第30話 二度目の個人治療室
「本当にもう大丈夫?」
琉璃さんが心配そうな顔をして私を見る。
ここは個人治療室。
そこのベッドで寝かされている。
あのあと、なぜか知らないけど熱が出た。
なんでこんな苦しい思いを……。
「は、はい……」
「大丈夫じゃないじゃん。おかゆ食べる?」
何が一番ヤバイって、今琉璃さんと二人きりなんだよ。
そして琉璃さんが私のことをめっちゃ心配してくれてる。
いつも琉璃さんと違う……。
いつもなら『もう敵倒したから安心して寝てて』とか言うのに……多分……。
「柊菜ちゃん! 大丈夫!?」
ドアが勢いよく開いて、声がする。
……この声……なんで今ここにこの声が……?
ここ霊伐隊の本部だよ……?
そんなことを思いながら私はドアの方向を見る。
そこには璃音ちゃんがいた。
「璃音ちゃん……?」
「どうしたの? 怪我した?」
「いや……無傷……。それと……今私……熱があるから……近づかないほうがいい……」
私がそう言っているのに、璃音ちゃんは私の手を握る。
……私の声聞こえてるかな……?
「……あ、柊菜。おかゆじゃなくて雑炊の方がいい?」
璃音ちゃんの次は琉璃さんが私に声をかける。
別に今お腹空いてない……。
むしろお腹いっぱいなんだけど……。
「ぞ、雑炊つくるんですか!? 私も手伝います!」
璃音ちゃーん!
なんでそうなるのー!
「……それと柊菜ちゃん! 手紙がある! カピバラから!」
カピバラ……? あいつか……。
あいつだよ。あのウザい男子。
わかる? 私の体操着のにおい嗅いだやつ。
マジでキモいよね……。
璃音ちゃんが私に紙を渡す。
その紙には文字が書いてある。
『なぁ、本当に俺のこと嫌い? 本当は好きだろ? 俺はお前のこと好きだから両思いじゃん。俺たちに超相性いいと思うんだよね。これから子供つくって幸せになろうぜ?』
私はその紙を粉々に破る。
琉璃さんはすごく驚いて、璃音ちゃんは『当たり前だよね』って顔してる。
ちなみになんであいつのあだ名が『カピバラ』なのかというと、あいつの鼻の下伸ばしたときの顔がカピバラに似ているから。
璃音ちゃんもカピバラのキモさはわかる。
この間胸触られそうになったらしい。
マジでキモい。
「どんな内容だった?」
「……言いたくない。気持ち悪くて仕方ない……」
本当にあいつ、精神的に無理。
ウザいし、キモいし。
……あれ?
熱下がった……?
全然苦しくない。
なんでだろう……。
カピバラってあだ名……




