
男の声を聞きながら――
「――霊が滅亡するかはお前にかかってるからな」




