第3話 学校の反応
翌日。
「行ってきます!」
私は家から出る。
なぜか小走りになってしまう。
今私は霊伐隊の制服を着ていて、髪型はサイドテール。
すれ違う人が私のことをジロジロ見る。
「おい、お前」
校門をくぐろうとすると、誰かに声をかけられる。
生活指導の先生だ。
「はい?」
「制服はどうした」
「制服……?」
「何のコスプレか分からんが、制服に着替えてこい」
みんなが私を見る。
こんな目立つ服着て、生活指導の先生と話してるから当然か。
「いえ、これは制服です」
私は言い返す。
……初めて先生に反論したかも……。
「何を言っている! いいから帰って着替えろ!」
先生が急に大声を出す。
なんでこう、生活指導の先生ってすぐ大声を出すんだろう……。
「無理です。これは国が決めたルールです。国と学校、私は国を優先します」
「ふざけるのもいい加減にしろ! だいたい、どんなルールだ!? 言ってみろ!」
先生はそう言い、勝ち誇った顔をする。
私が答えられないと思っているのだろう。
この顔ムカつくな……。
「じゃあ言いますよ!」
私は一度深呼吸をする。
そして、落ち着いてから静かに言う。
「私は霊伐隊です」
私がそう言った瞬間、先生の動きが止まる。
そして、少し顔を青くして言う。
「お前……霊伐隊か……?」
「はい!」
「……通れ」
先生がそう言ったので、私は堂々と校舎の中に入る。
なんで先生はあんな青い顔したんだろう……。
霊伐隊の私に怒鳴ったから、国に怒られるとでも思ってるのかな……?
私が教室入った瞬間、みんなが私を見る。
……ウザい男子もいる……。
私はそのまま自分の席に座り、リュックを開ける。
「お、おい、坂田! なんだよその格好!」
一人の男子が私に近づく。
副委員長だ。
「あ、これは……」
「坂田さん、学校には制服で来てください」
私の声を遮って言ったのは委員長。
ちよっと感じ悪い女子なんだよね。
「いや、これ制服……」
「いくら目立たないからってそのような、ふざけた格好で学校に来てはいけません」
め、目立たない!?
彩希おばさんと同じこと言ってる……。
そんなに私目立たないの?
「いや、だから……」
「家に帰って着替えてください」
あの先生みたいなこと言ってる……。
だいたい、あなたが『帰れ』って言っても誰も帰らない気がする……。
「そうだ、調子乗ってねぇで帰れ」
そう言ったのはウザい男子。
自分がモテてると思ってるらしい。
「だーかーらー! これが制服なの!」
「うっせぇ!」
その男子は私に殴りかかる。
自分が目立たなくなるのが嫌いだからな、こいつ。
でもそんなすぐ人を殴ろうとする!?
女の子に向かって……。
私はその男子の拳を止めるために、その男子の腕を掴む。
「なッ!」
その男子は私の手を放そうとするが、全然放さない。
霊伐隊に一般人が力で勝てるわけないよ……。
痛そうだから放してあげよ。
「クッソ……」
「説明まだだったね。これはね、霊伐隊の制服だよ」
私はその男子に言う。
すると、その男子は私から逃げるように廊下に出る。
「すごいね! 柊菜ちゃん! 霊伐隊になったの!?」
そう言って私のところに来たのは璃音ちゃん。
私の親友なんだ。
「すごいね! 前まで目立たなかったけど、今はサイドテールかぁ……」
うっ……璃音ちゃんに言われると……。
「マジかよ! 坂田、霊伐隊ってどうやって入れるんだ!?」
あっという間に私の机は囲まれてしまった。
こんなに人気になるとは……。
皆さんの学校にはウザいやついました?