第34話 現れた霊
『クソが……』
急に現れた霊みたいなやつが言う。
「柊菜、これで隠せ」
真気は上着を脱ぎ、私にそれを渡す。
私はそれを羽織る。
結構破られた……。
まぁ、ここには真気しかいないから全然いいけど……。
『お前キモいな……いきなり女の服を破くなんて……』
「キモいのはどっちだよ。女の服に化けていやがって」
真気はそう言い、霊化する。
次の瞬間、真気の隣に班長が現れる。
真気の出した人形かな……。
「柊菜、急に服破って悪ぃ」
真気は霊に斬りかかる。
霊は真気の斬撃を躱し、真気を殴ろうとする。
しかし、その瞬間に霊の両腕が切断された。
班長の人形が霊の両腕を切断したのだ。
その隙に真気が霊の首を斬ろうとした。
『ムカつくやつめ……』
霊が低い声で言う。
すると、霊の両腕が生えた。
超速再生……!
これ、私も戦った方がいいやつだ……。
私は刀を抜いた。
「柊菜! 無理に戦わなくていい!」
「大丈夫! 私にもできることくらいある! 下着も着てるし!」
……でも確かに戦いにくい。
真気の上着だし、そんな乱暴にできない。
なら――
「霊化、柊花之防氷!」
私は霊化する。
真気は一瞬、私を見て驚いた。
しかしすぐに戦闘に戻った。
「真気! 相手の攻撃を避けようと思わないで!」
「なッ! 何言ってんだよ!」
「いいから!」
真気は一瞬迷ったようだが、私の言葉を信じたみたい。
敵が真気に殴りかかるのに、真気は避けようとしない。
ありがとう、真気。
私は真気に向かって掌を向ける。
すると、真気に前に柊の花が現れる。
霊はそれを殴った。
柊の花はびくともしない。
真気はチャンスと思ったのか、霊に斬りかかる。
霊は真気の斬撃を避けれず、真気に斬られる。
それと同時に、班長の人形も霊に斬りかかる。
霊は粉々になった。
よし、仕上げだ。
私は粉々になった霊の周りに柊の花を出す。
「真気! 離れて!」
「わかった!」
真気はその場から離れ、私の隣に立つ。
班長の人形も私の隣に立つ。
その瞬間、柊の花が氷になった。
それは霊を取り囲むようになっていた。
「……すげぇな、お前」
「うん……」
「でもそれよりさ、霊化に名前つけるって……」
名前……?
そういえばあったな……『柊花之防氷』ってやつ。
みんなないの……?
私だけ……?
……てか、私があの名前つけたんじゃないよ?
勝手に頭に入ってきたの。
『勝ったと思っているか……?』
……嘘……なんで……?
私は霊がいる場所を見る。
そこには、あの霊がいた。
氷は全部粉々になっていて、霊は無傷のようだった。




